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ゲノム情報(遺伝情報)に関する偏見や差別をなくそう
ゲノム情報(遺伝情報)に関する偏見や差別をなくそう
法務省の人権擁護機関は、人権擁護の立場から、毎年、人権啓発活動における重点目標を定め、具体的な課題として「啓発活動強調事項」を掲げて、人権啓発活動をおこなっています。2025年4月1日より、「ゲノム情報(遺伝情報)に関する偏見や差別をなくそう」が、18番目の強調事項として追加されました。
法務省サイト:啓発活動強調事項<外部リンク>
「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律」<外部リンク>により、今後、ゲノム医療が普及し、ゲノム情報の活用が拡大されていくことが見込まれます。その中でゲノム情報(遺伝情報)に関する知識や理解の不足から、日常生活や、就職、保険の加入等の社会生活の様々な場面で、不当な差別やプライバシー侵害などの人権問題が発生するおそれがあります。ゲノム情報(遺伝情報)に関する正しい知識に基づいて冷静に判断することが重要であるとの理解を深めていくことが必要です。
ゲノム情報に関する偏見や差別はどのようなときに起こるのか
人は見えない「未来のリスク」を嫌い、未知の情報には恐怖や誤解が生まれやすくなります。
ゲノム情報も例外ではありません。
1.保険への影響
一部の保険会社が、遺伝情報に基づいて加入を拒否したり保険料を上げるケースが報告されています。例えば、遺伝的に特定の病気のリスクが高いと判断された人が生命保険への加入を断られる場合があります。
2. 雇用環境
ある企業が採用や昇進の際に遺伝情報を考慮することで、不利益な扱いを受けることがあります。これにより、本来の能力や適性とは関係なく差別的な扱いを受ける可能性があります。
3.人間関係への影響
遺伝的疾患に関連した偏見により、結婚や家庭内での関係が悪化することがあります。例えば、遺伝的疾患のリスクが高いという理由で婚約破棄されることがあるといいます。
4.医療へのアクセス
一部の医療従事者が患者に対して遺伝情報を基に不適切なコメントをしたり、治療への優先度を下げることがあるそうです。
相談窓口
法務局の職員や、人権擁護委員が人権に関するご相談を受けています。
偏見や差別被害の早期解決を支援しています。
※人権擁護委員は、人権擁護委員法に基づいて、人権相談を受けたり、人権の考えを広める活動をしている民間の人たちです。
法務省サイト:人権相談窓口<外部リンク>