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蚊媒介感染症に注意しましょう!!

更新日:2019年9月6日更新 印刷ページ表示

 蚊媒介感染症とは、ウイルスや原虫などの病原体を持っている蚊に刺されることによって起こる感染症のことです。
 主な蚊媒介感染症には、デング熱チクングニア熱ジカウイルス感染症日本脳炎ウエストナイル熱黄熱マラリアなどがあります。
 日本脳炎以外のこれらの感染症は、主に熱帯、亜熱帯地域で流行しており、輸入感染症としてみられてます。海外に渡航する際には、渡航前に現地での流行状況を把握し、感染予防対策を行いましょう。
 また、デング熱、チクングニア熱及びジカウイルス感染症は、国内に生息するヒトスジシマカ(一般的にヤブカと呼ばれているものの一種)が媒介することがわかっており、海外で感染した人から、国内に感染が拡大する可能性があり、デング熱に関しては 2014 年に国内感染例が報告されました。デング熱、チクングニア熱及びジカウイルス感染症は、特異的な治療方法やワクチンはなく、解熱鎮痛薬等の対処療法が中心となります。これらの感染症にかからないようにする一番の方法は、蚊に刺されないこと、蚊を増やさないことです。

 詳しい防御対策はこちら 蚊の防除対策について(生活衛生課)

蚊の生息状況調査について

 奈良市では、平成27年度に「デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・対策の手引き」に基づき、奈良公園をリスク地点に選定したことにより、蚊(成虫)の生息調査を実施しリスク評価しています。

実施期間及び実施回数

6月から9月の3回調査

実施方法

CO2トラップ法・・・蚊がCO2ガスに誘引される性質を利用して、蚊の採取地点に、捕集器(トラップ)を設置し、ドライアイスから発生するCO2ガスに集まってきた蚊を採取します。

調査結果

  6月 7月 9月
ヒトスジシマカ(雌)採取数(匹) 0 1 0

過去の調査結果[PDFファイル/50KB]

主な蚊媒介感染症

デング熱

 デングウイルスというウイルスが、ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介される感染症で、主な流行国はネッタイシマカの多い東南アジア、南アジア、中南米、カリブ海諸国ですが、アフリカ、オーストラリア、中国、台湾においても発生が見られます。
 感染後2~14日(多くは3~7日)で、突然の発熱で始まり、頭痛、筋肉痛、関節痛等を伴い、発疹の出現を経て1週間程度で軽快する「デング熱」と、出血傾向(鼻出血、消化管出血や皮下の点状出血等)やショック症状を伴う重篤な「デング出血熱」の二つの病態があります。
 デングウイルスを保有する蚊に刺されることによって感染しますが、ヒトからヒトへは直接感染しません。
 近年は、媒介する蚊の多い熱帯・亜熱帯地域の海外で感染し、国内で発症する方が年間300例前後報告されている状況ですが、平成25年8月に日本を周遊した後ドイツに帰国して発症した事例が報告され、国内感染を疑わせる事例として厚生労働省が情報提供を行っていました。
 平成26年8月、海外渡航歴のない10代の日本人女性がデング熱と診断され、国内での感染が約60年ぶりに確認されました。流行地で感染した帰国者や旅行者が国内で蚊に刺され、その蚊が他者を吸血した場合、国内でも発生するおそれは無いとは言えません。蚊の増える時期から蚊を増やさない対策をし、刺されないための対策をしましょう。

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ポスター

デング熱対策についてご理解いただくためのポスターを掲載しています

ご自由に印刷してご活用ください

医療機関の皆様へ

 デング熱の国内感染が疑われる事例については、速やかに保健所へ情報提供を行っていただくようご協力をお願いします。
 デング熱疑いの患者の診療については、厚生労働省『蚊媒介感染症の診療ガイドライン』をご参照ください。

厚生労働省『蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第4版)』<外部リンク>

感染症法における取り扱い
 全数報告対象(4類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出をおねがいします。

届出基準<外部リンク>発生届<外部リンク>

チクングニア熱

 チクングニアウイルスといわれるウイルスが、ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介される感染症で、このウイルスを保有する蚊に刺されることで感染します。
 「チクングニア」とは、アフリカの現地語で痛みによって「体を曲げる」という言葉に由来します。
 アフリカ、南アジア、東南アジアなどの熱帯・亜熱帯地域で流行していますが、最近、ヨーロッパやアメリカ大陸にも感染者が広がり、年々患者数が増加している感染症です。
 感染後2~12日(多くは2~7日)で、発熱、関節炎、発疹がみられます。関節痛は四肢(遠位)に強く対称性で、その頻度は手首、足首、指趾>膝>肘>肩の順であり、関節の炎症や腫脹を伴う場合もある。結膜炎や神経系の症状もみられることもあり、また、出血しやすくなることもあります。死に至ることは稀ですが、関節の痛みが数週間から数ヶ月間続くことがあります。
 いままでに日本国内での感染、流行はありませんが、2006年12月から年数件の海外からの輸入症例が報告されています。
 流行地で感染した帰国者や旅行者が国内で蚊に刺され、その蚊が他者を吸血した場合、国内でも発生するおそれは無いとは言えません。蚊の増える時期から蚊を増やさない対策をし、刺されないための対策をしましょう。

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医療機関の皆様へ

 チクングニア熱の国内感染が疑われる事例については、速やかに保健所へ情報提供を行っていただくようご協力をお願いします。
 チクングニア熱疑いの患者の診療については、厚生労働省『蚊媒介感染症の診療ガイドライン』をご参照ください。

厚生労働省『蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第4版)』<外部リンク>

感染症法における取り扱い
 全数報告対象(4類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出をおねがいします。

届出基準<外部リンク>発生届<外部リンク>

ジカウイルス感染症

 ジカウイルスといわれるウイルスが、ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介される感染症で、このウイルスを保有する蚊に刺されることで感染します。
 中南米、南太平洋地域、東南アジア、アフリカなどで感染の発生が報告されています。
 感染後2~12日(多くは2~7日)で、発熱(多くは38.5度以下)、発疹等で発症する。関節痛、結膜充血、頭痛、後眼窩部痛、筋痛、関節腫脹等を伴うことがあるが、大半の患者においては重症化することなく数日程度で回復します。感染症状はデング熱やチクングニア熱より軽いものの、感染後にギラン・バレー症候群や妊婦が感染すると小頭症などの胎児の神経系に障害を引き起こすことがあります。
 2016年2月から4類感染症に位置づけられ、年数件の海外からの輸入症例が報告されています。
 流行地で感染した帰国者や旅行者が国内で蚊に刺され、その蚊が他者を吸血した場合、国内でも発生するおそれは無いとは言えません。蚊の増える時期から蚊を増やさない対策をし、刺されないための対策をしましょう。

 WHOは、2016年9月6日にジカウイルスの性行為感染の予防に関するガイダンスを改定し、以下のことを推奨しています。

  • 流行地から帰国した男女は、感染の有無に関わらず、最低6か月間は性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えること
  • 流行地から帰国した妊娠を計画しているカップル或いは、女性は、最低6か月間は妊娠の計画を延期すること

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医療機関の皆様へ

 ジカウイルス感染症の国内感染が疑われる事例については、速やかに保健所へ情報提供を行っていただくようご協力をお願いします。
 ジカウイルス感染症疑いの患者の診療については、厚生労働省『蚊媒介感染症の診療ガイドライン』をご参照ください。

厚生労働省『蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第4版)』<外部リンク>

感染症法における取り扱い
 全数報告対象(4類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出をおねがいします。

届出基準<外部リンク>発生届<外部リンク>

日本脳炎

 日本脳炎ウイルスといわれるウイルスが、コガタアカイエカによって媒介される感染症で、このウイルスを保有する蚊に刺されることで感染します。日本脳炎ウイルスはブタの体内で増殖し、蚊によってブタからブタにウイルスが伝播します(ブタ→蚊→ブタ)。一方ヒトは、ブタから感染した蚊に刺されて感染します(ブタ→蚊→ヒト)。ヒトからヒトへの直接感染はありません
 極東から東南アジア・南アジアで流行している感染症で、年間3~4万人の感染者の報告があるが、日本では予防接種が開始されてから感染者数が減少しました。
 感染後6~16日で、高熱、頭痛、嘔気、嘔吐などで発病します。次いで、意識障害、神経系障害を示唆する症状が現れる。けいれん、異常行動、筋肉の硬直などが現れます。死亡率は20〜40%で、精神神経学的後遺症は生存者の45〜70%に残り、小児では特に重度の障害を残すことが多くなります。パーキンソン病様症状や痙攣、麻痺、精神発達遅滞、精神障害などである。
 予防の中心は蚊の対策と予防接種です。日本脳炎の不活化ワクチンが予防に有効なことは証明されており、実際、近年の日本脳炎確定患者のほとんどは予防接種を受けていなかったことが判明しています。

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感染症法における取り扱い
 全数報告対象(4類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出をおねがいします。

届出基準<外部リンク>発生届<外部リンク>

ウエストナイル熱

 ウエストナイルウイルスといわれるウイルスが、鳥の体内で増殖し、その血液を吸った蚊に刺されることでヒトに感染します。ヒトからヒトへの感染はありません。
 媒介蚊は主にイエカの仲間で、日本では、コガタアカイエカやヤマトヤブカなどが媒介蚊となり得ると考えらています。
 アフリカ、オセアニア、北アメリカ、中東、中央アジア、ヨーロッパなどの広い地域に発生が見られます。日本では国内での感染例は認められていません。
 感染しても約8割は無症状です。2~15日(多くは、2〜6日)の潜伏期間の後、39℃以上の発熱、激しい頭痛、筋肉痛がおこり、約半数の患者で、皮膚症状が現れます。多くは約1週間で回復しますが、まれに高齢者などで重症化し、麻痺や痙攣などの髄膜炎・脳炎症状をおこし、後遺症が残ることや死亡することがあります。
 デング熱やチクングニア熱などと同様に、特異な治療方法はありませんので、蚊の防除方法しか予防対策がありません。流行地で感染した帰国者や旅行者が国内で蚊に刺され、その蚊が他者を吸血した場合、国内でも発生するおそれは無いとは言えません。蚊の増える時期から蚊を増やさない対策をし、刺されないための対策をしましょう。

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 全数報告対象(4類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出をおねがいします。

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黄熱

 黄熱ウイルスというウイルスが、サル、ヒト及び蚊を宿主とし、蚊によって媒介させる感染症です。媒介蚊は、ネッタイシマカが主です。ヒトからヒトへの感染はありません。
 南北経度15度くらいのアフリカと南アメリカで発生が見られます。黄熱ワクチンが予防に有効であり、黄熱が発生している国へ行かれる時は、ワクチンの接種を推奨します。
 3〜6日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、悪寒などの症状が現れます。感染しても、症状がないか軽症で改善しますが、発症者のうち約15%が重症化すると言われており、黄疸、出血傾向を来たし、重症になった患者のうち20~50%の患者が死亡する致死率の高い病気です。
 治療薬との方法はないので、感染した場合は対処療法になります。ワクチンによる予防が、有効となっていますので、黄熱に感染する危険のある地域に入国する前に、黄熱の予防接種が推奨されています。また、デング熱などと同様ワクチンを接種していても、蚊の防除対策は行いましょう。

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 全数報告対象(4類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出をおねがいします。

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マラリア

マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。ヒトに感染するマラリア原虫は、熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)、卵形マラリア原虫(P. ovale)の4種類とされてきたが、近年、サルマラリア原虫の1種であるP. knowlesiのヒトへの自然感染例が東南アジアの広い範囲で確認され、第5のヒトマラリアと考えられるようになってきました。
 マラリアは、アジア、オセアニア、アフリカおよび中南米の熱帯・亜熱帯地域で流行しています。日本国内では、1991年の輸血マラリアを最後に、国内感染例の報告はありませんが、輸入症例として年間数十件の報告があります。
 原虫侵入後の潜伏期は熱帯熱マラリアで12日前後、四日熱マラリアは30日前後、三日熱マラリアと卵形マラリアでは14日前後、P. knowlesiによるマラリアは11日前後です。症状の典型例は、潜伏期間の後、悪寒、震えと共に熱発作で発症する。この熱発作の間隔は、四日熱マラリアで72時間ごと、三日熱・卵形マラリアで48時間ごと、熱帯マラリアでは不定期で短い。P. konowlesi感染では24時間程度と言われている。熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、しばしば死に至ります。脳症、腎症、肺水腫、出血傾向、重症貧血など、さまざまな合併症がみられます。
 治療は、抗マラリア薬で行われ、感染したマラリアウイルスの種類や地域によって薬剤が異なります。
 予防方法は、予防接種はありませんが、予防内服を行うことが望ましいとされています。マラリア流行地へ渡航する際は、専門医へ相談し、指示に従って服用して下さい。ただし、予防内服をしていても感染することはありますので、蚊の防除対策は行いましょう。

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