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障害者の人権

ページID:0243140 更新日:2026年2月2日更新 印刷ページ表示

障害者の人権

はじめに

 障害の有無にかかわらず、すべての人に「生きること」「平等に扱われること」「社会に参加すること」という大切な権利があり、これらの権利は守られるべきものです。

 街中で困っている障害者を見かけた際、「力になりたいけれど、どう接すればいいかわからない」と足が止まってしまうこともあるかもしれません。 誰もが自分らしく暮らせる社会を築くために、今どのような取り組みが求められているのでしょうか。障害のある人もない人も共に心地よく過ごせる未来について、この機会に一緒に考えてみましょう。

障害者の人権について

 障害者とは、身体障害、知覚障害、精神障害(発達障害を含む)や心身の機能等に障害があり、障害や社会の障壁によって生活に制限を受ける状態にある人をいいます。

 

障害者基本法第2条(定義)

一障害者 身体障害者、知的障害者、精神障害(発達障害を含む。)その他心身の機能の障害(以下「障害」と称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

 

 令和7年版障害者白書によると、日本には、

・身体障害者 約423万人

・知的障害者 約126万8千人

・精神障害者 約603万人の方が暮らしています。

 同白書によれば、国民の9.3%が何らかの障害を有していることになります。

 奈良市では、

・身体障害者1万2,761人

・知的障害者3,454人

・精神障害者5,621人の方が暮らしています。

 また、誰もが障害者とかかわる可能性があります。自分にもかかわる問題として障害者の人権を考えることが大切です。

国内外の動き

世界では・・・

 2006年国際連合において、「障害者権利条約」が採択されました。

 Nothing  About Us  Without  Us~「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」~をスローガンとし、障害のある人の人権や、基本的自由を守ることなどを目的とし、障害者の権利を表現するために国がすべきことを規定しています。

 具体的には、障害に基づくあらゆる差別をなくすこと、障害のある人の社会参加の促進、教育や労働、政治参加等に関する権利の保障など。日本はこの条約に2007年に署名し、2014年に批准しました。


国内では・・・

2011年 障害者基本法の改正

●障害者権利条約の理念を踏まえて改正されました。

●全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することが新たな目的とし、改正されました。

●障害のある人の自立、社会参加等への支援に向けた取組を促進するための障害者基本計画について、その実施状況の監視・勧告等を行う機関として「障害者政策委員会」が内閣府に設置されました。

2012年 障害者虐待の防止、障害者の擁護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)の施行

●障害者に対する虐待を防止すること等を目的とした法律です。

2016年 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)の施行

●障害が、あってもなくても誰もが分け隔てられることなく、お互いの人格と個性を尊重した差別のない社会の実現を目指しています。

●行政機関と民間業者に「不当な差別的取扱い」の禁止と「合理的配慮」の提供を求めました。

2022年 障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)の施行

●障害のある人が、あらゆる分野の活動に参加することができるよう、障害のある人による情報の取得利用・意思疎通に係る施策を総合的に推進することを目的に本法律が施行されました。

2024年 改正障害者差別解消法の施行

●これまで、努力義務とされていた民間業者による合理的配慮の提供が、法的義務とされました。

「不当な差別的取扱い」の禁止・「合理的配慮」の提供とは

「不当な差別的取扱い」とは

 障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由としてサービスの提供を拒否することや、サービスの提供に当たって、場所や時間帯などを制限すること、障害のない人には付けない条件を付ける等が、「不当な差別的取扱い」に当たります。

【不当な差別的取扱いの例】

●障害があるというだけで、障害の種類や程度等について考慮することなく、漠然とした安全上の問題のみを理由に施設利用を断る。

●障害があるという理由だけで、言葉遣いや接客の態度など、待遇の質を一律下げる。

「合理的配慮」の提供とは

 個々の場面において、現に何らかの障壁に直面している障害のある人から、その除去を求められたときに、過重な負担のない範囲で対応することを言います。

【合理的配慮の提供の例】

●車椅子利用者のために段差に携帯スロープを渡す。

●聴覚障害のある人に筆談で対応する。

●障害の特性に応じた休憩時間の調整など、柔軟なルール変更を行う。

リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」(法務省HP)<外部リンク>


障害者総合支援法(「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)(厚生労働省ホームページ)<外部リンク>

  障害のある方が安心して日常生活を送れるよう、福祉サービスを提供する法律です。例えば、介護や生活の支援などが含まれます。

 このように、法律では障害のある方の人権を守り、生活しやすい環境を作るために、いろいろな仕組みが整えられています。しかし、実際の生活では、活動するうえでたくさんの困難や問題に直面しています。

1. 身体的・情報的バリア

 障がいのある方が日常生活で直面する問題の一つが、身体や移動に関する「バリア」です。例えば、段差が多くて車いすが通れない場所や、エレベーターが設置されていない建物があることです。

 また、情報に関する「バリア」もあります。例えば、案内が音声だけで提供されていたり、表示されている文字が読みづらかったりすると、耳や目に障がいのある方にとって非常にわかりにくくなります。

2. 社会的偏見・差別

 社会的な偏見や差別は、障害のある方に孤立感を与えることがあります。たとえば、自分では気づかない偏見や、決めつけた言い方や態度が原因で周囲から取り残されてしまうことがあります。

 3. 教育・就労機会の制限

 特別な支援を必要とする子どもたちは、「支援学校」や「特別支援クラス」に通うことが多く、一般的な学校で他の子どもたちと一緒に学ぶ機会が少ないのが現状です。この状況は、彼らが交流の幅を広げたり、多様な環境で成長するチャンスを制限していることにつながることがあります。

 また企業が障害のある方を雇う際、法律で定められた人数を確保するためだけの形式的な採用になっている場合があります。

4. 経済的課題

(※1)A型事業所や(※2)B型事業所で働く場合、働ける時間や仕事内容に制限があるため、十分な収入を得ることが難しい状況があります。そのため、将来の生活プランを考える際に、大きな困難に直面することも少なくありません。

 また自治体ごとに支援のルールが異なるため、同じ悩みを抱えていても、住んでいる地域によって受けられるサービスや支援の内容、さらに支援の金額に差が出てしまうことがあります。このような違いは、障害のある方にとって公平な支援を受ける機会を難しくする場合があります。

(※1)A型事業所

・雇用契約を結び、最低賃金以上の「給与」が保障される。

・勤務時間や勤務日数が一般企業に近く、安定した働き方が可能である。

・対象:障害者手帳を持つ18~65歳未満で、継続した就労が見込める方

(※2)B型事業所

・雇用契約はなく、「工賃制」(作業量に応じた報酬)で支払われる。

・作業日数や時間を自分のペースで調整でき、体調に合わせた働き方ができる。

・対象:継続した雇用契約が難しい方や、まずはリハビリ的に働きたい方

5. サポート体制の不足

 介護や福祉の現場では、長時間働いても給料が低いといわれることが多く、そのためスタッフが辞めてしまうケースが少なくありません。この状況により、障害のある方が必要な支援を毎日安定して受け続けることが難しくなる問題があります。

 さらに、相談窓口や支援サービスが複数の施設に分散しているため、一つの場所でまとめて相談や手続きができない不便さも指摘されています。このような状況が、支援を受ける側にとっての負担を増やしています。

 障害のある方が社会生活で直面する課題をなくすには、 すべての人が“理解”と“配慮”を日常で実践することが不可欠です。

1.障害に対する理解を深める​

 障害のある方が日常生活で感じる困難や必要な配慮を知ることはとても大切です。そのために、どんな状況で助けが必要か学び、支えるための適切な言葉や行動を身につけることが求められます。これにより、誰もが安心して暮らせる環境を作る手助けができます。

障害種別の特性(1)(2)(内閣府HPより)<外部リンク>

障害種別の特性(3)(4)(内閣府HPより)<外部リンク>

障害種別の特性(5)(6)(7)(内閣府HPより)<外部リンク>

 

 

2. 物理環境の配慮をする

 移動や利用に困る人がいないよう、段差はスロープや昇降機で解消し、車いすでも通りやすくする工夫をします。また、点字ブロックや音声案内、電光掲示板を設置して、視覚や聴覚に障害がある方にも対応します。さらに、表示は大きな文字や高いコントラスト、そしてわかりやすいピクトグラムを使い、誰でも理解しやすいものにします。

3. サービスの配慮

 お店や窓口、飲食店、イベント、そしてオンラインの場面で、障害のある方が不便を感じることなく利用できるように工夫することが大切です。そのためには、従業員の対応を工夫するとともに、仕組みや情報提供の方法を改善する必要があります。

4. 制度的サポート

 制度的な支援は、障害のある方を地域全体で支える大切な仕組みです。例えば、企業が法定雇用率を超えて障害のある方を雇用すると、助成金や税制優遇を受けることができます。また、公共交通機関や公共施設ではバリアフリー基準を守ることが義務付けられており、誰もが利用しやすい環境を目指しています。

 これらがすべて揃うことで、障害のある方が安心して暮らせる社会が実現します。このような社会では、誰もが自然に助け合い、共に生活できる環境が整います。私たちが理解し行動を起こすことで、「真の共生社会」が形作られるのです。

人権啓発動画 「『誰か』のことじゃない」障害のある人編(法務省ホームページ)<外部リンク>

相談窓口

奈良市障がい福祉課 0742-34-4593 

奈良市基幹相談支援センター(障害福祉サービスに関すること)​0742-93-3438

奈良市障害者虐待防止センター(障がい福祉課内) 0742-34-4593

みんなの人権110番<外部リンク> 0570-003-110 ※最寄りの法務局につながります。

 

 

 

 

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