本文
刑を終えて出所した人やその家族と人権
刑を終えて出所した人やその家族
刑を終えて出所した人やその家族に対する偏見や差別は根強く、悪意のある噂を流されたり、プライバシーが侵害されたりする他、就職や住居の確保における不当な差別的取扱い等、社会復帰を目指す人たちにとって、現実は極めて厳しい状況にあります。刑を終えて出所した人たちが、地域社会の一員として安定した社会生活を営むためには、本人の強い更生意欲だけでなく、家族、職場、地域社会の理解と協力が不可欠であるとともに、これらの人に対する偏見をなくし差別意識を解消することが大切です。また、罪を犯した人を更生させ、地域社会に健全な構成員として迎えることは、社会全体にとっても望ましいことです。
更生保護法
こうした中、平成二十年に更生保護法が施行されました。この法律は、国の責務として、保護観察官などの指導や監督の権限を強化する一方で、住居や就業等の生活環境の調整を行うことで受刑者などの円滑な社会復帰を図るという、更生保護の機能の充実強化を目的としています。更生保護とは、罪を犯した人や非行のある少年が、社会の中で健全に更生するのを支援し、再犯を防ぎ、社会を保護することで、個人と公共の福祉を増進しようとする活動です。
私たちにできること
刑を終えて出所した人たちが、地域社会の一員として円滑な社会生活を営むためには、自分の「居場所」と「仕事」を作れる環境を整えることが必要です。地域のなかに居場所がなくなって孤立してしまうと、また犯罪を繰り返してしまうかもしれません。罪を犯した人を受け入れて再犯を防ぐことは、安全な地域社会づくりにもつながります。
刑を終えて出所した人等に対する偏見にとらわれていませんか?刑を終えた人やその家族に対する先入観を払しょくし、偏見や差別をなくし、刑を終えて更生しようとする人を受け入れる社会環境を育みましょう。同じ地域にくらす人たちの理解と温かなまなざしが大きな支えとなります。
みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル) <法務省ホームページより>
差別や虐待、ハラスメントなど、様々な人権問題についての相談を受け付ける相談電話です。電話はおかけになった場所の最寄りの法務局につながります。
みんなの人権110番<外部リンク>