1.改正の理由
旅館業法の改正により、ホテル営業及び旅館営業の営業種別が統合され、旅館・ホテル営業となりました。
また、無許可営業者等に対する規制の強化等が図られることとなりました。
奈良市では、旅館業法等の改正に合わせた基準の見直しを行うほか、旅館業の適正な運営の確保を目的として独自の規定を新たに設けるため、条例等の一部改正を行いました。
2.改正の内容
条例改正
- 条例の名称
- ホテル営業及び旅館営業の構造設備基準を統一
- 簡易宿所の構造設備基準の緩和
- 玄関帳場等の基準の緩和
- 下宿営業の構造設備基準の緩和
- 衛生措置基準について、客室における一人当たりの必要床面積、清掃、寝具の管理に係る規定を改める
- 旅館業の適正な運営の確保に係る規定を新設
- 営業者の努力義務
- 外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保
- 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明
- 苦情等への対応
- 旅館業の業務を適切に実施するための体制整備
- 市長への定期報告
- 営業者の公表
細則改正
- 細則の名称
- 客室の名称又は番号、定員数及び宿泊料金の表示に係る規定を削除
- 旅館業の適正な運営の確保に係る条例の規定について必要な事項を定める
- 宿泊者名簿の保存に係る規定を削除
※旅館業法施行規則にて規定されることとなったため、保存の義務に変更はありません
- 市長への定期報告
新たに追加された項目について
1.玄関帳場の基準の緩和(玄関帳場及びフロントに代わる設備の規定)
次の要件を備えた設備が設けられている場合は、玄関帳場等に代替する機能として認める。
- 玄関帳場等に代替する機能を有する設備を設けることその他善良の風俗の保持を図るための措置が講じられていること。
※ビデオカメラによる本人確認機能等のICT設備を用いて、宿泊者の本人確認や、宿泊者等の出入りの状況の確認を常時行うことを想定
- 事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応のための体制が整備されていること。
※概ね10分程度で管理者等が駆け付けることができる体制を想定
2.適正な運営の確保に関する規定を新設
- 施設の整備及び宿泊に関するサービスの向上等に関し、次の措置を講じるよう努めること(条例第10条努力義務)
- 高齢者、障害者等の移動又は施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動上又は施設の利用上の利便性及び安全性を向上するために必要な措置
- 外国語等による情報の提供、インターネットを利用した観光に関する情報の閲覧を可能とするための措置、座便式の水洗便所の設置その他の外国人観光旅客の施設及びサービスの利用に係る利便を増進するために必要な措置
- その他、必要な措置
- 外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保(条例第11条)
外国人宿泊者に対し、外国語を用いて、下記の説明を行うこと。
- 施設の設備の使用方法
- 移動のための交通手段に関する情報
- 火災、地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先
- その他、市長が必要と認める措置
- 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明(条例第12条)
宿泊者に対し、書面の備え付けその他の適切な方法を用いて下記の説明を行うこと。
なお、外国人宿泊者に対しては、外国語を用いて説明すること。
- 騒音の防止のために配慮すべき事項
- ゴミの処理に関し配慮する事項
- 火災の防止のために配慮する事項
- その他、市長が必要と認める事項
- 苦情等への対応(条例第13条)
周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては、適切かつ迅速に対応すること。
- 旅館業の業務を適切に実施するための体制整備(条例第14条)
旅館業の業務を適切に実施するための必要な体制を整備すること
- 法第6条に定める宿泊者名簿の正確な記載を確保するための措置及び条例12条に定める説明に必要な機器、設備又は装置を有していること。
- 条例第13条に定める苦情及び問合せに適切かつ迅速に対応できること。
- 市長への定期報告(条例第15条)
1、4、7、10月の15日までに、下記の内容について、それぞれの月の前3月分を報告すること。
【報告内容】
- 1月ごとの宿泊者数
- 1月ごとの延べ宿泊者数
- 1月ごとの国籍別の宿泊者数の内訳
- 1月ごとの稼働率を算出するために市長が必要と認める事項
3.施行日
平成30年7月3日
ただし、条例第11条、第12条、第14条第1号及び第15条に係る部分については、平成30年10月1日に施行となります。
4.参考
旅館業法の改正について(厚生労働省ホームページ)<外部リンク>