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JNOメンバー 鈴木 優さんインタビュー

更新日:2022年12月8日更新 印刷ページ表示

インタビュー JNOホルン奏者 鈴木優さん

2023年3月29日になら100年会館でリサイタルを開催される鈴木優(すずきゆう)さんに、ホルンの魅力や今回のリサイタルの聴きどころを伺いました。

プロフィール

鈴木優さんの写真​ ©Kenryou Gu

東京藝術大学卒業。Menagerie Brass Quintetとして第10回チェジュ国際金管楽器コンクール金管五重奏部門第1位を受賞。藝大フィルハーモニア管弦楽団、東京交響楽団を経て現在、東京都交響楽団団員。

Q.ホルンと出会ったきっかけは?

ホルンをはじめたきっかけは中学生のときに吹奏楽部に入部したことです。もともと父が柔道の先生をしていたこともあり、小学校は6年間、柔道をやっていました。ただ、すごく柔道が嫌いで、6年間ずっとやめたいと思ってたところ、友達が吹奏楽部でクラリネットをやっているのを見て、自分もやりたいと思ったんですね。音楽という柔道と真逆のことをするとなったら、柔道をやめるきっかけにもなると思って、吹奏楽部への入部を決めました。クラリネットがやりたくて入ったんですが、小学校からクラリネットをやっている子に取られてしまって、人気がなかったホルンに、あふれた私がまわされたというのがはじめたきっかけです。

初めて触ったときは、まったく音がでませんでした。自分にホルンは向いていないって思っていました。それから、しばらくは音が出るまで苦労しました。ただ、音が出るようになってからは、難しかった分、感動も大きくて、ちょっとずつ練習すれば出来るようになるのが嬉しかったです。最初は絶望的だったんですが、練習を重ねていく中でホルンのことも好きになっていったのかなと思います。

高校の時の顧問の先生が、「プロになりたいならウチにおいで」と言ってくれた先生で、夜遅くまで一人で練習したりすることも許してもらえるような環境だったこともあり、結果としては楽器漬けの3年間になったかなと思います。その先生に大学進学のアドバイスをもらったりするなかで、プロの音楽家というものを知っていくことができました。

プロになることを強く意識するようになったのは、高校生の時に、プロのホルン奏者にレッスンをしていただくことになって、オーケストラの招待券を用意してくださったりして、実際に生で演奏を聴くことができ、それまで吹奏楽部のホルンしか知らなかった私にとって、オーケストラのホルンが衝撃的だったんです。それでオケマンってかっこいいなと思って、自分もオーケストラに入りたいと思うようになりました。

Q.ホルンの魅力とは?

やはり音色ですかね。どの楽器とも混じりやすいというか、オーケストラでしたら金管楽器と弦楽器のつなぎ役になれる楽器なんです。だから室内楽曲もとても多いんですね。音色ということでいうと色んな顔を持っている楽器だなと思います。

Q.使っているメーカーについて

高校生の時からアレキサンダーというメーカーを愛用しています。金属なので、使っていくと音色的に沈んでいくことがあり、前の楽器は10年ぐらい使って新しいのにしました。人によっては違うメーカーを何種類か持っていて、曲によって使い分ける方もいるのですが、私は一つの楽器をずっと使っていますね。

Q.JNOにはいったきっかけは?

反田さんから突然電話が来てお誘いいただきました。最初は間違い電話かなとおもったぐらいびっくりしました。反田さんは、それまで一方的に存じ上げている形で、直接的な交流はほぼなかったです。

Q.奈良の印象は?

まず、鹿がたくさんいることにびっくりしました。

日本文化を大切にしているところだと思います。建物もすべてが美しいですし、どこを切り取っても絵になるような街だというのは、なかなかないことだと思います。

Q.今回のリサイタルの聴きどころは?

やはりホルンという楽器の音色の幅の広さを聴いてもらえればと思います。

最初は古典的な楽曲からはじまるのですが、後半はなかなか演奏する機会がない作曲家の曲で、私自身も初めて演奏する曲を入れています。

弦楽器と木管楽器、ピアノなど色んな楽器との組み合わせを聴いていただくことができます。この楽器と混ざり合うとこういう響きがするんだというのが感じやすいプログラムかと思っていて、楽器との相性によっての響きの変化も楽しんでいただけると思います。また、作曲家の時代による変化も楽しんでいただけると思います。

Q.クラシックコンサートを初めてという方でもおすすめできますか?

今回のリサイタルに限らず、オーケストラってそんなにたいそうなものではなく、庶民的なものでありたいと思っています。私の家族もオーケストラを聴きに行くとなったら「何を着ていけばいいの?」ってなるんですけど、ドレスコードもないので、普通の格好で気軽に来てもらえればいいと思います。チケットも当日券が出ているようなコンサートもたくさんあるので、ふらっと立ち寄るような聴き方もできると思うんです。学生だったら学生料金で入れるコンサートもたくさんあるので、金銭的にも、気持ち的にも気楽に聴けるものしかないと思っています。音楽をまったく知らない人でも、合うか合わないかも、行ってみないと分からないと思います。一度、生の演奏を聴いてみるとCDとは全然違うので、気軽に試してみてもらえればと思います。

吹奏楽部の中高生たちも、一度オーケストラで自分の担当している楽器を聴いてもらえれば、吹奏楽の顔と全然違ったりするので、違う視点で絶対に楽しめると思います。部活が忙しいかもしれないけど、1回でいいから中高生の間に生で聴いてもらいたいと思います。

Q.奈良市民のみなさんへのメッセージ

JNOのメンバーとして奈良市の皆さんと密に関わることができるような機会をいただけたことをすごく嬉しく思っています。あまり音楽に興味がない方も、反田さんをはじめ、素晴らしい音楽家の方が集まっているオーケストラなので、実際に聴いていただきたいなというのが一番の願いです。そして、もっと私たちと皆さんの距離が近くなればいいなと思っております。