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Drupal関連企業インタビュー SCSK株式会社

ページID:0260382 更新日:2026年4月9日更新 印刷ページ表示

大手SIerはなぜDrupalを選ぶのか?SCSKに聞くCX戦略の核心

長年Web領域で企業のビジネスを支援してきた大手SIer、SCSK株式会社<外部リンク>。同社は顧客体験(CX)を重視し、オープンソースCMS「Drupal」を主力ソリューションの一つとして展開しています。

数あるCMSの中からなぜDrupalを選び続けるのか。サービス開発第一部の古和田氏、田中氏に伺うと、「作って終わり」ではない、長期的な顧客伴走を可能にするための戦略的な理由が見えてきました。

SCSK

顧客体験を支えるSCSKの事業とDrupalとの出会い

──まず、お二方が所属されているセクションの事業概要について教えてください。

我々はカスタマーエクスペリエンスの領域において企業を支援するビジネスを展開している部署で、Webサイトの構築からスタートしました。

Webサイトは他の業務システムと違い、作り上げたところで終わりではなく、我々が支援している顧客のさらにその先にいる顧客とのコミュニケーションをどう育てていくかが重要になります。そのため、構築だけでなく、運用支援やマーケティングツールの導入、アクセス分析に基づく改善提案までを行いながら、デジタル上のチャネルをトータルで支援するビジネスへと領域を広げてきました。

 

──その中で、Drupalを主力として使うようになったのはどのような経緯だったのでしょうか?

これまで、その時代に合わせて競争力のあるCMSを扱ってきました。そうした中で、今はDrupalがマーケットでの評価も高く、使いやすいという結論に行きつき、現在はDrupalが主力になっています。我々ベンダーがお客様に役立ててもらう上で、機能面や拡張性、将来性、運用のしやすさなど総合的に見ても非常に提案しやすいソリューションだと感じています。

 

​なぜDrupalなのか?エンタープライズ領域で選ばれる理由

──「マーケットでの評価が高く、提案しやすい」とのことですが、Drupalならではの強みを詳しくお聞かせいただけますか?

我々が最も多く提案しているのが、Drupal創始者のDries氏がいるAcquia(アクイア)社のクラウドサービスです。エンタープライズレベルでDrupalを利用するために必要なインフラ環境から運用、サポートまで含めて提供されている、いわばDrupalに最適化されたベストプラクティスなんですよね。そういった点が顧客にとって使いやすいのだと思っています。

アプリケーションとしてのDrupalに目を向けると、オープンソースとしてこれからも進化していくだろうなという安心感も強みですね。

今後もこういったところが改善されるだろうとか、成長するのだろう、という安心感はほかのCMSで必ずしも保証されているわけではないのです。

特に、商用のパッケージ製品は、提供元の企業の経営状況に将来が左右されることがあります。過去に私たちが扱っていたCMSでも、開発会社が買収された後、開発が停滞してしまった経験があります。また、技術をリードしていたボードメンバーが抜けたことで機能改善が停滞してしまう例も見てきました。

その点、Drupalには会社の経営によらないコミュニティがあり、いろんな企業の人が一緒に開発をしています。この「一企業の意向に左右されず、今後もアップデートが続いていく」というオープンソースだからこその安心感が、主力として使い続ける上で非常に重要です。

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──エンタープライズ領域で提案する際、どのような製品と比較検討されることが多いですか?

エンタープライズ領域では、クリエイティブ領域から発展してきたデザイン性に強みを持つ商用CMSと比較されることが多いです。一方で、Drupalは権限管理や情報統制、複雑な要件への対応といった、いわば裏側の部分までしっかり対応できる安定性を強みとして提案しています。

 

──小規模サイト向けのCMSから、Drupalへの移行を検討されるお客様もいらっしゃいますか?

はい。これまで個人のサイトでも使われるようなCMSを利用されていたお客様からご相談をいただくケースも多いです。企業規模が大きくなるにつれてサイトが増え、情報統制が効かないといった課題に直面していることが背景にあります。そうした状況に対して、複数サイトを一元的に管理でき、IT的なガバナンスを効かせやすいプラットフォームとしてDrupalを提案しています。

 

大規模から小規模まで。Drupalの柔軟な活用事例

──Drupalというと、大規模で複雑な案件のイメージが先行しがちですが、より幅広いニーズに対応できる柔軟性もあるようですね。具体的な事例があれば教えていただけますか?

確かに、大規模なサイトを構築するポテンシャルも高いのですが、実は、カバー範囲が広いのも魅力です。

例えば、我々の事例として、研究結果を公表するためのサイトもあります。デジタルマーケティングを行うような大がかりなものではありませんが、Acquiaのプラットフォームを活用いただいています。

 

──今後Drupalはどのように展開されていくと思われますか。

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DrupalConNARAでのDries氏の講演の中でも、エンタープライズ向けのハードルが高いCMSだけでなく、簡単に使えるCMSとしてすそ野を広げていきたいという方向性が示されていました。DrupalConNARAで発表されたDrupalCanvasも、エンジニアではなくデザイナーなどが使えるCMSとして提供していきたいとのことでした。

そういった話を踏まえて、規模に関わらずご提案しやすいCMSだと思っています。大規模な基盤として導入したいお客様であれば、運用も含めてフルスペックでご提案しますし、逆に予算を抑えてスモールスタートしたいお客様には、ホスティングサービスなしでの導入も可能です。お客様の状況に合わせて最適な提案ができる点は、我々にとっても大きなメリットです。

コミュニティと共に創る未来

──DrupalConNARAを機に、コミュニティとの関わり方も変化したと伺いました。具体的にどのような変化があったのでしょうか?

はい。正直なところ、これまではコミュニティにはあまり積極的に関われていませんでした。ただ、Drupalが自分たちのビジネスの主力になってきたことで、「コミュニティの力をもっと活用できれば、自分たちにとっても、よりよい環境が作れるのではないか」という思いはありました。

そんな中、昨年11月に奈良で日本初のDrupalConが開催されたことを機に、コミュニティに関わり始めるようになりました。今年6月に開催予定のDrupalCamp Tokyo 2026では、会場提供なども行う予定です。

 

──最後に、今後の展望についてメッセージをお願いします。

今後は、Drupalコミュニティに積極的に関わっていきたいと考えています。まだコミュニティ活動の経験は浅いのですが、これまでコミュニティを支えてこられた方々に運営のノウハウや取組みも教えていただきながら、関わりを広げているところです。DrupalCamp Tokyo 2026での会場提供も、その取り組みの一つです。

こうした活動の背景には、「SCSKでDrupalを扱っている」ということをより多くの方に知ってもらいたいという思いもあります。日本のDrupalコミュニティの発展に貢献しながら、SCSKグループの知名度向上にもつながっていくと嬉しいですね。

今後、日本でDrupalを使う人や関わる人が増え、裾野が広がっていくことを期待しています。

 

<編集後記>

今回の取材では、Drupalを単なる「便利なツール」としてではなく、顧客のビジネス成長を長期的に支えるための「戦略的なパートナー」として捉えていることが強く伝わってきました。

特定の営利企業に依存しないコミュニティの力を信頼し、自らもその一員として貢献しようとする姿勢は、同社が目指す「顧客伴走型」の支援そのものを体現しているように感じられました。今後、大手SIerである同社がコミュニティ活動に本格的に参加することで、日本のDrupal市場の活性化にもつながりそうです。

 

取材日:令和8年1月
​取材/撮影:企業立地コンシェルジュ

 

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