平成22年度予算編成方針
すべての事業についてゼロベースでの見直しに取り組み、限られた財源を有効に活用することによって、市民が主役となる新しい奈良市のまちづくりの実現に向けた予算編成とする。
行政の基本理念
「市民が主役の奈良市政の実現」
市政運営3つの目標
- くらしの安心安全を守るまちづく
- 人と自然に優しいまちづくり
- 行政のあり方を市民目線で見直すまちづくり
予算編成方針
- 行政の基本理念に基づき、市民が主体となって市政に参画し、協働する社会の実現に向けた具体的施策の推進を図ることとする。
- 厳しい財政状況のもと、より一層効果的、効率的な行政運営を行うために、行政のあり方を市民目線で見直し、事業をゼロベースで見直すことにより予算の重点配分に努めること。既存事業の経費見直しに当たっては、事業の廃止や抜本的な見直しによる減額を図るなど、予算の積極的な精査に努めることとする。
- 行政運営の効率化、住民サービスの向上等の観点から、公共施設や外郭団体は必要性を精査し、廃止を含めた見直しを実施し、その運営手法についても積極的かつ計画的にコスト意識を持ち創意工夫をこらし、最少の経費で最大の効果を得られるよう努めることとする。
予算規模(単位:千円)
区分
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22年度予算額
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21年度予算額
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対前年度増減額
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対前年度伸率
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一般会計
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127,860,308千円
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123,600,000千円
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4,260,308千円
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3.4%
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特別会計
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71,943,000千円
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72,513,700千円
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△570,700千円
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△0.8%
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公営企業会計
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23,440,500千円
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23,208,400千円
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232,100千円
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1.0%
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合計
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223,243,808千円
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219,322,100千円
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3,921,708千円
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1.8%
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(参考)
国の予算
(一般)
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92兆2,992億円
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88兆5,480億円
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3兆7,512億円
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4.2%
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地方財政計画
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82兆1,268億円
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82兆5,557億円
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△4,289億円
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△0.5%
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本市の現状
- 市税収入は、景気が低迷し、厳しい雇用情勢が続いていることから個人市民税・法人市民税ともに大幅に減少している。
- 地方交付税とその振替である臨時財政対策債については、過去最大と見込まれる地方の財源不足への対応として国の地方財政対策により増額となるが、景気の低迷等により配当割交付金等の各種の交付金は減収が見込まれる。
- 一方歳出面においては、社会保障関係経費や公債費といった義務的経費が引き続き高水準で推移しているとともに、福祉・教育をはじめ、くらしの安心安全を守るための行政の各分野での財政需要はますます増加しており、少子化対策等について積極的に進める必要がある。また、新市建設計画に基づく建設事業についても、着実に進めていく必要がある。
- このような極めて厳しい財政環境のなかで生じた収支不足に対処するため、「事業仕分け」をはじめ徹底した事務事業の見直しを進め、また財源確保策として退職手当債及び行政改革推進債等を活用するが、なお不足する額については、財政調整基金の取崩しや基金の繰替運用を行うこととして収支の均衡を図った。
予算編成
歳入
- 市税は、個人所得の減少により個人市民税が前年度に比して△17億円、△6.8%の減、また法人市民税についても企業収益の悪化の影響により、△3億21百万円、△10.0%の減収となる。固定資産税・都市計画税は概ね前年度並と見込まれるものの、市税全体で前年度に比して△19億47百万円と大幅な減収となる。
- 利子割交付金・配当割交付金・株式等譲渡所得割交付金は、景気低迷の影響を受け、合わせて△4億30百万円の減を見込んでいる。
- 地方交付税においては、地方財政計画の特別枠として、雇用対策や子育て支援その他地域の実情に応じた行政サービス実施のための「地域活性化・雇用等臨時特例費」が創設されたこと等による地方交付税総額の増額により、前年度に比して11億円増加する。また、後年度交付税により全額補てんされる臨時財政対策債についても、地方財政対策により大幅な増額となり、本市においては前年度に比して21億円の増額となる。
- 地方特例交付金は、子ども手当の創設に伴う地方負担額の増加に伴う措置があるものの、平成21年度までの特例措置であった「特別交付金」の廃止等により△1億90百万円の減となる。
- 国及び県支出金については、子ども手当の創設、高校の実質無償化の実施、生活保護や障害者自立支援給付に係る国・県負担分の増加などにより、国庫支出金が56億45百万円、県支出金が6億6百万円の増となる。
- 市債は、残高を縮減し後年度負担を軽減するため発行の抑制に努め、投資的経費に充当する市債については△6億47百万円の減とした。しかしながら、実質的な交付税とされる臨時財政対策債の大幅な増加(21億円)や宅地造成事業費特別会計の廃止に向け第三セクター等改革推進債(15億32百万円)の活用を図ることとしたことから市債総額としては、27億85百万円の増とした。なお、投資的経費に充当する市債については、新市建設計画推進のための合併特例債や土地開発公社経営健全化対策に係る特例措置の市債を除くと、その他の通常債については、△11億65百万円の減となる。
歳出
歳出総額は、1,278億60百万円、前年度に比して42億60百万円、3.4%の増となるが、子ども手当の創設による増45億75百万円と宅地造成事業費特別会計の廃止に向けての補助金15億32百万円を除くと、実質△1.5%の減となる。
- 義務的経費については、
- 人件費については、効率的な人員配置を進めるとともに、職員数削減方針に則り退職欠員補充を極力抑制し削減に努めた。退職手当は前年度比△2億20百万円の減としたが、団塊の世代の退職で依然として高い水準にある。また厳しい財政状況のもと、職員給与は給料の△2%~△4%のカットを引き続き実施することとし、全体で対前年度比△7億42百万円の減とした。
- 扶助費は、子ども手当の支給開始による増のほか、生活保護費や障害者自立支援給付費の自然増等により総額58億33百万円、29.4%の増となる。
- 公債費は、臨時財政対策債や合併特例債の償還増があるものの、繰上償還額の減等により△5億53百万円の減となる。
- 投資的経費については、保健所等複合施設や合併記念公園など新市建設計画を引き続き推進する。その他の事業は、必要性とコストを徹底的に検討して実施することとし、また老朽施設の改修等緊急性の高い事業については、国の経済対策により交付される地域活性化のための交付金を活用して前年度に一部前倒しをして実施することとした結果、対前年度比△8億69百万円、△5.1%の減とした。
- その他一般行政経費は、公開の場で実施した「事業仕分け」における議論の結果を受けて事務事業の必要性等を抜本的に見直すほか、シーリングの徹底のみならず予算編成過程においてゼロベースでの見直しを行って物件費等の削減を図り、それにより確保した財源を活用して市民が主役となる奈良市の新たなまちづくりのための施策を推進していくこととした。
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