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近鉄大和西大寺駅は、奈良市中心市街地の近鉄奈良駅や、大阪、京都、橿原方面を結ぶ、観光、通勤における奈良市最大の公共交通機関の結節点である一方で、大型商業施設を有する居住エリアを駅、軌道が横断している状況にあります。
その解消に向け、近畿日本鉄道株式会社とともに、自由通路整備工事を進めることとし、平成29年11月から工事着手し、昨年2月には北側駅前広場の仮整備工事を終え、7月からは仮駅舎での供用を開始、9月末に旧北側駅舎の解体を終えました。
併せて桁の作製にも着手し12月には長野県内の工場で仮組立検査を実施、検査合格後に運搬し作業ヤード内で本組立てを行います。
現在の軌道敷内での基礎工事の後、1月下旬から自由通路本体の橋脚建方工事を、2月末から4月にかけて桁架設工事を行う予定です。
自由通路の橋脚を駅の北側と南側からクレーンで釣り上げて設置します。
設置した橋脚の上に通路の床部分を南側からクレーンで釣り上げて設置します。
設置した橋脚の上に通路の床部分を北側からクレーンで釣り上げて設置します。
駅南側よりクレーン車により架設
駅北側よりクレーン車により架設 完了
奈良市と近畿日本鉄道株式会社(以下「鉄道事業者」という。)は、大和西大寺駅に自由通路を新設し、及びそれに伴い支障となる駅舎を橋上化により機能回復する工事の仮基本協定を平成28年11月1日に締結しました。
また、この協定は、「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」の規定により、奈良市議会で所定の議決を得て平成28年12月16日に本協定となりました。
鉄道施設により分断された大和西大寺駅周辺の南北交通は、交通量も多く歩行者等が車両と交錯し通行に支障となると共に不便な状況にあります。
このため、駅の南北を高架でつなぐ歩行者専用道を整備することにより、安全性を増進し、快適な通行を確保します。
平成21年6月1日付で国土交通省が定めた「自由通路の整備及び管理に関する要綱」の規定に基づき、自由通路整備費は奈良市の負担とし鉄道事業者に工事委託をします。
また、それに伴い支障となる鉄道施設は「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」により奈良市が補償し鉄道事業者が工事を行います。
ただし、駅舎建替相当額(仮想により地平部に駅舎等を再整備する場合に要する費用から残存価値を差し引いた額)は鉄道事業者の負担となります。
自由通路整備費 概算25億円
駅舎補償工事費 概算35億円
平成28年度から平成32年度末まで
奈良市は、自由通路の設置に併せて大和西大寺駅南北の駅前広場を整備していきます。
大和西大寺駅は奈良、大阪、京都、橿原方面などを結ぶ鉄道の重要な結節点であり、1日の乗降人員が46,530人(調査日:平成27年11月10日〔火〕)と多いにもかかわらず、駅の南側は現在まで駅前広場が未整備であり、また北側の駅前広場は狭く機能の面においても不十分な状況となっています。
そこで、この両駅前広場の整備により、安全で快適かつ利便性を高めた駅前空間を創出します。
駅南側の駅前広場は、現在西大寺駅南土地区画整理事業により用地は確保済みとなっていますが、この用地は自由通路の整備工事において工事資材を置いたりクレーン車の据え付け等の工事ヤードとして使用しており、この自由通路の完成に併せた供用開始を計画しています。
また、駅北側の駅前広場につきましても同時期に完成することを目標として取り組んでいます。
西大寺駅周辺整備事務所
電話番号:0742-43-6388