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企業インタビュー(パーソルテンプスタッフ株式会社 第一キャリア推進本部 本部長 安藤 達也 さん)

ページID:[[open_page_id]] 更新日:2023年12月18日更新 印刷ページ表示

奈良市を❝良い経済循環❞が生まれる場所に

総合人材サービスのパーソルグループの中で、主に人材派遣・アウトソーシング事業などを担うパーソルテンプスタッフ株式会社(本社:東京都渋谷区)。2022年1月に奈良市と、地域経済振興と雇用創出を目的とした立地協定を結びました。これに基づき同年4月に求人情報と登録スタッフとのマッチング業務を行う「奈良ジョブコーディネートセンター」を、12月に事務処理を行う奈良オフィス「事務センター」を開設。一連の事業拡大に伴い、奈良市や周辺地区の人材を180名採用しました。その狙いと今後の展望を、プロジェクトを牽引した安藤達也本部長に伺いました。

パーソルテンプスタッフ株式会社 安藤本部長

<プロフィール>

パーソルテンプスタッフ株式会社
第一キャリア推進本部 本部長 安藤 達也(あんどう たつや)さん

2005年にテンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)入社。求職者向け人材派遣サービスの責任者を務め、「奈良ジョブコーディネートセンター」の設置にあたっても奈良市との交渉窓口として尽力した。

 

奈良には、拠点を置くための重要な要素がすべて揃っていました

―――地方に拠点を作るというのは、会社としてもかなり大きな投資でありチャレンジだと思いますが、奈良市を選ばれた理由をお聞かせください。

安藤さん:

パーソルテンプスタッフ株式 安藤様の写真

市場のニーズに合わせた事業拡大の一環として、北海道と福岡に次ぐサテライトオフィスを設置することになり、2020年頃から具体的な場所の検討に入りました。

奈良市を選んだ主な理由は3つあって、1つ目は、適切な人材が確保できること。これは労働人口を基準に考え、大学があり新卒採用が見込めるかどうかや、未来に向けた労働人口の見通しなどもチェックしました。また奈良市の場合は近隣に大阪や京都といった主要都市があるので、そこから通う方々も人材として見込めるという点も大きかったですね。

2つ目は、いろんな地域を視察した中で、奈良市が企業誘致に関してとても積極的だったからです。自治体としての熱意といいますか、思いがすごく伝わってきまして、最終決断に至りました。奈良市の担当部署に問い合わせをした際に、とても対応がよくきめ細やかでしたし、オフィス用の最適な物件を紹介していただくなど、企業誘致への協力体制に非常に魅力を感じました。

3つ目は、災害リスクが少ないことです。このBCPの観点はとても重要な要素で、奈良は過去を振り返っても大きな災害がなく、非常に安心・安全な地域であるということが証明されています。人材の確保、市の協力体制、BCP対策。奈良にはすべてが揃っていました。

 

奈良市を視察して、ここは人材を集まると確信

―――実際、奈良市の他にも候補地はいくつかあったのでしょうか。

安藤さん:

ええ実は、関西圏に限らず当初11の県を候補地としてリストアップしていました。その中で、各地の企業誘致の実績、補助金、サポート内容、誘致条件などを一度すべてフラットに並べて3か所に絞り込み、実際に足を運んでどういう町なのかを確認したんです。その過程で、奈良市からの情報提供が一番早く充実していて、話がスムーズに進みました。

奈良に視察に来た際に、朝7時から駅の周りを歩いて行き交う人々の様子を拝見したのですが、自転車にお子さんを乗せ、おそらく預け先に向かって一生懸命こいでいる親御さんが非常に多かったんです。そうした様子から、きっと無理して大阪や京都まで通勤されていて「地元で勤められたら楽なのに……」と感じている方も多いのだろうなということが想像でき、ここは募集すれば人材が集まる、と思いました。

 

奈良の人には、社会人としての基礎力がきちんと備わっている

―――そうした過程を経て奈良オフィスを開設されて、実際の手ごたえはいかがでしょうか。

安藤さん:

パーソルテンプスタッフ株式 安藤様の写真

開設当初の採用予定は30名だったのですが、募集をしたところ想定以上の方にご応募いただき、50名強の従業員で奈良オフィスをスタートさせました。その後段階的に採用を重ね、今は180名体制となりました。入社前に大阪や京都で就業経験を積んだ即戦力の従業員も多く、地元に働く場所が増えて喜んでくれているようです。

実感するのは、奈良の人は人柄も良く、コミュニケーションスキルや礼儀など、社会人としての基礎力がきちんと備わっているということ。古くからの日本を代表する観光地としての特性や教育的な土壌がそうさせているのか、人を育む環境が整っているということなのでしょうか。

従業員は会社の財産なので、魅力的で優秀な人材が多く集まってくれるというのは非常に強みになりますし、だからこそ、気持ち良く働いてもらえるよう、会社としてできる限りのバックアップをしたいと常に考えています。

 

奈良に進出する企業が増えれば、まちとしていい循環が生まれる

―――優秀な人材は早いうちに確保し、長く働いてもらいたいということに繋がるのでしょうか。

安藤さん:

そうですね。自社目線だけで言えばそうなのですが、ただ我々の人材ビジネスでは、いわゆるクライアント企業の活性化や、社会において人々がどれだけ多様性を持って働けるかということも合わせて考えているので、まずは当社で経験を積んでいただいて、本人がさらにやりたい仕事を見つけたのであれば転職するなど、そういう挑戦も応援しながらしっかりと“人の育成”をしていきたいと思っています。ですから奈良に良い企業がたくさん進出してきていただければ、人にも企業にも様々な選択肢が増えて、まちとしていい循環が生まれるのではないでしょうか。

 

雇用と人材の流動をとして、地域活性に貢献したい

―――御社の好事例は他の企業の後押しにもなりますし、奈良で良い経済循環が生まれれば理想的ですね。

安藤さん:

奈良市にとってももちろんいい事ですし、地域が盛り上がるとそこに住む方々にとっても良い還元が期待できると思います。同じ業種の企業が増えれば競争力が上がり、違う業種であれば何か一緒に組めるのではないかと模索できます。

当社が奈良市での好事例となっていろんな企業が進出してきてくれれば、そこにまた新しい雇用が生まれ、人材が流動し、地域活性に貢献できるのではないかと考えています。

 

他の企業や奈良市と課題をシェアしながら事業推進を

―――この先の展望はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

安藤さん:

当社も含めて人材サービス企業が集中している都市は競争が激化しているので、労働力や人材の確保は、やはり今後の非常に大きな課題です。加えて、例えば将来的にこういう企業と組んでみたいとか、行政ともっとコミュニケーションをとって新しい取り組みに挑戦したいなど、目標を立てる際の選択肢が増えると、やりたいことやできることが広がるのではないでしょうか。

現時点では働き方がどうしても通り一辺倒になりがちなので、我々も勤務体制をブラッシュアップして、地元で働きたいけれど働けていない方々にも活躍していただけるよう、他の企業や奈良市と課題をシェアしながら事業を推進していきたいです。

 

観光都市の奈良で育まれた人々の特性が、仕事にも生きている

―――実際にこのオフィスで働いている方は皆さん、とても生き生きと充実したお仕事をされているように感じますね。

安藤さん:

奈良の人は、本当に人当りが良くて温かい。人間性が豊かな方が多いという印象です。そして何事にも理解力が高い。就業前の研修においても、例えば他の地域で1割理解していただいた事が、奈良だと既に6、7割ぐらいにまで理解が進んでいる。昨年、新卒で入社した社員がいるのですが、導入研修に要した期間は非常に短かったですね。採用から研修、実務までのフェーズが非常にスムーズになっているので、育成にかかるコストや現場の労力は抑えられます。そのことは、企業にとって非常に大きいです。

さまざまなサービスを提供する職場ではマニュアル通りに仕事ができれば優秀と思われがちですが、奈良にはマニュアルを超えた臨機応変さを身につけている方が非常に多いです。人と人とで仕事を進める上でそれはとても大切な要素で、おそらく幼少期の教育や日々の暮らしの中で身についた特性なのでしょうね。

日本を代表する観光都市である奈良には、それこそ世界中からいろんな人たちがいらっしゃる。そうした方と触れ合う中で培われた度量みたいなものがあるのかもしれない。育った環境によって自然と育まれてきたものがあって、そこに仕事という経済活動が加わると、とても良い方向に物事が回るというか、土地の中で育まれたものが仕事にも生きているという印象を受けます。

 

この奈良には、さまざまなポテンシャルがある

―――これからの奈良オフィスに期待するのは、どのようなことでしょうか。

パーソルテンプスタッフ株式 安藤様の写真安藤さん:

我々には、就業の機会をいかに提供していくかと、最終的にどのように雇用を創出していくかというミッションがあります。

この奈良も含めて地方に3か所ある「ジョブコーディネートセンター」は、働きたいという方々のファーストアプローチの場所です。“会社の顔”となる場所でもあるので、電話口の声や対応で登録希望者に安心感を与えながら、個々のニーズを汲み取り、就業やキャリアアップを実現していただく、という役割を担います。ですからここで働く従業員には、今後もさらにいろんな方と対話をして、様々な業務経験を積んで、培ったスキルを相手にお返しできる存在として勤めてほしいですね。それができるポテンシャルが、この奈良にはあると感じています。

 

<取材後記>

奈良市でのサテライトオフィス設置を、自社の事業発展のみならず地域活性も視野に入れて展開しているという安藤本部長のお話は、奈良市への進出を検討している企業や人々に、大いに刺激となるものでした。行政のサポートも手厚く人材豊富な奈良市が、良い経済循環を作り出す場所であることは間違いないでしょう。

取材日:令和5年10月
​取材/撮影:世界文化社

 

 

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