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奈良県出身。飲食店の経営をしているが、コロナの影響を大きく受けた際に1次産業の農業に興味を持った。
研修を経て、2022年に奈良市で就農。
施設野菜(イチゴ)
個人販売(直売・ネット)、ふるさと納税、催事販売など
飲食店を経営しているのですが、コロナ禍になり営業が停まってしまいました。従業員を抱えている中、突然この状況に陥ってしまい、不安になりましたね。そこで、新しいことにチャレンジしよう!と考えていたとき、知り合いから古都華をいただいて、食べたらすごくおいしくて。奈良でこんなにいいものが作れるんだ、と思い興味を抱きました。
農業に元々興味があったわけではないです。始めるにあたり、経営について難しく考えたり、覚悟決めたり、とかはなく、「とりあえずやりたいことをやってみよう!」という気持ちで始めました。周りもすごく驚いていました(笑)。
すぐに、知り合いからいただいた古都華を作った生産者さんを紹介してもらい、技術を学び始めました。
春 | 収穫、栽培、イベント、催事出店 |
夏 | 苗の管理、イベント、催事出店 |
秋 | 次シーズン準備、イベント、催事出店 |
冬 |
収穫、出荷、イベント、催事出店 |
1月のある一日
午前 7時~ 収穫
午前 8時~ 収穫、パック詰め
午前 13時~ 苗のメンテナンス
午後 4時 作業終了
*1月は収穫、出荷が中心
就農してみて一番不安だったのは「販路」のことですね。技術面は師匠や先輩農家の方々に助けて頂き順調に進められましたが、販路開拓はそうもいかないですし。僕ら自身も売りたい場所や売り方は明確に考えていたものの、それでも初めはうまくいくだろうか、と不安がありました。
初めての農業で、他にも本当にたくさん苦労しましたし不安もたくさんありましたが、やっぱり一番助けられたのは「人の繋がり」です。どうしたらいいか分からないことが多い中、「Instagramを毎日上げること」だけはするようにしてたんです。当初は消費者向けではなく、周りの風景や、栽培に関する状況や悩みなどの「日常」をアップしていたんですよ。そうすると、Instagramを見た農家さんが連絡をくださり、色々と助けてくださいました。色んなことを教えてくれる人が近くにいるというのは本当に心強いです。
「SNS」はやらないと損ですね。やらない選択肢はないと思います。刺激を貰うことができるし、色んなひとと繋がれる良いツールだと思います。
自営業で休みを取るのは難しいなと感じ、バランスを取るために僕たちは「雇用すること」を選びました。人件費がかかるためリスクではありますが…。苺以外の加工品とキッチンカーの売上をきっちりと上げて人件費を捻出して、従業員の雇用に繋げていこう、と考えています。
僕自身は働くのが好きだし、新しいことを考えるのも好きです。ただ、いつか限界が来ると思うので、今のうちに対策でバランスを取っておいた方がいいな、と思いました。限界が来てからでは遅いので、先に手を打っておこう、といった感じです。
今では年に2~3回旅行に行っています!キャンピングカーで日本周って、その土地の農家さんに声をかけたりしています。飛び込みで(笑)。色んな繋がりが出来て、楽しいですよ。
農業は1次産業であり、人生において「食」は絶対に必要ですよね。そこに携われることが魅力です。
そして、「自由」であること。農業は、自分たちで自由に考えて、自由に実行できます。それに、例えばお昼なんかも自由に自分の空間の中で、空の下で食べられますし。「自由」であるからこそ、そういった生産以外の楽しみや喜びもたくさんあります。ハウスの裏でバーベキューもしょっちゅうしています(笑)。裏に真っ白の倉庫があって、そこにプロジェクター映したりもします(笑)。仕事は大変ですが、趣味も充実できるのが利点ですね。
あとは、家族と一緒に仕事がしたかったんですよね。農業ならそれも叶います。一部の作業は80代の両親と一緒にしています!
奈良市出身ではないので、奈良市で就農したのはたまたまなんです(笑)。ただ、結果的にこの場所で良かったなぁと感じています。周りの人に本当にたくさん助けていただきました。
「雇用の拡大」ですかね。若い人に農業の世界へ入ってもらい、雇用を広げていきたいです。若い人だけでなく、地元の高齢者の方の雇用も生み出せるような仕組みをこれから考えていけたらいいな、と思っています。
今まで経営をしてきて苦労したこともたくさんありましたが、いちご農家になったことで人生の豊かさ、やりがいをとても感じています。