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8月号から土地開発公社の解散に向けた取り組みを連載しています。
先月号でもお伝えしましたが、公社とは本来は地価が右肩上がりで上昇する時代に公共施設やインフラ整備を行う手法として制度設計されたものです。しかし、奈良市では決して適切とは言えない過去の公社運営により、結果として多額の不良資産を生み出してきたのが事実です。
大規模な土地購入から既に20年近くが経過していることもあり、過去の経緯も十分に把握できない部分がありますが、利用価値のない土地に毎年多額の税を投入し、利息を支払い続けることは、明らかに次世代への負の遺産の継承となります。
今回予定している清算方法でも175億円の借金を今後20年間にわたって返済していく必要がありますが、一日も早い償還に向けて、徹底した行財政改革を断行していかなければなりません。
今までは、当たり前のように行政が直接提供してきた公共サービスを、より効率的な民間事業者に委託することも一つの案です。官民役割分担と呼ばれる仕分けをしっかりと行い、行政でなければならない事業や分野に特化していく発想が重要だと考えています