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4月から11月にかけて「庭の木に毛虫がたくさん発生して困っている」という相談が寄せられます。
このような毛虫の被害の中でも、特に多いのがチャドクガの幼虫によるものです。
チャドクガは毒ガの一種で、幼虫や成虫に毒毛があり、これが皮膚につくとかゆみを伴う皮膚炎を起こします。 ここでは、チャドクガについてお知らせします。
チャドクガの幼虫(毛虫)は、年2回、4~6月と8~9月頃に発生し、7~8月と9~11月に成虫(ガ)になります。
成虫はツバキ、サザンカなどの葉に卵を産みつけ、孵化後の幼虫は葉を食べて成長します。
卵 → 幼虫(毛虫) → さなぎ → 成虫(ガ)
気候により発生時期がずれることや、1年に3回発生することがあります。
(写真:世田谷保健所提供)
チャドクガの幼虫は、毒針毛と呼ばれる細かい毛でおおわれています。これが皮膚につくとかゆみの強い皮膚炎を起こすので注意が必要です。この毒針毛は、風に乗って飛散します。また、成虫の体の一部にも付いています。
チャドクガの成虫はツバキ、サザンカなどの葉に卵を産みつけます。孵化後の幼虫は、ツバキやサザンカの葉を餌にします。
ツバキやサザンカが植栽されている近くでは、チャドクガの幼虫に注意が必要です。
幼虫が発生し、樹木全体に広がると駆除が難しくなります。1枚の葉に群がって葉を食べているうちに、幼虫が生息する葉に袋等をかぶせ、枝ごと切り取って処分する方法が効果的です。
駆除する場合は、帽子、長袖、手袋、マスク、めがね、首にタオルを巻くなどし、肌を露出しないようにしてください。
チャドクガの幼虫は殺虫剤に弱いので、園芸店で売られている園芸用殺虫剤で駆除できますが、殺虫剤で弱った幼虫が落ちてくるので、触れないように注意してください。
また、薬局で売っているゴキブリ用エアゾールでも駆除ができますが、木が傷みますので注意してください。
なお、毛虫が死んでも皮膚炎の原因になる毒針毛はそのままですので、殺虫剤を散布しても安心はできません。死骸や樹木に残っている毛にも注意が必要です。
家庭での駆除が難しいときは、専門の駆除業者へ相談、依頼してください。
あなたの所有・管理している土地での発生状況に注意し、発生がみられる場合は、早めに駆除してください。小規模発生での駆除は簡単です。
チャドクガは、葉の裏に生みつけられた卵で冬を越します。自宅の庭木にツバキやサザンカを植えている方は、冬のうちに卵を探して除去したり、幼虫のまだ小さいうちに葉を切り取って駆除することが効果的です。