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SNS相談アプリ導入などで「いじめ相談体制」を強化

更新日:2024年8月22日更新 印刷ページ表示

平成28年度の全国小中学校、高校、特別支援学校におけるいじめの認知(発生)件数は、323,143件(前年度の225,132件から約10万件の増)と、昭和60年度の調査開始以来、過去最多を記録、特に全体の約95%を占める小・中学校の児童・生徒を取り巻く大きな課題となっています。

奈良市では、平成28年度から市立小・中学校において電話やメールを活用して取り組んできたいじめ問題の相談体制をさらに強化するため、対応時間の延長や、市立の小学校への導入としては全国初となるSNS相談アプリ「STOPit(ストップイット)」を導入します。

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トピックス

  • 奈良市のいじめ認知件数は、平成28年度294件、平成29年度では549件と増加しており、さらにいじめられたときに誰にも相談していない児童・生徒が、小学生は平成29年度7.2%で前年度比1.7ポイント増、中学生は、平成29年度7.2%で前年度比2.6ポイント増となっている。
  • 平成29年度、「ストップいじめなら子どもサミット」における市立中学生約6,000人を対象としたアンケート調査では、837人の生徒がいじめの被害経験があると回答している。
  • 小学校高学年のスマートフォン所持率は約40%、中学生では約60%、またスマートフォンがなくても、インターネットが接続できるゲーム機やパソコン、タブレット端末(3DS、プレイステーション等)あればSNSアプリを利用できることから、SNS相談アプリを市立の全中学校1~3年生と全小学校5、6年生へ導入する。
  • SNSを利用できない子どもたちには、これまで実施してきた「ストップいじめならメール」を継続、平成30年7月2日からはいじめ相談電話「ストップいじめならダイヤル」の相談を24時間対応に拡充するなど、いじめ対策の全体的な強化を図る。いじめに悩む子どもたちや、周りで見ていた子どもたちがSNSを使って相談や報告できるシステムを導入する。

1 導入の背景

[1] 平成29年度に実施した「奈良市の問題行動調査」では、いじめられたときに誰にも相談していない児童生徒が昨年に比べ増加、また全国平均よりも多い結果となった。

いじめられたときに誰にも相談していない。
小学生 28年度5.5%、29年度7.2%(全国6.2%)
中学生 28年度5.8%、29年度8.4%(全国6.8%)

[2] 平成28年、29年度の電話及びメールでの本人からの相談の利用が少なく、中学生のコミュニケーションツールが電話やメールからSNSに変化している。

2 相談体制

従来の相談体制 平成28年度より開始

「ストップいじめ ならダイヤル」(平日9時~17時)
「ストップいじめ ならメール」
いじめ防止生徒指導課の相談員または指導主事が相談を受ける。

新たな相談体制

新規
「SNSアプリによる相談」

拡充
「ストップいじめ ならダイヤル」
(平成30年7月2日から、さらに平日17時~翌朝9時と、土日祝の終日24時間相談を開始)
・時間外の相談電話は、株式会社ダイヤルサービスに事業委託し、業者が任用している臨床心理士などの相談員が相談を受け、翌朝いじめ防止生徒指導課に報告書が届く。

継続
「ストップいじめ ならメール」

3 いじめ相談・通報SNSアプリ「STOPit」について

対象

市立中学校21校(1~3年生) 約8,000人
市立小学校43校(5、6年生) 約5,500人

スケジュール

[1] 事業者が作成した啓発ポスターやチラシを配付するとともに、市立中学校の生徒が、昨年度の「ストップいじめ なら子どもサミット」や「奈良市子ども会議」において、いじめで困っている友達を助けたいという強い思いから、現在、中学生がポスターやカードの図案を考案している。9月中に図案を決定し、市教委が作成配付して、子どもだけでなく保護者へも啓発する。

[2] STOPit事業者から各学校へ研修講師を派遣し、9月7日から全児童生徒を対象に学年ごとに「いじめの脱傍観者授業」を実施

取材可能

  • 谷山CEOによる脱傍観者授業の初回授業
    平成30年9月7日(金曜日)平城西中学校 午前中(詳細時間は調整中)
  • 相談体制に係る教職員向け研修
    平成30年9月7日(金曜日)午後3時30から午後5時 はぐくみセンター9階

[3] 授業の受講後、児童生徒にアクセスコードを配付し、児童生徒が各自で「STOPit」アプリをダウンロード

[4] SNSアプリは、24時間相談電話と連携し、緊急の事案や時間外には、ワンタッチで電話相談に繋げることが可能
※通信機器を持っていない児童生徒に対しては、24時間対応の「ストップいじめ ならダイヤル」を利用するよう推奨する。

[5] いじめの脱傍観者授業との連動

いじめの脱傍観者授業を市立全小中学校で実施(9月7日から順次実施、受講終了の学校から開始)

「STOPit」に接続。「アクセスコード」を児童生徒に配付

個人のスマートフォンやゲーム機に「STOPit」ダウンロードし、「アクセスコード」を入力すると、使用が可能となる。

4 期待される効果

  1. いじめの早期発見につなげることができる
  2. 子どもからの様々な相談(学習・進路、友人関係、家庭の問題、ネットトラブル、性の悩み、LGBT、自殺願望等)に対応できる
  3. 子どものコミュニケーションツールの変化に対応しているため、今後相談件数の増加が期待できる
  4. 学校と教育委員会が協力して、いじめの解決に向けて取り組むことができる
  5. 子どもたちの中での認知が高まることで、いじめの抑止効果が望める
  6. 自殺をほのめかすような投稿に対して、学校と学年が紐づけられているため、対応しやすい

5 予算額

平成30年度予算 7,926千円
内訳
SNS相談アプリ 3,780千円
24時間相談電話 4,146千円(平日17時~翌朝9時・土日祝日の終日分)

6 ストップイットジャパン株式会社について

  • 2014年8月、米国で開発
    2014年に米国で開発された「STOPit」は、現米大リーグマーリンズCEOのデレク・ジーター氏が支援を行なっている。匿名でのいじめ相談アプリや組織担当者の管理ツールなどからなるプラットフォームである。
  • 2015年10月、ストップイットジャパン「STOPit」を日本展開
    2015年10月、谷山大三郎氏が「ストップイットジャパン株式会社を立ち上げ、事業を進めた。日本では、元メジャーリーガーの松井秀喜氏が、いじめで苦しむ子どもたちを救いたいという想いに賛同し、「STOPit」のサポーターとしていじめ撲滅の取り組みに参画している。
  • 2018年2月時点で、米国で6,000校330万人が、日本では、31校1万6,000人が利用
    谷山氏は「STOPit」の使い方を説明するのではなく、「STOPit」を導入する意味と意義を理解してもらうため、「STOPit」の導入にあたっては、必ず直接教育委員会や学校に出向いて事前の説明から模擬授業、講演会を実施している。
    ストップイットジャパンのビジョンは「助けたいとき、助けてほしいとき、いつでもどこでも報告・相談できる環境をつくる」だが、谷山氏は「STOPit」が必要のない社会になることが一番嬉しいことだと考えている。

詳しくはスタンドバイ株式会社HP
URL https://standby-corp.jp<外部リンク>

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