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今月号の特集では富雄川沿いの歴史遺産を取り上げました。奈良には日本を代表する世界遺産が数多く存在するため、どうしても平城京を取り巻く歴史遺産に注目が集まりがちです。また大阪に近い西部地域はこれまでニュータウンを中心とした住宅都市のイメージが強かったことから、実際にお住まいでもご存じない方がおられたのではないでしょうか。
学生時代に受けた暗記型の歴史教育では、時代を俯瞰する視点が得られにくいように感じましたが、当然ながら奈良の街にも重層的な歴史の蓄積があります。これからの奈良観光では、ぜひ奈良時代だけでない奈良、もしくは世界遺産だけでない奈良を多くの方に伝えていきたいと思います。ひいてはそれが地域に暮らす人々の誇りと伝統につながることでしょう。