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志賀直哉の「奈良にうまいものなし」という言葉をご存知の方も多いと思います。
先日はあるテレビ番組でも大々的に取り上げられ、ある、否ないと、全国のお茶の間の話題に上るまでになりました。
確かに奈良の人は控え目ですので、本当はおいしいものがあっても自分から声高にアピールする気質は持ち合わせていないのかもしれません。
一方で、「うまいものなし」と評した文豪は「兎に角、奈良は美しい所だ」とも語り、東京に戻った後も「二三日すると、矢も楯も堪らず、奈良に帰りたくなる」と、奈良の魅力を多く伝えています。
年近く経った今、その視点は再評価すべきではないでしょうか。