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企業インタビュー(株式会社誠勝 デジタルアーカイブ事業本部 営業部 東中 秀駿 さん)

ページID:[[open_page_id]] 更新日:2024年2月1日更新 印刷ページ表示

奈良市へのUターン転職で花開く、新たなキャリア

奈良市出身の東中さんは、新卒で東京のIT企業に就職し、都会の喧騒の中で社会人としてのキャリアをスタートさせました。しかし、顧客との深い関係を築くことを重視し、よりクリエイティブな提案が可能な環境を求め、故郷奈良へのUターン就職を決意。デジタルアーカイブ事業を柱とした「誠勝」で、地域の文化や歴史を未来に繋げる重要な役割を担っています。東中さんの物語は、地元での生活と仕事のバランス、そして自身のルーツに寄り添いながら、新たなキャリアパスを切り拓く姿を通して、奈良市へのUターン就職の魅力と可能性を描き出しています。

株式会社誠勝 東中さん

<プロフィール>

株式会社誠勝
デジタルアーカイブ事業本部 営業部 東中 秀駿(ひがしなか ひでとし)さん

奈良市で生まれ育ち、大学卒業後、東京で就職。誠勝への転職を機に、再び地元の奈良へ。現在は奈良支店勤務となり、日々の営業活動を通してデジタルアーカイブ事業の拡大に尽力しています。奈良と東京での生活経験から、仕事とプライベートのバランスを大切にしています。

東京での社会人経験を経て、自分らしく働くために地元・奈良へ

―――まずは、奈良市へのUターン就職に至った経緯を教えてください。

東中さん:

株式会社誠勝 東中様の写真

もともと奈良市で生まれ育ったのですが、新卒での就職を機に初めて東京へ出て、3年ほど暮らしました。はじめは他の会社に就職しましたが、もっとクライアントごとの細かいニーズに丁寧に応えたいという思いや、もっと余裕を持って仕事をしたいという思いから、現在の会社に転職するに至っています。今の職場ではクライアントに寄り添って、みんなでじっくりとそれぞれの要望に合った提案をしていこうという風土があるので、そこに惹かれて入社を決めました。入社後の研修プランが充実していたことも、とてもありがたかったですね。

 

文化や歴史に関連するニーズに応えられることが、大きなやりがい

―――職種として営業職を選ばれたのは、どのような背景からでしょうか。

東中さん:

対人コミュニケーションや新しい経験を求めて営業職を志望しました。前職は事業の効率化をサポートするIT系企業で、デジタルアーカイブの構築という今の仕事内容と親和性があったこと、転職時の面接や会社資料を通じて自治体や学校、研究機関などの古い資料を扱うことが多い点に興味を持ち、新しい世界に飛び込む感覚で入社しました。最初は東京本社で先輩について基本を学び、その後奈良支店に異動したという流れです。

 

―――入社後、会社からはどのようなミッションや目標を設定されたのでしょうか。

​東中さん:

個人として、営業としての数値目標は当然ありましたが、会社からは学術系や文化系の企業や組織に対して、まずは「誠勝」という会社の認知度を上げることをミッションとして課されました。特に関西圏での知名度を上げることが重要課題で、新規の営業活動や展示会を通じて当社を知っていただくよう努めました。営業活動を通して感じるのは、関西では他の地方と比べてデジタルアーカイブに対する関心度が高いということです。博物館や宗教法人からの問い合わせも多く、デジタルアーカイブの利用目的も関東とは少し異なります。​

東京ではどちらかというと、最終目的は社員が閲覧できたり情報を共有しやすくしたりすること、また保管場所を空けて社内のスペースを有効活用するという点にあり、デジタル化に際してそこまで高い品質を求められないことが多いと感じます。十分に読める解像度であれば、できるだけファイルサイズを抑えて膨大な資料を処理してほしい、あるいは金額を抑えてほしい、短い時間で仕上げてほしいといった効率優先での依頼が多いですね。一方、関西圏の学術や文化の分野では、デジタルアーカイブを構築した後の使用目的が一般公開であったり、現状の対象物をこれ以上劣化させないように保存するという目的での依頼になるので、高解像度で品質の高いデータを作成したり、再度印刷するための印刷用データとして作ってほしいというご要望をいただきます。それにより営業時の説明内容や作業計画の立て方も変わってくるので、地域ごとのニーズに合わせて随時調整しています。

 

―――奈良での営業活動で、手応えを感じたのはどのようなことでしょうか。

東中さん:

実際に奈良を代表するような寺社仏閣や博物館などの文化施設からもデジタルアーカイブに対する関心を寄せていただいていますね。地元に戻り、文化や歴史に関連するニーズに応えることが、自分にとっては非常にやりがいがあり、良い経験になっています。

 

業界を牽引できる企業になれるよう、日々情熱を持って

―――奈良支店では、実際どのように営業活動をされているのでしょうか。

東中さん:

株式会社誠勝 東中様の写真

弊社がもともと得意としているのはwebでの集客なので、ホームページ上でお問い合わせをいただいたり、ホームページを見たお客様から直接お電話いただいたりする流れが最も多いですね。ただ会社全体の事業拡大を図るには、新規のお客様に知っていただき、関心を持ってもらえそうな企業や団体にこちらから直接アプローチをかけるということが非常に重要なので、そうした働きかけを積極的に続けているところです。

 

―――法律の改正や周年、国を挙げてのイベントなどに向けて、資料やデータなどをデジタルアーカイブ化したいというニーズは増えるでしょうか。

​東中さん:

2023年4月1日に「改正博物館法」が施行され、博物館資料のデジタルアーカイブ化について新たに言及されたことを受け、それに合わせてというのが一番大きいニーズです。この他にも周年に合わせて昔の資料などを電子化したいとか、最近では、2025年に開催予定の大阪万博に関連して、前回の大阪万博(1970年)に出展や協賛をした企業から、ホームページ上で以前の万博の実績を公開したい、との相談が寄せられました。そういったお問い合わせは今後さらに増えるのではないかと期待しています。

コロナ禍の間は、一時的にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング=業務プロセスの一部を専門業者に一括して委託すること)分野で売り上げを作っているところはありましたが、ここ数年でデジタルアーカイブ事業が業績を伸ばしています。広報活動にも力を入れていて、デジタルアーカイブと言ったら「誠勝」だよね、と言っていただけるような、業界を牽引できる企業になれるよう準備をしていきたいです。

 

公私両面で、自分のペースで自由度の高い暮らしができる奈良

―――東京で暮らしていた時と現在の奈良での暮らしを比べて、違いを感じる点や戻ってきて良かったと思う点はどのようなところでしょうか。

株式会社誠勝 東中様の写真

東中さん:

地域の人々とのふれあいや自然豊かな風景など、やはり奈良は住み心地が良いと感じます。大都市と比べて仕事とプライベートのバランスも取りやすいですし、自分のペースで自由度の高い生活ができますね。人口が多い東京では多くの人が窮屈さを感じると思いますが、奈良ではそうしたストレスが少ないです。私はゆっくり時間が流れる奈良の土地柄が好きですね。友人に会うため年に数回東京に遊びに行くこともあり、それはそれでとても楽しいのですが、東京で毎日暮らすのは少し厳しいかな、と感じます。暮らしやすさでは断然奈良のほうが良いと、私は思います。

 

―――仕事をする場所として、奈良はいかがでしょうか。企業への行政の関わり方も含めて印象をお聞かせください。

東中さん:

株式会社誠勝 東中様の写真

セカンドオフィスの進出を考えている企業にとっては、これだけしっかりと支援してもらえる奈良市の企業誘致への取り組みは、間違いなく有益であり、心強く感じると思います。当社もこのオフィスを借りる際に奈良市に相談したら、「それであれば、こういう場所があります」と、迅速に、希望に沿ったオフィス物件の情報を提供していただきました。何か困ったことや事業に関するアイデアが浮かんだ際に、すぐに丁寧に話を聞いてくれる体制が奈良市には整っていると感じます。

東京で働くことのメリットは、例えば本社で働くことで出世の機会に恵まれる可能性があったり、いろんな会社が近くにあるので多くの経験を得られたりするなど、いろいろ考えられます。一方で働くことに限って考えると、奈良には不必要なプレッシャーがないですね。責任ある仕事や緊張感のある商談など、日々そうしたプレッシャーはもちろん必要なのですが、仕事以外の部分での人混みや気疲れが少なく、ストレスがたまりにくいです。働く場所としてはとても良い環境なのではないでしょうか。

 

―――心身のコンディションにも影響がありますか。

​東中さん:

そうですね。実際、私は奈良に戻ってから体調を崩すことが少なくなりました。大都市で働くことで心身の不調を感じている方には、自分の生まれ育った町や、都心を離れて落ち着いた雰囲気の都市に移るというのもいいかもしれませんね。職種によりますが、いまはどこに行ってもパソコンがあれば成立する仕事も多いです。実際、私も奈良に戻ってきてから、関西圏のお客様ばかりではなく、九州や北海道のお客様とも不便を感じることなくお取引させていただいています。この先の未来を考えた時に、必ずしも大都市にオフィスを構える必要はないのかもしれません。

 

<取材後記>

東中さんのお話からは、故郷奈良への深い愛と、現在の職場での充実感が伝わってきました。デジタルアーカイブという未来志向の仕事を通して、文化や歴史を保存し、発信するというミッションは、地元に根ざしたビジネスの新たな可能性を示しています。都会の喧騒から離れ、心地よい環境で自分のペースを保ちながら紡ぐ東中さんの今後のキャリアに、期待が膨らみます。

取材日:令和5年11月
​取材/撮影:世界文化社

 

 

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