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部落差別(同和問題)を正しく理解しよう
部落差別(同和問題)とはどういう問題なのですか?
部落差別とは、日本社会に固有の人権課題であり、近代の「穢多」村の系譜を引く集落(被差別集落)の住民や被差別部落住民と関係があるとみなされた人びとが、周辺地域社会から異質視・蔑視されたり忌避・排除などの扱いを受けてきたことです。
部落差別(同和問題)は、1871年(明治4年)の太政官布告(いわゆる「解放令」)によって、賤民身分は、法的に廃止されたにもかかわらず、同和地区や被差別部落などと呼ばれる地域の出身であることや、そこに住んでいることを理由に就職や結婚、教育、住宅取得などの面においていわれなき差別や不利益を受け、基本的人権や人間としての尊厳が脅かされ、浸透されているという日本固有の人権問題です。
部落差別(同和問題)解決のため、どのような取組がなされてきたのですか?
全国水平社の結成と水平社宣言
明治から大正時代になり、人々の自由や平等を求める運動が勢いを増す中、それまで長い間、厳しい差別に苦しみ、耐えることを強いられてきた被差別部落の人々は、差別からの解放を求める運動を進めていきました。
そして、1922年(大正11年)3月3日に部落差別に苦しむ人々が全国各地から集まり、差別からの解放と人間としての自由、平等の権利を自らの手で取り戻すため全国水平社を創立し、その創立大会でわが国で初めての人権宣言と言われている「水平社宣言」が読み上げられました。
水平社宣言の“水平社”は、「人間は生まれながらにして平等な存在である」という理念から名付けられ、宣言の最後に書かれた「人の世に熱あれ、人間に光あれ」という言葉には、「人間を尊敬し、大切にし合うことで差別はなくしていける」という願いが込められています。
法的措置
1965年(昭和40年)、国の同和対策審議会答申で同和問題の解決は「国の責務であり、同時に国民的課題」と位置付けた4年後に、最初の特別措置法である「同和対策事業特別措置法」が制定されました。
その後、法の名称と内容は変わりながら一連の特別措置法に基づき、いろいろな事業が実施されました。
これらの事業により劣悪といわれてきた同和地区の生活環境は著しく改善され、社会福祉も増進しました。
しかし、差別がすべて解決したとは言いがたい状況です。
現在も結婚問題を中心に差別意識は依然と存在しています。
また、最近ではインターネットを利用した差別情報の流布など新たな問題も生じています。
部落差別(同和問題)は基本的人権や人間としての尊厳にかかわる重大な社会問題です。今後とも同和問題をはじめ女性や子ども、高齢者や障がい者、外国人などに関わる人権問題の解決を積極的に進めていく必要があります。
相談先
みんなの人権110番(電話:0570-003-110)
インターネット人権相談受付窓口〈法務省ホームページ〉<外部リンク>
部落差別(同和問題)について正しい認識を持つことが大切です。
部落差別(同和問題)には、間違った知識や偏見が強く関係していることが多くあります。
これらに惑わされることがなく、正しい認識を持つことが大切です。
部落差別の解消の推進に関する法律 [PDFファイル/149KB]