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奈良市の国民健康保険被保険者証またはマイナンバーカードを使用して医療機関等を受診した場合は、医療機関の窓口で自己負担分(3割または2割)を支払い、残りの保険給付分(7割または8割)は、保険者である奈良市が医療費の給付分として、医療機関などに支払います。
このため、奈良市国民健康保険(以下、奈良市国保)の資格喪失後に医療機関等を受診した場合は、本来は受診時点で加入している健康保険が負担するべき保険給付分(7割または8割)を奈良市国保が負担していることになります。この場合、奈良市国保が負担した保険給付分は不当利得となり、民法703条(※)の規定により世帯主に返還請求を行います。
その他、修正申告等により所得が更正されて自己負担額が変更になり、差額が発生した場合においても返還請求を行います。
(※)民法703条(不当利得の返還義務)
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
返還請求の例については、主に以下のものが挙げられます。
該当者の方には、国保年金課から納入通知書を送付します(上図4)。納入通知書に記載された金融機関の窓口で、指定期日までに納付してください。
※コンビニエンスストアでの納付、電子マネーやクレジットカードでの納付はご利用いただけません。
※支払い時の領収書(支払い時に金融機関で収納印を押印したものが渡されます)は、加入した社会保険等へ療養費の申請を行う際に必要です。紛失しないように大切に保管してください。
奈良市へ返還した医療費は、受診日時点で加入している社会保険等に、診療を受けた日の翌日から2年以内に療養費の申請を行うことで、払い戻しを受けることができる場合があります(上図7)。入金確認後、国保年金課より世帯主宛に「診療報酬明細書(レセプト)の写し」を送付します(上図6)。申請時に必要となる書類や詳しい内容については、事前に申請先の社会保険等へご確認ください。
(注意)
※入金確認までに2週間程度かかる場合があります。
※療養費の請求権は、診療を受けた日の翌日から2年です。時効の成立以降は給付を受けられなくなりますので、早急に手続きを行ってください。
保険者間調整とは、国保と社会保険等の保険者間で直接医療費の調整をする制度です。この場合、返還金の支払いは不要となります。ただし、ご加入の社会保険等によっては、保険者間調整ができない場合があります。また、保険者間調整を利用しても、返納金の全てを清算できない場合、差額分をお支払いいただくことがあります。該当者には、返還請求の通知の際に保険者間調整にかかる必要書類を同封します。
国民健康保険の資格喪失後に医療機関等を受診された場合の医療費返還に伴う手続きは、一時的な支払いや各種申請手続きによる経済的・時間的な負担がかかります。また、返還金額は総医療費の7割~8割となるため、遡る期間や療養の内容によっては高額になることもあります。このような手続きを発生させないよう、次のことにご協力ください。