本文
JNOメンバー 香月 麗さんインタビュー
インタビュー JNOチェロ奏者 香月麗さん
2023年2月27日になら100年会館でリサイタルを開催される香月麗（かつきうらら）さんに、チェロの魅力や今回のリサイタルの聴きどころ等を伺いました。
プロフィール
©Kenryou Gu
桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを修了。
第86回日本音楽コンクール1位、あわせて徳永賞、E.ナカミチ賞を受賞。
ローザンヌ高等音楽院にてグザヴィエ・フィリップ氏のもとで研鑽を積み、現在、パリ国立高等音楽・舞踊学校に在学中。
Q．チェロと出会ったきっかけと、チェロの魅力は？
母の家族皆でクラシックのコンサートを聴きに行きたいという思いから、4つ上の兄が先にヴァイオリンを習い始め、私は兄とは違う楽器をということで、3歳の時にチェロを習い始めました。
小さい頃は兄のやっていることと同じことがやりたいと思っていて、おもちゃのバイオリンを弾いたりして、チェロを始めた後もバイオリンが弾きたいと言っていました。ですが、小学校の高学年の時にオーケストラで他の楽器と共に演奏する機会があり、その時にチェロっていいなと気付いて、そこからはチェロ一筋です。アンサンブルにおいて、下から支える縁の下の力持ち的な役割をすることがかっこいいなと思ったことを覚えています。
皆さんそれぞれの楽器に魅力があると思いますが、みなさんにチェロの魅力を感じていただけるようなチェロアンサンブルの演奏会をJNOでも出来たら良いなと思っています。
Q．中学や高校時代について
高校から桐朋学園の音楽科に入り、幼いころからプロを目指している周りの学生たちに衝撃を受けました。本格的にこの道でと決心したのは、大学生の時、日本音楽コンクールに挑戦した時です。幼稚園の先生など色々将来の夢はあったのですが、コンクールで賞をいただいたら、音楽の道で頑張っていこうと思いました。
Q．今改めて思うチェロの魅力は？
小さい時に色々な人と弾いて楽しいと思ったその気持ちは変わらないです。自分がチェロを弾いていることでJNOのメンバーをはじめ色々な人と出会えることが嬉しいし、またその人たちとご一緒する時までにどんな自分になりたいかということを考え、それが自分の努力や勉強を追及するエネルギーになると感じています。
Q．反田さんとの出会いやJNOに入ったきっかけは？
反田さんは高校時代からの先輩で、当時からスターで雲の上の方でした。学校の演奏会で反田さんのコンチェルトの伴奏をしたことは何度かありましたが、お話をちゃんとしたのはJNOに入ってからだと思います。
JNOに初めて参加したのはハンドインハンドという2020年に行われたコロナ禍のオンラインコンサート配信です。直接電話で連絡いただいた時のことはとても緊張したので、よく覚えています。今でも反田さんとお話するときは少し緊張しています。
Q．今回のリサイタルの聴きどころは？
スイスで3年学び、昨年秋からパリの音楽院で勉強しています。今通っているパリ国立高等音楽院はドビュッシーの通っていた学校でもあるので、ドビュッシーのチェロソナタは、パリの生活で感じたことやレッスンで頂いたインスピレーションを10分ほどの短い曲ですが、ギュッと詰め込めればと思っています。
私は今回が初めてのリサイタルシリーズなので、今まで私が経験してきたことを詰め込み、奈良のお客さまに初めましての気持ちを込めて演奏したいです。
共演するメンバーの方について
ピアニストの鈴木慎崇さんとは今回初めての共演です。過去のリサイタルシリーズではコントラバスの大槻さんと共演されました。私自身はまだ勉強している身ですが、なら100年会館で弾くときには演奏家として演奏できるように、プロフェッショナルな方にお願いできるチャンスだと思い、素晴らしいサポートをしてくださる鈴木さんにお願いしました。
Q．奈良市の印象は？
私は愛知県出身なので、奈良と京都が修学旅行先でした。家族旅行で訪れたこともあります。海外に留学してから改めて日本のことを知りたいと強く感じ、歴史的な神社仏閣や遺跡が沢山残っている奈良にご縁をいただけたからには、これを機に勉強させていただきたいと思っています。クラッシック音楽も昔のもので、私自身古いものに愛着があるので魅力を感じます。
Q．奈良市民のみなさんへのメッセージ
昨年、奈良県立高円高校・高円芸術高校の終業式で演奏させていただいた以来の奈良での演奏で、初リサイタルです。
JNOでオーケストラの一員として活動している私たちですが、反田さんのご意向で一人ずつコンサートの場を与えてもらい、皆の持っている個性が伝わる面白い企画なので、2月27日の演奏会では、奈良の皆さま初めまして、という気持ちを込めて演奏します。是非たくさんのお客さまに聴いていただけたら嬉しいです。