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先月号に少し柔らかいお話を書いたところ、予想外の反響を頂き驚いています。 私的な生活や趣味等は一見、市政運営と無関係に思われがちですが、何か1つの政策を決めるにおいても、最後に判断材料となるのは意外に生活実感だったりします。もちろん私一人の偏った経験や価値観では判断を誤りますので、さまざまな立場にある市民の暮らしをなるべく具体的にイメージするよう意識しています。 さて、そんな私がふとした時に思い出すのは小学校の授業参観のシーンです。リンゴの皮むきコンテストで優勝した私は、皆の前で手本を見せる役を任されます。いつも通知簿に「引っ込み思案を直そう」と書かれていた恥ずかしがりの子どもが、ひょんなことから自信をつけて大勢の人の前でリンゴの皮をむいている。私にとってはこの小さな出来事が、その後の人生を大きく変えてくれました。 コロナ禍を生きる子どもたちにも、生涯の財産になる心の原体験を1つでも多くつくってあげたいと思います。