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奈良らしい眺望景観は、いずれも奈良市にとって大切な眺望景観であり、保全活用に努めていくことが求められます。しかし、そのなかには、視点場・視対象・眺望空間の大半が、既に文化財保護法に基づき、史跡や名勝の区域や古都法に基づく歴史的風土特別保存地区の区域に含まれるなど、既に十分な保全施策が図られている眺望景観もあります。一方、眺望景観を阻害する建築物や工作物が建てられるおそれが高い眺望景観や、既に眺望景観が阻害されており、修復や改善に向けた取り組みを早急に進めなければならない眺望景観もみられます。また、一方では、市民が主体となって眺望景観の保全活用に取り組み、地域の資産として積極的にまちづくりに活用していくことも求められます。
そこで、優先的かつ重点的に保全活用を推進する眺望景観を「重要眺望景観」として選定し、重点的な施策展開を図っていくこととします。
計画素案では、以下の12件を重要眺望景観候補としています。
※番号は、「奈良らしい眺望景観の候補(41件)」の41事例の番号です。
視点場となる奈良町は景観形成重点地区の指定など、景観施策を展開してきた特に重要な地区である。数多くの住民活動が展開されている地区でもある。また、観光客も多く訪れ、奈良のイメージを形成する上で特に重要な地区である。
視点場となる奈良町は景観形成重点地区の指定などの景観施策を展開してきた特に重要な地区である。数多くの住民活動が展開されている地区でもある。また、観光客も多く訪れ、奈良のイメージを形成する上で特に重要な地区である。
名勝奈良公園の区域として、多くの観光客が訪れ、奈良のイメージを形成する上で特に重要な地区である。
市民や観光客など、多くの人々が集う憩いの場となるとともに、猿沢池で催される采女祭には多くの観光客が訪れ、奈良のイメージを形成する上で特に重要な地区である。奈良町内に位置しており、市民活動も活発な地区である。
視点場となるJR奈良駅前及び三条通は景観形成重点地区の指定などの景観施策を展開してきた特に重要な地区である。また、三条通は地区計画に指定されている。さらに、JR奈良駅と奈良公園等の山裾の歴史文化遺産を結ぶ奈良観光の主要な動線となり、多くの人々の目に触れ、奈良のイメージを形成する上で特に重要な地区である。
京都から奈良へ向かう主要道路上の奈良盆地の入口として、徐々に大きくなる東大寺大仏殿が象徴的に見え、奈良のイメージを形成する特に重要な眺望景観である。
鴻ノ池運動公園は市民をはじめ全国各地の多くの人々が訪れ、奈良のイメージを形成する上で重要な地区である。西安の森や若草中学校は地域住民の愛着のある空間でもある。また、西安の森は、今後の公園整備による眺望景観の活用が期待できる。
若草山をアイストップとした奈良の豊かな自然環境の広がりを望むことができる。近鉄大宮駅にも近く、視点場として整備を行うことにより、より多くの人々が訪れる場となることが期待できる。
昭和46年にも重要な眺望景観として提言され、現在の高度規制の根拠となった眺望景観である。都市計画マスタープランにも遠望景観として位置づけられている。また、NPO法人による活動もみられる。今後史跡整備が進められるなかで、眺望景観の視点を取り入れていくことが重要となる。
昭和46年にも重要な眺望景観として提言され、現在の高度規制の根拠となった眺望景観である。都市計画マスタープランにも遠望景観として位置づけられている。また、これまでも様々な調査を実施するなど、奈良市の施策のなかでも特に重要な地区としてきた。周囲の集落も良好な町並みが残され、市民が主体となり、眺望景観と周辺環境を一体としたまちづくりに取り組むことにより地域の総合的な魅力の向上が期待される。
西の京地区では、これまでも様々な調査を実施するなど、奈良市の施策のなかでも特に重要な地区としてきた。周囲の集落も良好な町並みが残されており、市民が主体となり、眺望景観と周辺環境を一体としたまちづくりに取り組むことにより地域の総合的な魅力の向上が期待される。
奈良の東部エリアのなかでも特に歴史性・文化性の高い地域である。柳生の里として全国から多くの観光客が訪れる観光地でもある。古くからの集落コミュニティを活かし、地域住民が主体となり、観光や生業を活かしたまちづくりのなかで眺望景観の保全活用が期待できる。