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ハンセン病を知る
ハンセン病について
ハンセン病は「らい菌」という細菌に感染して起きる病気で、かつては、「らい病」とよばれていました。現在は、らい菌を発見したノルウェーの医師の名前をとって「ハンセン病」が正式名称となっています。この病気にかかると、手足の神経が麻痺し、汗が出なくなる、痛い、熱い、冷たいといった感覚がなくなる、身体の一部が変形してしまうといった症状が現れます。治療法がない時代は障害などの後遺症が残ることもありました。
政府の取組など
平成15年(2003年)11月に起きた熊本県内のホテルのハンセン病療養入所者に対する宿泊拒否事件によって、依然として誤った知識や偏見が存在していることが明らかになりました。このような偏見や差別の解消をさらに推し進めるため平成21年(2009年)4月に「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が施行されています。また、「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」の施行日である6月22日が「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」と定められました。さらに国際社会においては、平成22年(2010年)に我が国が主導する「ハンセン病差別撤廃決議」が国連総会において採択されました。
令和元年(2019年)6月28日熊本地裁において隔離政策がハンセン病患者家族に対する差別被害を発生させたこと等を理由に、国の一部敗訴の判決が出されました。この判決に対して、政府は、ハンセン病対策の歴史と筆舌に尽くしがたい経験をされた患者・元患者の家族への思いを致し、控訴はしないこととし、令和元年7月12日「ハンセン病家族国家賠償請求訴訟の判決受入れにあたっての内閣総理大臣談話」を公表しました。同談話において政府は関係省庁が連携・協力し患者・元患者やその家族がおかれていた境遇を踏まえた人権啓発、人権教育などの普及の強化にとりくむこととされました。