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本市においては、奈良市第5次総合計画及び第2期奈良市総合戦略で掲げるまちの方向性の実現に向けて、人口減少への対応に向けた持続的な発展を目指すための重点分野を中心に施策を実施し成果を挙げていくことが求められている。
企業の活動は新型コロナウイルスの感染拡大前の水準まで回復基調にあるものの、新型コロナウイルス感染症や国際情勢の影響などにより、物価高騰や資材不足が発生しており、令和5年度においては、経常経費の増加が見込まれ、厳しい財政状況になることが予測される。
そのため、創意工夫による歳入確保に一層努めるとともに、歳出全般にわたる見直しを全庁一丸となって進め、重点施策などの経費は市の目標を達成するために確保し、厳しい財源の状況においても、歳入歳出の収支の均衡をしっかりと堅持しながら、将来にわたり持続可能な財政基盤の確立を図る必要がある。
このような状況を踏まえ、令和5年度予算編成の新規事業については、新たな発想で未来を見据えた課題解決を積極的に図るとともに、市民の暮らしに直結する手続・サービスにおいては利用者目線に立ったきめ細かな改善に努め、デジタルトランスフォーメーションの推進など、市民の利便性を高めつつ、経費の見直しや働き方の見直しに繋がる施策を推進する。
区分 | 令和5年度予算額 | 令和4年度予算額 | 対前年度増減額 | 対前年度伸率 |
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一般会計 | 149,980,000千円 | 138,620,000千円 | 11,360,000千円 | 8.2% |
特別会計 | 82,334,500千円 | 80,692,500千円 | 1,642,000千円 | 2.0% |
公営企業会計 | 27,804,200千円 | 29,798,500千円 | △1,994,300千円 | △6.7% |
合計 | 260,118,700千円 | 249,111,000千円 | 11,007,700千円 | 4.4% |
(参考) | ||||
国の予算(一般) |
114兆3,812億円 | 107兆5,964億円 | 67,848億円 | 6.3% |
地方財政計画 | 92兆350億円 | 90兆5,918億円 | 14,432億円 | 1.6% |
個人市民税は個人所得の増加に伴い13億43百万の増、法人市民税も、企業収益の回復により58百万円の増となる。
また、固定資産税は、家屋の新増築及び経済活動の再開に伴う設備投資の増により3億85百万円の増となり、市税全体では、前年度に比して17億55百万円の増(3.4%)となる。
地方交付税は、令和4年度交付決定額から地方財政計画に基づく推計により、前年度に比して16億80百万円の増(9.5%)とした。なお、臨時財政対策債については、前年度に比して11億円の減(△28.2%)とした。
新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んでいた消費の回復や物価高騰等により地方消費税交付金が5億円の増となる。
国庫支出金は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減がある一方で、街路事業等に係る無電柱化推進事業費補助金や障害者自立支援給付費負担金の増、公立園の民間移管による認定こども園数の増加や第2子の保育料無償化に伴う施設型給付費交付金の増により、前年度に比して9億14百万円の増(3.1%)となる。
県支出金においても、障害者自立支援給付費負担金、施設型給付費交付金の増に加え、知事・県議会議員選挙費委託金の増などにより前年度に比して3億60百円の増(3.5%)となる。
市債については、地方財政計画に基づく推計により臨時財政対策債が11億円の減となるほか、一条高等学校・附属中学校校舎建設事業や右京・神功小学校校舎の解体及びロート奈良鴻ノ池パーク関連事業等により大幅な増となり、総額では前年度に比して52億円の増(55.6%)となる。
効率的な行政サービスが提供できるような人員配置を進め、退職欠員補充を抑制し削減に努めた。令和4年度人事院勧告を受けて勤勉手当が支給率の増加により増となるが、定年引上げに伴う定年退職者の減により、退職手当が9億22百万円の減となり、総額では前年度に比して5億42百万円の減(△2.1%)となる。
児童手当や生活保護費が減少するものの、障害者自立支援サービス及び障害児通所支援利用者の増加等による給付や妊婦等に対する出産・子育て応援給付金の増、また、児童相談所の開設に伴って令和4年度から執行している児童養護施設等措置費の執行科目の変更により前年度に比して18億61百万円の増(5.5%)となる。
元金は、臨時財政対策債の償還が4億72百万円の増となることなどにより、5億23百万円の増とした。一方、利子支払額については借入利率の低減等により72百万円の減となり、総額で前年度に比して4億51百万円の増(2.6%)とした。
投資的経費は、必要性・緊急性の高いものなど着実に取り組むべき事業に重点的に予算を配分し、一条高等学校・附属中学校校舎建設事業において22億25百万円の増となるほか、ロート奈良鴻ノ池パーク関連事業やならやま小中学校に統合された右京・神功小学校の校舎の解体等により前年度に比して68億63百万円の増(94.1%)とした。
一般行政経費については、物件費は世界的なエネルギー需給の逼迫と価格高騰等の影響による燃料費及び光熱費の増や介護保険特別会計から事業が移管された包括的支援事業の増により前年度に比して9億87百万円の増(3.8%)となる。また、補助費等は公立園の民間移管による認定こども園の増加や第2子の保育料無償化に伴う認定こども園施設型給付費負担金の増等により10億24百万円の増(7.3%)とした。また、繰出金についても、土地区画整理事業特別会計や国民健康保険特別会計等への繰出金増加により3億71百万円の増(3.7%)とした。