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【お知らせ】葉書きが届いた方は子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の定期接種対象者です

更新日:2023年7月3日更新 印刷ページ表示

 

葉書きが届いた方は子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の定期接種対象者です

HPVワクチンを無料で接種することができます

このお葉書が届いた方は子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)を無料で接種していただけます。
HPVワクチン接種は努力義務となっており、接種は強制ではありません。接種される方の意思に基づいての判断となります。
なお、HPVワクチンの3回接種が完了している方に、お葉書が届いた場合はご了承ください。

HPVワクチンの積極的勧奨差し控えから再開に至るまでの経緯

HPVワクチンの定期接種が2013年4月に開始されました。しかし、HPVワクチンを接種後に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまうこと)などを中心とする「多様な症状」が起きたことが報告されました。このことを受け、2013年6月に厚生労働省の専門家会議において、接種部位以外の体の広い範囲で持続する疼痛の副反応症例等について、十分に情報提供できない状況にあることから、接種希望者の接種機会は確保しつつ、適切な情報提供ができるまでの間は、積極的な勧奨を一時的に差し控えるべきとの結論により、積極的勧奨を差し控えることとなりました。

積極的勧奨差し控え後、厚生労働省の審議会において、これらの「多様な症状」について「機能性身体症状」(何らかの身体症状はあるものの、画像検査や血液検査を受けた結果、その身体症状に合致する異常所見が見つからない状態)との見解が示されました。
(厚生労働省ホームページ2014年2月26日第8回厚生科学審議会、2014年7月4日第10回厚生科学審議会 議事録<外部リンク>)​
「機能性身体症状」の症状としては、1.知覚に関する症状(頭や腰、関節等の痛み、感覚が鈍い、しびれる、光に対する過敏など)、2.運動に関する症状(脱力、歩行困難、不随意運動など)、3.自律神経等に関する症状(倦怠感、めまい、睡眠障害、月経異常など)、4.認知機能に関する症状(記憶障害、学習意欲の低下、計算障害、集中力の低下など)などいろいろな症状が報告されています。
なお、「HPVワクチン接種後の局所の疼痛や不安等が機能性身体症状をおこすきっかけとなったことは否定できないが、接種後1ヶ月以上経過してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい」と専門家によって評価されています。
また、同年代のHPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を有する方が一定数存在することが明らかとなっています。このような「多様な症状」の報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、「ワクチン接種との因果関係がある」という証明はされていません。(第69回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料1-1<外部リンク>

最新の知見を踏まえ、HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められ、令和3年11月にHPVワクチンの積極的勧奨差し控えが終了となり、積極的勧奨が再開されました。

HPV(ヒトパピローマウイルス)感染と子宮頸がんについて

HPVはごくありふれたウイルスで、一生涯で80~90%の女性が何らかのHPVに感染すると推定されています。感染しても、約90%の確率で、2年以内にウイルスは自然に排除されるとされています。しかし、一部の人はウイルスが自然に排除されず、数年から数十年にわたって持続的に感染し、前がん病変(がんになる手前の状態)を経て、子宮頸がんを発症すると考えられています。
HPVは一般に性行為を介して感染することが知られており、子宮頸がんの患者さんの90%以上でHPVが見つかっているとされています。
200種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がんの原因となる高リスク型HPVは約15種あり、特にHPV16型、HPV18型は子宮頸がんへ進行するスピードが速く、20歳代の子宮頸がんでは、HPV16型、HPV18型の頻度が90%を超えると言われています。

子宮頸がんは、日本では毎年約1.1万人の女性がかかる病気で、さらに毎年約2,900人の女性が亡くなっています
子宮頸がんの罹患者は20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人は、年間に約1,000人います。

 

HPVワクチンの接種対象者及び接種方法について

HPVワクチンの接種対象者や接種方法等については、奈良市ホームページ子宮頸がん予防ワクチン(HPV)のキャッチアップ接種のご案内にてご確認ください。

 

HPVワクチンの効果とリスク(副反応)について

HPVワクチンの種類と予防効果

HPVワクチンを接種することで、ワクチンに含まれているHPV型の感染・子宮頸がんの発症を予防することができます。

 
ワクチンの種類 予防できるHPV型 予防効果

2価ワクチン
サーバリックス

HPV16/18 子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
4価ワクチン
ガーダシル
HPV16/18/6/11
9価ワクチン
シルガード9
HPV16/18/6/11/31/33/45/52/58

子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。

 

公費で受けられるHPVワクチンの接種により、感染予防効果を示す抗体は少なくとも12年維持される可能性があることがこれまでの研究でわかっています。(ワクチンの誕生以降、期待される効果について研究が続けられています。)

海外や日本で行われた疫学調査(集団を対象として病気の発生などを調べる調査)では、HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。
また、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
HPVワクチンの接種を1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人ががんにならなくてすみ、約20人の命が助かると試算されています。

HPVワクチンを接種する時期と予防効果

16歳頃までに接種することが最も効果が高いですが、それ以上の年齢で接種しても、ある程度の有効性があることが、国内外の研究で示されています。性交経験によるHPV感染によって、ワクチンの予防効果が減少することが示されていますが、性交経験がある場合でも、ワクチンの予防効果がなくなってしまうわけではありません。(HPVワクチンの対象年齢を過ぎてからの接種の有効性などに関するエビデンスについては次のリンク先の資料をご参照ください。第26回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料5-1「HPVワクチンのキャッチアップ接種に関する有効性・安全性のエビデンスについて」<外部リンク>
なお、定期接種の対象年齢(高校1年生相当まで)を過ぎてからの接種について、明らかな安全性の懸念は示されていません。

リスク(副反応)について

HPVワクチン接種後に見られる主な副反応として、発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神などが挙げられます。

 HPVワクチン接種後の主な副反応
発生頻度 2価ワクチン
(サーバリックス)
4価ワクチン
(ガーダシル)
9価ワクチン
(シルガード9)
50%以上 疼痛、発赤、腫脹、疲労 疼痛 疼痛
10~50%未満 掻痒(かゆみ)、腹痛、筋痛、関節痛、頭痛など 紅斑、腫脹 腫脹、紅斑、頭痛
1~10%
未満
蕁麻疹、めまい、発熱など 頭痛、掻痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、掻痒感、発熱、疲労、内出血など
1%未満 知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結、出血、不快感、倦怠感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、硬結など
頻度不明 四肢痛、失神、リンパ節症など 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など


ワクチン接種後に見られる副反応が疑われる症状については、接種との因果関係を問わず収集しており、定期的に専門家が分析・評価しています。その中には稀に重い症状の報告もあり、具体的には以下のとおりとなっています。(2013年3月までの報告のうちワクチンとの関係が否定できないとされた報告頻度)

 

​稀に起こる重い副反応

病気の名前 主な症状 報告頻度
アナフィラキシー 呼吸困難、じんましんなどを症状とする重いアレルギー 約96万接種に1回
ギラン・バレー症候群 両手・両足の力の入りにくさなどを症状とする末梢神経の病気 約430万接種に1回
急性散在性脳脊髄炎(ADEM) 頭痛、嘔吐、意識の低下などを症状とする脳などの神経の病気 約430万接種に1回
複合性局所疼痛症候群(CRPS) 外傷をきっかけとして慢性の痛みを生ずる原因不明の病気 約860万接種に1回

因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状を含めて、HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があがったのは、接種1万人あたり、サーバリックス約9人、ガーダシル約9人、シルガード9では約8人です。
このうち、報告した医師や企業が重篤と判断した人は、接種1万人あたり、サーバリックス約5人、ガーダシル約5人、シルガード9では約7人です。(重篤な症状には入院相当以上の症状などが含まれていますが、報告した医師や企業の判断によるため、必ずしも重篤でないものも重篤として報告されることがあります)
定期接種による重い副反応の場合には、法に基づく予防接種健康被害救済制度の対象になることがあります。

 

厚生労働省作成リーフレットについて

HPVワクチンの効果や副反応については、厚生労働省作成のリーフレットにも記載されています。下記のリーフレットをよくお読みいただき、HPVワクチンの有効性とリスクを十分理解したうえで接種するかどうかご判断ください。

キャッチアップ接種
HPVワクチンの接種を逃した方に接種の機会をご提供します [PDFファイル/2.25MB]

厚生労働省ホームページ「HPVワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~」<外部リンク>にて、HPVワクチンに関する情報が掲載されていますのでご確認ください。

よくある質問

Q1.性交前にHPVワクチンを接種しないと効果はありませんか?
Q2.HPVワクチンを接種した後も子宮頸がん検診を受けなければいけませんか?
Q3.2価ワクチン(サーバリックス)または4価ワクチン(ガーダシル)を接種すると9価ワクチン(シルガード9)は接種できないのですか?
Q4.HPVワクチンを1回または2回接種してから1年以上過ぎてしまいました。次の接種はどうすればよいですか?
Q5.HPVワクチン接種後に気になる症状が出た場合、どこに相談すればよいですか?

 

Q1.性交前にHPVワクチンを接種しないと効果はありませんか?

性交経験によるHPV感染によって、ワクチンの予防効果が減少することが示されていますが、性交経験がある場合でも、ワクチンの予防効果がなくなってしまうわけではありません。感染していないHPV型には、感染を予防する効果が期待できます。

 

Q2.HPVワクチンを接種した後も子宮頸がん検診を受けなければいけませんか?

子宮頸がん検診、HPVワクチンともに有効な子宮頸がん予防の方法で、どちらも受けることが重要です。HPVワクチンは全ての高リスク型HPVの感染を予防できるわけではないため、早期発見・早期治療のために20歳を過ぎたら子宮頸がん検診を定期的に受診し、子宮頸がんに対する予防効果を高めることが大切です。

 

Q3.2価ワクチン(サーバリックス)または4価ワクチン(ガーダシル)を接種すると9価ワクチン(シルガード9)は接種できないのですか?

  • サーバリックスまたはガーダシルで規定の回数(3回)接種が完了している場合
    世界保健機関(WHO)や米国疾病予防管理センター(CDC)はシルガード9の追加の接種を推奨していません。これは、サーバリックスまたはガーダシルでも、子宮頸がんに最も関与の強い型であるHPV16/18型の感染予防に効果があることや、異なる種類のワクチンを接種した場合の有効性と安全性についてのデータが限られていることからです。
    接種が完了している場合、それ以降の接種については定期接種として接種していただくことはできません。
  • サーバリックスまたはガーダシルを1回または2回接種している場合
    原則として同じ種類のワクチンを接種することをお勧めしますが、医師と相談のうえ、途中からシルガード9に変更し、残りの接種を完了させることができます。(ただし、異なる種類のワクチンを接種した場合の効果と安全性についてのデータは限られています)

 

Q4.HPVワクチンを1回または2回接種してから1年以上過ぎてしまいました。次の接種はどうすればよいですか?

過去にHPVワクチンを受けた時から時間が経過している場合でも、接種を初回からやり直す必要はなく、残りの回数の接種(2、3回目または3回目)を行ってください。
数年以上の接種間隔があいた後にHPVワクチンを接種した場合も、一定程度の効果と安全性が示されています。十分な予防効果を得るためには、決められた回数を完了させることが大切ですので、できるだけ早めに残りの接種を受けてください。

 

Q5.HPVワクチン接種後に気になる症状が出た場合、どこに相談すればよいですか?

接種後に体調の変化や気になる症状が現れたら、まずは接種を行った医療機関などの医師にご相談ください。
また、HPVワクチンは合計3回接種しますが、1回目または2回目の接種後に気になる症状が現れた場合は、それ以降の接種をやめることができます。
           

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