広島・長崎の原爆の日や終戦記念日等、8月は平和への思いを特別深くする時期です。
昨今は戦争状態がなかなか解決しない国際情勢があり、また戦争にまで至らないまでも、さまざまな形でテロリズムが存在感を持つ時代になってしまっています。奈良市は昭和60年に非核平和都市宣言を決議し、世界の友好姉妹都市と共に常に恒久平和を祈り、価値観や主義主張の対立を、武力的手段によって押し通す動きを否定し続けてきました。
今年は姉妹都市キャンベラとの交流のきっかけとなった、豪カウラでの日本人捕虜脱走事件から80年を迎えます。戦地で命からがら生き延びた兵士たちが「生きて虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓に囚われ、本心とは異なる集団自決的な大脱走を選択してしまった悲しい出来事の背景には、強い同調圧力があったとも言われています。
戦争は最終的には為政者が起こすものですが、個々人の心の中にもその種があるように感じます。