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史料保存館では、奈良町の歴史情報発信とともに、市内に残る歴史資料の収集に努めています。
今回の展示では、平成28年度から30年度の間に寄贈を受けた史資料の中から、奈良町ゆかりの近代史資料を中心に、新知見となる史資料の55点と参考資料5点を紹介します。
史料保存館 展示室
(奈良市脇戸町1-1)
令和2年1月7日(火曜日)~3月1日(日曜日)
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
月曜日・祝日の翌平日(祝日は開館)
1月14日(火曜日)・2月12日(水曜日)・25日(火曜日)は休館
無料
史料保存館で、館員による展示解説を2回行います。約30分の予定。申し込みは不要です。
(1) 1月12日(日曜日)午後1時半~
(2) 2月4日(火曜日)午後1時半~
今回の展示では、新たに寄贈を受けた史料の中から、これまで知られていなかった近代奈良町の新史料を中心に紹介します。
椿井小学校校舎関係図面は、明治9年(1876)建築の校舎に代わって明治40年(1907)に新築された校舎の図面です。
明治後期の椿井小学校の外観と、内部の教室等の配置が分かる貴重な史料です。
また、奈良の伝統産業として有名な墨の製造で用いる墨型19点を展示します。
墨の完成品はよく目にすることはあっても、その型作りに欠かせない墨型を目にする機会は少なく、墨型の構造や墨の表面を飾るいろいろな模様などを間近でご覧いただける貴重な機会です。
また、墨の仕上げ(磨き)に使用する大きなハマグリの貝殻も展示します。
この他、昭和初期の御霊神社(薬師堂町)秋季例大祭の写真や瓦堂町の旧蔵史料なども展示します。
さらに、これらの史料の時代背景を知る上で参考となる、明治・昭和の版図を展示して、近代の町の変化を紹介します。
「新収蔵史料紹介-近代の奈良町新知見-」展開催に合わせ、展示開催を多くの人に知ってもらうために、奈良町にぎわいの家において、展示に関連した史料の一部を出張展示し、あわせて史料保存館員による史料解説を行います。
令和2年3月1日(日曜日) 午後2時~4時
(館員による展示解説は午後2時から30分程度)
奈良町にぎわいの家
(奈良市中新屋町5)
無料
不要
市ホームページ・twitter・関西文化.com・しみんだより1月号・チラシ配布・報道機関及び歴史街道推進協議会への情報提供、周辺施設への広報
明治40年(1907)11月10日落成した、奈良市立椿井小学校校舎の平面図と立面図です。
椿井小学校は、明治5年(1872)に漢国町念仏寺境内に設立した陶化舎に始まり、明治9年(1876)に椿井町に当時としてはモダンな洋風の校舎が新築されました。
その後生徒数の増加に対応するため、木造2階建ての新校舎が建設されることになります。
今回の展示資料は、その校舎に関連する図面です。
明治38年(1905)に起工、明治40年(1907)完成し、昭和32年(1957)に新たな校舎に建て替えられるまで、多くの子供達の学び舎としての役割を果たしました。
残念ながら図面の元蔵者と作成者についての詳しい情報は伝わっていませんが、明治頃に製図の仕事をしていた方がおられたようです。
今辻子町にあった製墨会社勝栄堂で、製墨工程で使用していた墨型ほかの資料です。
墨型が19点あり、この内1点は、唐墨の墨型です。
三枚型の墨型が6つのパーツからなることがわかるなど、墨型の構造や墨の表面を飾るいろいろな模様などがみてとれます。
その他の道具には、ハマグリの貝殻があります。
これは、仕上げの磨き上げに使用したものです。
これらは、製墨工程には欠かせない道具類ですが、普段は目にすることがありませんので、今回の展示は、間近で見ていただける貴重な機会です。
昭和初期頃の、御霊神社(薬師堂町)で行われた秋季例大祭渡御式に参列の稚児を撮影した写真です。
撮影場所は築地之内町で、被写体の稚児及び撮影者は不明です。
現在も毎年秋に御霊神社の秋季例大祭渡御式が行われ、奈良町内を神輿や獅子舞、氏子などが練り歩きます。
稚児は人力車に乗って参列します。
写真から、かつての祭礼では、稚児は騎馬で参列していたことや、当時の衣装がわかり、貴重な史料といえます。