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東日本大震災から1年を迎え、3月11日には市内各所で追悼行事が行われました。平城宮跡で行われた「3・11復興の灯〜友好の絆〜」では、奈良時代から縁のある太宰府市と多賀城市の古都三市が連携し、同じ時間に一斉に灯りを灯すことで復興への心を一つにしようと、400人を超えるボランティアの協力で壮大な企画が実現しました。
当日の会場は底冷えする寒さに加え夕方には雷雨もあり、なかなか灯りに火がつかず、1万個の燈籠が果てしない数に思えました。かじかむ手を時折温めながら、強風で何度も吹き消されながらも諦めずに点火作業を続けるうちに、一つ一つの灯りがとても愛おしく、大切なものに見えてくるから不思議です。
震災の当日、多賀城市では雪の降る寒さの中、津波で濡れた身体を包む毛布もない状態だったといいます。
目の前で消えゆく命の灯りを、どれだけの方が悔しい思いで見送られたのか。さまざまな思いが去来する中、今、生きて寒さを感じることができるだけで幸せだと心の底から実感しました。
そして同じ思いを持った方と集い、つながることができた「絆の温もり」も得ることができました。復興支援はこれからも続きます。