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学校給食で使用している奈良市産減農薬米について
学校給食で使用している奈良市産減農薬米について
田んぼやお米について
奈良市の学校給食では年に1~2回、減農薬米を取り入れています。
減農薬米を使用している取り組みについては、こちらのページ(/soshiki/138/245933.html)から詳細をご覧いただけます。
今回は奈良市内で減農薬米を栽培されている農家の森本さんにお話を伺いました。
森本さんの田んぼは数か所に分かれており、広さは全部で約10ha(100,000平方メートル)です。
栽培しているお米の種類は「コシヒカリ」「にこまる」「露葉風(酒米)」「もち米」の4種類です。その中でも主にコシヒカリを栽培されており、昨年度の学校給食でも使用しました。作業は基本的にお一人でされていますが、田植えや稲刈りなどは息子さんも一緒にされるそうです。
田んぼの様子(8月)
森本さんはお父様の田んぼを受け継いだ2代目の農家さんです。農家をされる前は会社員として働いておられ、農業には興味がなかったそうです。周りの方に助けてもらいながらお米を栽培しているうちに「農業はおもしろい」と思うようになったと話してくださいました。
農業に魅力を感じた森本さんは、美味しいお米を育てるために使う肥料を工夫するなど、様々なことに挑戦されてきました。
育った稲
稲の花が咲いている様子
8月に森本さんの田んぼを見学したとき、写真のように稲に白くて小さな花が咲いていました!稲の花を見たことがある人は少ないのではないでしょうか。このように花が咲き、受粉することで籾の中でお米が育っていきます。写真の稲はこれからお米が育ち、9月に稲刈りをする予定だそうです。
苦労していること・大変なこと
森本さんは田んぼや稲の状況を見ながら、栽培をされています。その中でも「獣害」「肥料」「苗作り」などに苦労していると教えてくれました。
田んぼには猪や鹿などの動物が稲や穂を食べに来ることがあり、1.8メートルの高い柵や、電気柵を設置して対策しているとのことです。今回見学させていただいた田んぼには動物は来ないそうで、柵などは設置していませんでした。
森本さんは肥料づくりにも手間をかけています。「海のものを山へ還す」という考えのもと、肥料には海のものを使用しているとこだわりを話してくださいました。肥料はたくさん与えると良いというものではなく、入れすぎるとかえってお米の味が落ちてしまいます。天候や田んぼ、稲の状態を見ながら、肥料を調整することがお米の美味しさにも繋がります。
お米は苗作りがとても重要なので、苗作りを行う春は忙しくなるそうです。丈夫で立派な苗を作ることで田植えをした後もしっかり根を張り、栄養を吸い上げて美味しく育ってくれます。
また、農薬をほとんど使用していない稲にはカメムシが近づいてきます。カメムシが籾から養分を吸ってしまうと、お米は黒く変色してしまいます。このようなお米は、稲刈りをした後に選別機で取り除くので、食卓や給食のご飯に黒いお米が混ざることはありません。
カメムシに吸われて黒くなった稲
カメムシが稲を吸っているところ
お米を作る森本さんの思い
私たちが毎日食べているお米は、農家さんのたくさんの手間と時間、そして愛情が込められています。森本さんも、それぞれの作業が終わると達成感があるとおっしゃっていました。
そして、「綺麗なお米ができたときや、お米を食べてくれた人のリアクションを見るときが嬉しい」とやりがいを話してくださり、「子どもたちにはしっかり食べてほしい」と学校給食への強い思いを語ってくださいました。
(奈良市産減農薬米を使用した献立)