本文
一年の始まりに際し、今年がどのような年かを調べてみました。
100年前の日本は大正元年、当時、好況を背景に企業の創業が相次いだことから、今年は創業100周年ラッシュで1854社(帝国データバンク調べ)が記念の年を迎えるとのことでした。1300年の奈良の歴史からすれば短いですが、変化の激しい今の時代に企業の安定経営は並大抵のことではないと思います。
先日ある行事で日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一翁の玄孫(孫の孫)にあたる方と対談する機会がありました。渋沢翁は第一国立銀行を始め、数々の企業設立に関わりその数は500社以上ともいわれます。しかしその一方で社会奉仕事業にも熱心で、関東大震災後の義援金集めや大学・病院の設立にも奔走します。「論語と算盤」に代表される渋沢翁の考えは、企業が自己の利益を独占するのではなく、社会全体で富を共有することで長期的に発展できると説いています。これは世界の老舗企業にも共通する考え方であり、その秘訣かもしれません。
激動・国難の時代だからこそ、少し目線を上げて長期的な見通しの中で奈良市の発展を考えたいと思います。