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インタビュー(ジェネロ株式会社 奈良オフィス長 萬田 美緒さん)

ページID:[[open_page_id]] 更新日:2024年4月4日更新 印刷ページ表示

新たなDX人材の発掘地、古都奈良に集まる期待

2023年末に、奈良市に新たなサテライトオフィスを開設したIT企業、ジェネロ株式会社。そのオフィス長である萬田美緒さんに、地域社会とともに成長する企業の姿勢、新しい働き方への挑戦、そして奈良ならではの人材採用戦略について、熱い思いを語っていただきました。

ジェネロ株式会社 萬田様

<プロフィール>

 ジェネロ株式会社​
奈良オフィス長 萬田 美緒(まんだ みお)さん

奈良市出身。高校卒業後、アメリカの大学に入学。現地の就職セミナーでジェネロ株式会社の採用に応募し就職。現在は奈良オフィスの代表として、新しい働き方と地域社会との共生をテーマに、地域密着型のビジネスモデルの構築に情熱を注いでいる。

 

奈良は新旧が交じり合う場所。さまざまな業界の方との交流も​

―――東京やインドを拠点にシステム開発、運用、DXまで、グローバルに事業を展開されていますが、国内第二の拠点として、奈良市にオフィスを設立するに至った経緯を教えてください。

ジェネロ株式会社 萬田様萬田さん:

奈良オフィスの設立計画は、「自然災害などのリスクを考えると、東京だけでなく別の場所にも拠点を持つべきだ」という弊社社長の考えから始まりました。私自身、奈良市出身であり、その魅力を知っていたため、奈良のことを話すうちに、社長もこの地の可能性に注目してくれました。

 

―――奈良市でのオフィス設立はトントン拍子に進んだとうかがっています。

​萬田さん:

その通りです。私たちは最初、近鉄奈良駅近くのBONCHIという創業支援施設のコワーキングスペースを利用していたのですが、そこでBONCHIの代表である中島さんに、奈良市での人材確保や今後の事業展開について相談に乗っていただきました。また、奈良女子大学工学部の教授や奈良市役所の企業誘致担当部署との出会いがあり、皆様のサポートがあって、私たちのネットワークが一気に広がりました。実際、奈良市との立地協定もスムーズに結ぶことができ、YAMATO BASEという場所にオフィスを構えることになりました。奈良は新旧が交じり合う場所で、さまざまな業界の方との交流も盛んです。地元企業と何かをともにする上で、これほど良い場所はないと感じます。

 

リアルオフィスがあることで、情報や人脈も集約できる​

―――非常に迅速な決断と行動でしたね。では、実際にオフィスを開設してからの生活はどのように変わりましたか?

YAMATOBASEのコワーキングスペース

萬田さん:

私は入社以来、フルリモートでの勤務がほとんどでしたが、オフィスができてからは、スタッフと直接顔を合わせて仕事をする機会が増えました。そんな中で、対面でないと伝えられないことがあるんだと実感しています。人と直接触れ合うことで、新たなアイデアも生まれますし、やはりリアルオフィスがあることでさまざまな情報や人脈も集約できて、働き方にも良い影響を与えていると感じています。

 

―――奈良での新しい働き方について、他都市と比較して特に感じる違いはありますか?

萬田さん:

東京と比べると、奈良はゆったりとしていて、落ち着いて仕事ができる環境ですね。また、ご自身の仕事にこだわりを持った多才な方々と知り合うこともできます。たとえば、コワーキングスペースやYAMATO BASEに集う人々は、個人で活動している方が多いのですが、芸術系やデザイン系、もの作りなどのクリエイティブな仕事をしている人もいて、奈良ならではの出会いがあります。

 

人材採用は、地元のポテンシャルを生かすよう心がけて

―――奈良オフィスでは、2023年末の開設と同時に採用活動も積極的に進めているそうですが、奈良市の人材についてどのような印象をお持ちですか。

萬田さん:

奈良市での人材採用は、私たちにとって大きな挑戦です。ここをデジタルマーケティングやカスタマーサービスの拠点として位置づけ、地元のポテンシャルを生かした採用を心がけています。奈良市の教育水準の高さや、地域に根差したライフスタイルに目を向け、特に主婦やワーキングマザーを採用のターゲットとしています。実際に、奈良市のハローワークが主催する「マザー就職説明会」にも参加しました。ここでは地元で働きたいと思う人たちと直接話をすることができ、採用の大きな窓口となっています。また、フルリモート勤務の導入により、仕事と家庭のバランスを重視する人々にも柔軟に対応できるようにしています。

 

―――奈良市に新しく進出した企業として、人材採用における課題はありますか?

ジェネロ株式会社 萬田様

萬田さん:

即戦力だと感じる方も大変多いのですが、しばらく仕事から離れていたという主婦の方などはITスキルの面でやや課題を感じています。私たちはIT企業なので、パソコン作業に抵抗がないことが前提ですが、中にはその壁を感じる方もいます。私たちは、そのような方々に対しても丁寧な研修を行い、業務を単純化することで、誰もが働きやすい環境を目指しています。私たちはこの奈良オフィスを通じて、デジタルマーケティングやカスタマーサービスの拠点を確立し、将来的にはエンジニアの育成にも力を入れたいと考えていますので、奈良女子大学をはじめとして地元の教育機関との連携も視野に入れ、地域社会とともに成長していけたらいいなと思っています。

 

奈良市で働くことで、新たな気づきや学びがあった

―――萬田さんご自身のキャリアにとって、この奈良オフィスはどのような意味を持っていますか?

萬田さん:

オフィス長としては多くの課題や難しい判断が伴いますが、非常にやりがいのあるものです。奈良市で働くことで、多様なバックグラウンドを持つ人々と出会い、新たな気づきや学びがあります。これは私にとっても、IT事業のプロフェッショナルとして成長する大きな機会です。奈良市での事業展開を通じて、地域社会に貢献し、新しい働き方を提案できることに大きな魅力を感じています。

 

新しい働き方のモデルを、奈良から国内外に提案していきたい

―――奈良市での事業は、地域の魅力を再発見し、地域社会とともに成長していく素晴らしい機会を提供してくれているようですね。

萬田さん:

まさにその通りです。奈良市は豊かな歴史と文化を有する地であり、その環境の中で働くことは私たちにとっても刺激になっています。地域との連携を深め、ここでしかできない事業を展開していくことが私たちの目標です。奈良から新しい働き方のモデルを日本全国、さらには世界に向けて提案していきたいと思います。そして将来的には、奈良から世界に向けて、私たちのサービスやプロダクトを発信していくことも視野に入れています。

ジェネロ株式会社 萬田様

 

新しい拠点としての、奈良オフィスに寄せる期待

ジェネロ株式会社 奈良市 立地協定締結

↑写真左より:ジェネロ 奈良オフィス⻑ 萬⽥ 美緒氏、ジェネロ 代表取締役 ⽵内 ⼤志氏、奈良市長 仲川 げん、ジェネロ 技術本部⻑ 鈴⽊ 仁美氏​

ジェネロ株式会社代表取締役社長:竹内大志さん

東京に次ぐ拠点をもう一つ国内に設けようと考えた際に、地理的な利点を生かし、ロケーション面でも東名阪へのアクセスが容易で、また将来的にはリニアモーターカーの活用も見込める奈良に目を向けました。さらに、奈良は文化的な豊かさも魅力の一つで、私たちのグローバル展開の考え方にも合致しています。私たちの事業は、オープンソースの開発から始まり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に取り組んでいます。ただ技術を提供するだけではなく、クライアントのビジネス変革を支援することが私たちの使命です。このために、サポート力の強化は欠かせません。奈良オフィスでは、日本語でのサポートを強化し、国内外のクライアントのニーズに応えていきたいと考えています。円安の影響や、グローバル競争力の観点からも、奈良に拠点を持つことは戦略的に重要です。国内のリソースを有効に活用し、付加価値を高めることで、日本人の技術者の能力を世界に示したいと思っています。これからの人材育成や採用に向けて、地元の教育機関との連携も進めていきます。奈良でのオフィス開設は、私たちにとって新たな挑戦です。しかし、そこには確かな手応えを感じています。萬田さんをはじめとするチームメンバーとともに、地元奈良の力を結集し、グローバルな視野で事業を展開していく。これが私たちの目指す未来です。

 

ジェネロ株式会社技術本部長:鈴木仁美さん

奈良オフィスの開設にあたり、DX人材の育成とグローバルマッチングの機会に関わることになり、奈良市には未知の可能性が広がっていることを感じています。奈良市がIT人材の宝庫である理由の一つは、地域での教育環境にあります。小中学生からITスキルやプログラミングを学ぶ機会が豊富にあり、さらには起業体験など、実践的な学びの場が設けられているのです。これらの取り組みから、子供たちが柔軟な発想と技術的なスキルを身につけ、成長していく様子に大きな期待を寄せています。私の役割は、これらの若い才能を発掘し、育成していくことです。自治体からもサポートしていただきながら、奈良での人材育成と採用に向けた取り組みを進めています。奈良市に拠点を置くことの意義は大きいです。古都奈良の歴史と伝統の中にも、最先端の取り組みが息づいていることから、新旧が融合した独特の魅力を感じています。この地で、次世代のDX人材を育て、グローバルな舞台に送り出すことができれば、奈良だけでなく日本全体の競争力向上にもつながると確信しています。

 

 

<取材後記>

ご自身の地元でもある奈良市でのサテライトオフィス設立に携わった萬田さんの話からは、地域に根差した事業運営の大切さが伝わってきました。彼女の言葉一つ一つには、地域への深い愛情と、新しい働き方への期待が込められています。こうした熱い思いを持つ企業の進出により、奈良市の人材活用がさらに活発になり、企業、人、地域がともに可能性を広げていけることは、好事例として他の地域からも注目を集めるのではないでしょうか。

 

取材日:令和5年12月
取材/撮影:世界文化社

 

 

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