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経口補水液について正しく知ろう
経口補水液(けいこうほすいえき)ってなに?
経口補水液とは、感染性胃腸炎による下痢・嘔吐に伴う脱水状態の際に、水と電解質(※)の補給のために利用できる食品です。経口補水液は「特別用途食品」のうちの「病者用食品」にあたります。
(※)主な電解質としてナトリウムイオンやカリウムイオン等があり、体液の浸透圧を調節したり、神経や筋肉の興奮伝達に 関与したりするなど、身体にとって重要な役割を果たしています。
「特別用途食品」には、左記のようなマークがついています。
そもそも特別用途食品ってなに?
特別用途食品とは、乳児の発育やえん下困難者や病者などの健康の保持・回復などに適するという特別な用途について表示を行うものを指します。
特別用途食品として食品を販売するには、その表示について消費者庁長官の許可を受けなければなりません(健康増進法第43条第1項)。 また、表示の許可に当たっては、規格又は要件への適合性について、国の審査を受ける必要があります。詳しくは消費者庁のウェブサイトをご覧ください。
特別用途食品について(消費者庁)<外部リンク>
経口補水液の種類について
一般的に販売されている経口補水液には「個別評価型」と「許可基準型」の2つの種類があることをご存知ですか?それぞれにいくつか違いがありますが、大きく違うのは 「特別用途表示の範囲について(どういった場合に使用するのが適しているかという内容)」の部分です。おなじ「経口補水液」という名称でも、どういった場合に適しているかはその商品によって異なります。
| 許可基準型 | 個別評価型 | |
|---|---|---|
| 臨床データ | 新しい研究成果を報告する論文は不要 | 新しい研究成果を報告する論文に基づいた臨床データが必要 |
| 規格基準 |
次の1~6の栄養成分等がその範囲内であること。 1.ナトリウム:92~138mg/100mL 2.カリウム:59~98mg/100mL 3.塩素:106~212mg/100mL 4.ブドウ糖:1.00~2.60g/100mL 製品のモル濃度比 (ナトリウム:ブドウ糖): 1:1~1:3.5 5.製品の浸透圧:300mOsm/L以下 |
個別の製品規格を評価 |
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特別用途表示の範囲について (どういった場合に使用するのが適しているかという内容) |
感染性胃腸炎による下痢・嘔吐に伴う脱水状態の際、水と電解質の補給に適する旨のみ |
個別に許可された疾患名の表示が可能 (例:脱水を伴う熱中症、軽度から中等度の熱中症) |
| 必要な表示事項 |
通常の栄養成分表示に加え、上記の1~6の単位に基づく数値の記載が必要 |
通常の栄養成分表示以外は、個別評価で許可された関与成分のみ義務表示(他の栄養成分は任意表示) |
また、経口補水液はどちらの種類であっても、一般的なスポーツドリンクなどの清涼飲料水よりもナトリウムやカリウムの量が多いため、健康な人であっても日常的に飲んだり、大量に飲むと血圧や心臓に負荷がかかることが懸念されます。
表示をよく読んだうえで本当に必要かどうかは、医師・薬剤師・管理栄養士等に相談をしてから購入するようにしましょう。
それって本当に経口補水液?
「経口補水液」という名称で販売されていても「特別用途食品」のマークがついていない商品が販売されている場合があります。マークのない商品は消費者庁の許可を得ていない商品であるため、いわゆる一般的な「清涼飲料水」という扱いになります。マークのある商品と同じ場所に陳列されている可能性もありますので注意してください。
その他、経口補水液について知りたい方は、経口補水液について(消費者庁)<外部リンク>をご覧ください。
経口補水液は、一般的なスポーツドリンクなどの清涼飲料水よりもナトリウムやカリウムの量が多いため、健康な人であっても日常的に飲んだり、大量に飲むと血圧や心臓に負荷がかかることが懸念されます。
