水分・塩分補給と「ひんやりオアシス」で暑さを乗り切ろう
6月16日に奈良市内の暑さ指数(WBGT)が31.1を記録し、暑さにおける「日常生活に関する指針」上の最も注意すべき「危険(31以上)」となりました。これは観測史上最も暑い夏と言われた2024年を含む過去10年(2016~2025年)で最も早い時期です。
例年より早く本格的な暑さが到来し、気象庁の3か月(7~9月)予報でも今年もまた平年よりも平均気温が高くなる見込みと予想されています。
ご高齢の方やお子さま、またはそのような方がご家族にいらっしゃる方は、水分・塩分の補給に加え、「ひんやりオアシス」として市内約130の施設を指定していますので、ぜひ積極的にご活用いただきこの夏を乗り切りましょう!
※暑さ指数(WBGT)…気温に加え、日射・輻射(周辺の熱環境)や湿度を総合して算出。

※2024年までは確定値、2025年は実測値
1.熱中症を防ぐためには
- 熱中症による死亡者数は年間1,000人を超える年もあり、地震や台風などの自然災害による死亡者数を大きく上回っています。
- 最高気温が30℃を超える日数は年々増加しており、猛暑日(最高気温が35℃以上)の割合が増えています。このことから、熱中症は誰でもかかる可能性がありますが、高齢者と子どもは特にリスクが高いので気を付ける必要があります。

出展:消防庁、厚生労働省

2.なぜ熱中症のリスクが高い?
- 高齢者は次の理由から熱中症のリスクが高いとされています。
- 暑さやのどの渇きなど、体の変化を感じにくくなる
- 体内の水分量が減少する
- 発汗量・皮膚血流量が減少する、また、増加が遅れる(体温調節機能が低下する)
- その結果、行動性体温調節(衣服で体温調整をする、エアコンをつけるなど)という暑さを避ける行動をとりにくくなったり遅れたりする
- 子どもは次の理由から熱中症のリスクが高いとされています。
- 体が発達途中なので体温調節(汗をかく)機能も未発達
- 身長が低いため、より温度の高い地表に近い
- 自分の体調の不調や変化をうまく言語化して表現できない
- 子どもは体が小さいので外気温の影響を受けやすく深部体温が非常に高くなっている場合があります。顔が赤く、汗も大量にかいている場合は涼しい場所で休ませてあげましょう。
- また、子どもはスポーツ中の発症が最多です(令和6年。子ども=生後1か月~18歳未満)。
- エンジンを切り締め切った車の後部座席は50℃を超えることもあります。子どもの車への置き去りは短時間でも絶対にやめてください。
3.熱中症対策
1.脱水を防ぐ
- こまめな水分補給と、汗をかいたときの塩分補給を。
- 1日に必要な水分は2.5リットルであり、飲料を除く食事から約1.0リットルの水分を補給しているため、食事をしっかりとる。
- 水分補給にはスポーツドリンクなどを摂取(経口補水液は熱中症になった人が摂取)。

2.体温の上昇を抑える
- 涼しい服装や日傘・帽子を活用する
- 暑熱順化(暑くなりはじめの時期から適度な運動をして暑さに「慣れる」)
- 暑い時や体調不良のときは無理をしない
- 熱中症対策の目安として、暑さ指数(WBGT)が28を超えると熱中症の発症率が急増します。また、予測値が33に達すると熱中症警戒情報、35に達すると熱中症特別警戒情報が発表され、それぞれに応じた対策が推奨されます。
- これらは環境省の熱中症予防情報サイトにて確認できますので参考にしてください。
4.ひんやりオアシスについて
熱中症による救急搬送の半分以上が高齢者です。
搬送されたときの状況で最も多いのは「居室」(自宅・自室にいるときなど)で、次いで「歩行中」(散歩中、買い物や通院などの外出中)となっています。

新生児 |
生後28日以内 |
乳幼児 |
1ヵ月~6歳 |
少年 |
7歳~17歳 |
成人 |
18歳~64歳 |
高齢者 |
65歳以上 |

農作業やスポーツなど、熱中症になりやすそうな状況下より圧倒的に多い
↓
適切なエアコンの利用や、外出時のひんやりオアシスの活用を!
- 厳しい暑さから身を守れるよう市内約130の施設を「ひんやりオアシス」に指定し、気軽にお立ち寄りいただいて涼めるスペースとして開放しています。
- 昨年度に引き続き、郵便局や薬局・薬店のご協力に加えて、今年度から民間企業の店舗等も新たに追加し、その施設に用事がなくても涼むだけ・休むだけの利用も可能です。

民間企業の店舗での設置事例
- 子育て世代の方は買い物やお子さまの習い事の送り迎え、お子さまの下校中など、高齢者の方も同じく買い物や外出(散歩や通院など)の際のひとやすみに積極的にご利用ください。
- 利用者の方からは「涼しい場所で休むことができて良かった」、「座って休める場所があるのがよかった」といったご意見をいただいています。
- また、ひんやりオアシス設置にご協力をいただける民間企業や各種団体等も募集しておりますので、ぜひお声掛けください(設置には気候変動適応法等に基づく基準があります)。


報道資料
【リリース資料】例年より早く本格的な暑さが到来!しっかり熱中症対策を!水分・塩分補給とひんやりオアシスで暑さを乗り切ろう [PDFファイル/1.57MB]
本件に関するお問い合わせ先
奈良市 健康医療部 医療政策課
TEL:0742-93-8392
<外部リンク>
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