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「人と農地の問題」の解決にむけて~人・農地プランを作成しよう~
※『実質化された人・農地プラン』は、令和5年度から『地域計画』に変わります。詳しくは農林水産省ホームページ<外部リンク>をご覧下さい。
農業者の問題
私たちの国の基幹的農業従事者(※)は平成26年度では約168万人。そのうち65歳以上の割合は約60%を占め40歳未満はわずか5%程度です。(農林水産省農業構造動態調査より)
昭和35年~55年頃にかけての経済成長に伴い、30~50代の働き盛りの世代が大量に農村から流出し、その後も新規就農数が減少したことが原因といわれています。
農林水産省は将来、高齢化により基幹的農業従事者は90万人に減少すると見込んでおり、その90万人で私たちの米や野菜、果物等を生産するには分散する農地を集積し作業を効率良く行い収量を増やすなどの施策を進める必要があり、また、20~65歳の年齢層で安定的に担うためには、毎年2万人の若い人たちが就農し継続する必要があると試算しています。近年40歳未満の新規就農者は年間約1万5千人。そのうち約3割程度が離農し基幹的農業従事者として定着するのは約1万人程度というのが現状です。
(※)基幹的農業従事者 農業を主な仕事とし、ふだんその状態にある者をいう
農地の問題
私たちの国の農地面積は農用地開拓などで拡張された一方、工場用地や道路、宅地等への転用等が進み農地は減少しています。
また、農地があっても高齢者のリタイア後の後継者不足や新規就農者の減少等により、農地が活用されず耕作放棄地が増加する傾向にあります。
現在、全国の耕作放棄地面積は約40万ha。これは滋賀県とほぼ同じ面積にあたります。奈良市においても多くの耕作放棄地があり人と農地の問題を抱えています。
そこで農林水産省はそれらの問題を解決するため将来の設計図である「人・農地プラン」を作成することを推進しています。
人・農地プランとは
人・農地プランとは地域や集落ごとに話合いをし、「人と農地の問題」を解決するための未来の設計図です。地域や集落の中心となる経営体をその地域全体で支え、地域の発展方向を地域のみなさんで認識することが大切です。
農林水産省は、人・農地プランを柱に関連施策を強化し、長期にわたって継続的に実施することにより、農業政策の基礎中の基礎である「人と農地の問題」を解決しようと考えています。
人・農地プランの実質化
この度、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成二十五年法律第百一号)が一部改正され、人・農地プランを真に地域の話し合いに基づくものにするという観点から、アンケートや地図を活用し、今後の農地利用を担う中心経営体への農地の集約化に関する将来方針の作成につなげていくことが示されました。
実質化の要件
- アンケートの実施
対象地区の相当部分について、おおむね5年から10年後の農地利⽤に関するアンケート調査を行います。 - 現況把握
対象地区において、アンケート調査や話合いを通じて、農業者の年齢階層別の就農や後継者の確保の状況を地図により把握します。 - 今後地域の中心となる経営体(中心経営体)への農地の集約化に関する将来方針の作成
対象地区を原則として集落ごとに細分化し、5年から10年後に農地利用を担う中心経営体に関する方針を決めます。
人・農地プランを作成するメリット
人・農地プランの中心となる経営体に位置づけられると次のようなメリットがあります。
- 農業次世代人税投資事業(経営開始型)150万円/年(最長5年間)原則50歳未満で独立して農業を始める方(認定新規就農者)に対して、開始間もない時期に支給されます。
- 農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)借入当初5年間実質無利子化経営改善を図る認定農業者に対する資金調達の支援として、(株)日本政策金融公庫が融資するスーパーL資金の借入当初5年間は実質無利子になります。
- 強い農業・担い手づくり総合支援事業事業費の3/10上限融資を活用して農業用機械や施設の導入を行う場合、融資残について補助金が交付されます。
※各事業にはそれぞれ要件があります。詳しくは農政課へお問い合わせください。
人・農地プラン作成までの流れ
地域 人と農地の問題を解決したい。市へ相談・問い合わせ。
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市 地域へ人・農地プランの説明
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地域 地域の中で検討
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地域・市 人・農地プラン作成エリアの決定
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地域 アンケート調査や話合いを通じて、地域の状況を地図により把握し、中心となる経営体や農地集積方法などを話し合う。人・農地プランの原案作成。
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市 検討委員による検討会を開催。意見を集約。
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市 人・農地プランの決定
※人・農地プランの作成を検討される場合は農政課へご連絡ください。
参考
農林水産省ホームページ
- 農地中間管理機構(農地集積バンク)についてはこちら
農地中間管理機構の制度や実績等<外部リンク>
人・農地プランの見直し
「人・農地プラン」は毎年の状況変化を踏まえ、定期的に(年1回程度)見直しを行って下さい。地域の実情にあわせた「人・農地プラン」の実現に向けて取り組みましょう。
人・農地プランの公表
人・農地プラン検討会において、検討された結果、適当とされ決定した各地域の人・農地プランを、人・農地問題解決加速化支援事業実施要綱に基づき、下記のダウンロードにて公表します。
人・農地プランの実質化に向けた工程表
奈良市においても、農地利用の実態を地域全体で共有し、地域で考える意識の醸成と体制づくりを進めるため、「人・農地プランの実質化に向けた工程表」に基づき、令和2年度末までに実質化した人・農地プランの作成を目指します。
なお、工程表については、各地域の実情に応じて修正される場合がありますのでご了承ください。
ダウンロード
- 白毫寺地区 [PDFファイル/136KB]
- 帯解地区 [PDFファイル/136KB]
- 大柳生地区 [PDFファイル/204KB]
- 田原地区 [PDFファイル/164KB]
- 柳生地区 [PDFファイル/145KB]
- 月ヶ瀬地区 [PDFファイル/138KB]
- 針ヶ別所地区 [PDFファイル/146KB]
- 下深川地区 [PDFファイル/143KB]
- 都祁吐山地区 [PDFファイル/157KB]
- 針地区 [PDFファイル/143KB]
- 上深川地区 [PDFファイル/131KB]
- 奈良阪・般若寺地区 [PDFファイル/112KB]
- 都祁南之庄町北西地区 [PDFファイル/167KB]
- 北村地区については、「農業競争力強化農地整備事業の農用地利用集積促進土地改良整備計画」をもって、実質化した人・農地プランと見なしました。