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「東アジア文化都市」は,日中韓文化大臣会合での合意に基づき,日本・中国・韓国の3か国において,文化芸術による発展を目指す都市を選定し,その都市において,現代の芸術文化や伝統文化,また多彩な生活文化に関連する様々な文化芸術イベント等を実施するものです。これにより,東アジア域内の相互理解・連帯感の形成を促進するとともに,東アジアの多様な文化の国際発信力の強化を図ることを目指します。
また,東アジア文化都市に選定された都市がその文化的特徴を生かして,文化芸術・クリエイティブ産業・観光の振興を推進することにより,事業実施を契機として継続的に発展することも目的としています。
選定年度 | 日本 | 中国 | 韓国 |
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H26(2014) | 横浜市 | 泉州市 | 光州(カンジュ)広域市 |
H27(2015) | 新潟市 | 青島(チンタオ)市 | 清州(チョンジュ)市 |
H28(2016) | 奈良市 | 寧波(ニンポー)市 | 済州(チェジュ)特別自治道 |
H29(2017) | 京都市 | 長沙市 | 大邱(テグ)広域市 |
H30(2018) | 金沢市 | ハルビン市 | 釜山(プサン)広域市 |
H31(2019) | 豊島区 | 西安(シーアン)市 | 仁川(インチョン)広域市 |
R2(2020) | 北九州市 | 揚州(ヤンチョウ)市 | 順天(スンチョン)市 |
R3(2021) | 北九州市 | 紹興市、敦煌(ドゥンファン)市 | 順天(スンチョン)市 |
R4(2022) | 大分県 | 温州市・済南市 | 慶州(キョンジュ)市 |
R5(2023) | 静岡県 | 成都市・梅州市 | 全州(チョンジュ)市 |
R6(2024) | 石川県 | 大連市・濰坊市 | 金海(キメ)市 |
※令和6年1月1日に発生した能登半島地震の影響により、石川県における「東アジア文化都市2024石川県」事業中止
「NARA ARTS BRIDGE for Youth」は、2016年の東アジア文化都市における日中韓交流事業の成果を未来へと繋いでいくため、大学生や高校生等を対象とした国際文化交流プログラムです。
平成29年度から実施しており、奈良市内でさまざまな分野についての学びを深める「東アジア学びの扉」、中韓から大学生や高校生等を招き交流を行う日中韓交流プログラム、さらに現地に渡って学生たちと交流を行う海外渡航プログラムを行ってきました。
これまで「東アジア文化創造NARAクラス」として実施していた青少年交流プログラムを、昨年度より「NARA ARTS BRIDGE for Youth」として実施しております。
テーマ:アート
済州特別自治道・寧波市・奈良市3都市交流プログラムの今年度テーマは「アート」です。、奈良市からは美術家の中島麦氏を指導者としてお招きし、「アートで発見、新しい者(もの)と古都(こと)」をテーマにしたワークショップを行います。
ア 事業概要
日程 :令和6年7月13日(土曜日)10時00分~14時30分
場所 :奈良市中部公民館
内容 :ガイダンス・ワークショップ
参加者:高校生 6名
大学生・大学院生 9名
合計 15名 (欠席 1名)
イ 当日の内容
(1)ガイダンス(プログラム内容と訪問都市について)
(2)アイスブレイク
(3)奈良市交流プログラムの準備
(4)韓国渡航者向け説明会
≪参加者感想≫
・年代はバラバラでしたが、話し合ったり同じ目標に向かって思考することで、一体感が生まれたのでは無いかと思っています。普段関われないような方々と関わりが始まってとてもワクワクしました。
・これからプログラムが始まることを自覚し、このメンバーで進められることにワクワクしました。アイディアをたくさん出して中国と韓国の方達と楽しめるプログラムにしたいです。
・初めて会う方ばかりなので、少し緊張していたが、アイスブレイクなどで他の参加者の方と話す機会を設けていただいたので、すぐに緊張がほぐれた。1回目から奈良での交流について話し合い、当日奈良の参加者と海外の参加者の皆さんに会えるのが楽しみになったし、有意義な体験となるよう準備したいと思った。
・学内での交流は日常的にあっても、学外の同世代の方と交流する機会は少ないので、刺激的な体験をすることができました。
ア 事業概要
日程 :令和6年7月20日(土曜日) 10時00分~15時30分
場所 :奈良市中部公民館、はぐくみセンター
内容 :アーツ・ワークショップなど
参加者:高校生 7名
大学生・社会人 8名
合計 15名(欠席 1名)
イ 当日の内容
(1)中国渡航者向け説明会
(2)奈良市交流プログラム準備の話し合い
(3)プログラムコーディネーター・美術家の中島麦さんの紹介
(4)窓ガラスワークショップ
≪参加者感想≫
・窓ガラスにアート作品をするという初めての経験でした。普段見ている景色なのに何故こんなにも手で描くことは難しいのだろうかと思いながら集中して取り組みました。見る角度によって違う景色があり、線に描き方でそれぞれの味が出ることを学びました。中島さんもおっしゃっていたように、今は写真ですぐに景色を撮ることで形にできるけれど、自分の手で景色を時間をかけて見ることで様々なことを考えるそんな時間の大切さを実感しました。
・窓ガラスワークショップと聞いていて、何をするのかわからなかったが、窓ガラスの向こうの景色を描いて、完成したときにとても感動した。普段絵を描いたりするのが興味でなければ、アートと触れ合う機会は少ないと思っていたけれど、実際に生活に中の普段の景色も一瞬でアート作品になるのだと感じた。
・中島さんのお話は、とても興味深かったです。ワークショップでは、社会を違う角度から捉えるきっかけを得られたように思います。非常に意義深い時間でした。
ア 事業概要
日程 :令和6年8月8日(木曜日) 13時00分~15時30分
場所 :奈良市杉岡華邨書道美術館
内容 :奈良墨ワークショップ
参加者:高校生 7名
大学生・社会人 8名
合計 15名(欠席 1名)
イ 当日の内容
(1)「錦光園」の長野睦さんによる奈良墨についての紹介
(2)中島麦さんによる奈良墨ワークショップ
≪参加者感想≫
・中学生の頃に使ったきり、一度も使っていなかった墨や筆を使うことは、貴重な経験で、楽しくプログラムを終えることができました。最初は真っ白なTシャツに墨をかけることは抵抗がありましたが、最後は夢中になって墨にまみれることができました。今回のプログラムでアートの無限の表現と楽しさを実感できました。
・小学生の時は、書道は難しいものだと思っていたけれど、この体験をしてから考えが変わり、芸術として凄く面白く奥が深いのだなと感じました。色の濃淡で奥行きが出たりするのが特に印象に残っていて楽しかったです。薄い色~濃い色へと色が変化するとガラッと雰囲気がかわって黒一色なはずなのに鮮やかに見えました。
プログラムが終わってから、みんなでTシャツを見ると想像以上に芸術的になっていたり、文字や絵が描かれていたりと一人一人の個性を見ることができました。そのおかげでまたみんなとの仲が深まったと思います。
・小学生ぶりに、墨、書道に触れることができ、新鮮な気持ちでプログラムに参加していました。また、墨を全身に浴びるという、非日常を味わうことができて、とても楽しかったです。
墨という存在について、日常生活においてあまり考えたことがなかったのですが、ほとんどの墨が奈良で作られていて、職人業の苦労を知って、そういった職業への意識が変わった良い機会を得ることができたと思っています。