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奈良しみんだより平成27年2月号(テキスト版)特集 春日大社第六十次式年造替(2~5ページ)

更新日:2019年11月7日更新 印刷ページ表示

春日大社第六十次式年造替

世界遺産の森と国宝のご社殿~今日あることへの感謝を伝える、式年造替~

今年から2年にわたって春日大社では、20年に一度の壮大な祭典「式年造替」が執り行われます。
式年造替とは、社殿を造り替える一大事業で、今回は、平成19年からすでに準備が始められており、27年から28年にかけて古から伝わる一連の儀式が執り行われます。
伊勢神宮では平成25年に、20年に一度の「遷宮」が執り行われ、国内外からの多くの観光客で賑わい、日本古来の神事や伝統文化に注目が集まりました。
伊勢神宮の「遷宮」と春日大社の「造替」との大きな違いは、遷宮が本殿の位置を変えて新しいお宮にお遷りになるのに対し、造替は本殿の位置を変えることなく造り替えが行われることにあります。
春日大社の式年造替が1200年以上の永きにわたり、途切れることなく続いていることは、大きな誇りでもあります。

春日大社

奈良に都があった頃、平城京鎮護のため創建された神社。御本社四柱の神様のうち第一殿の武甕槌命様が白鹿に乗ってこられたとの言い伝えから、鹿は神の使いとされています。平成10年12月には、ユネスコの世界遺産に登録されました。

式年造替に係る主な儀式

平成27年から28年にかけて御造替で執り行われる主な儀式です。

平成27年

  • 3月1日木作始式(こづくりはじめしき)
  • 3月25日移殿御装束並清祓之儀(うつしどのごしょうぞくならびにきよはらえのぎ)
  • 3月26日六面神鏡奉遷之儀(ろくめんしんきょうほうせんのぎ)
  • 3月27日仮殿遷座祭(かりでんせんざさい)
  • 3月28日御慶之舞楽(ぎょけいのぶがく)

平成28年

  • 10月28日立柱上棟祭(りっちゅうじょうとうさい)
  • 11月1日立榊式(たてさかきしき)
  • 11月3日神宝検知之儀(じんぽうけんちのぎ、御殿奉磨之儀(ごてんほうまのぎ)
  • 11月4日御神宝清祓之儀(ごじんぽうきよはらえのぎ)、殿内御錺之儀(でんないおかざりのぎ)、六面神鏡奉下之儀(ろくめんしんきょうほうげのぎ)
  • 11月5日御殿清祓之儀(ごてんきよはらえのぎ)、具足洗・薫(ぐそくあらい・くん)
  • 11月6日本殿遷座祭(ほんでんせんざさい)
  • 11月7日奉幣祭(ほうべいさい)、後宴之舞楽(ごえんのぶがく)
  • 11月8日奉祝祭(ほうしゅくさい)

平成27年

  • 木作始式 御造替の事始の儀式※参列には事前申し込みが必要
  • 仮殿遷座祭 御本殿より御神体が御仮殿にお遷りになる※秘儀のため非公開
  • 御慶之舞楽 奉祝の舞楽が古式により行われる※参列には事前申し込みが必要

国宝
御本殿特別公開

  • いつ 平成27年4月1日(水曜日)~5月31日(日曜日)午前8時半~午後4時45分
  • 拝観料 1,000円
  • 内容 通常、非公開の国宝本殿を間近に拝観でき、さらに、御本殿の御仮殿である移殿へも参拝できます。20年に一度のこの機会に、是非拝観されてはいかがでしょうか。
    ※神事等により拝観できない場合があります。

平成28年

  • 立柱上棟祭 鎌倉時代より伝承された御本殿の完成を祝う儀式
  • 本殿遷座祭 天皇陛下のお使いを迎え、御神体が御本殿にお還りになる。※秘儀のため非公開
  • 奉幣祭 天皇陛下よりの御幣物(お供え)が奉献される。
  • 奉祝祭 数日にわたる奉祝のお祭※参列には事前申し込みが必要

【申込等の問合せ】春日大社第六十次式年造替記念奉祝行事実行委員会 電話番号:0742-93-9460

御造替の歴史

春日大社の千二百年もの歴史の中には、数多くの困難な時期もありました。

第一次 神護景雲四年(770年)奈良時代

春日大社の所在地であった大和国添上郡の上貢により造替が始まり、第十三回の承暦年間からは、造営料国と造国司が定められ、一国(丹後国・相模国等)の上納が造替の財源として充てられました。

第二十次 治承二年(1178年)平安時代

このころ造替事業が最も大きな規模で盛大に行われていました。社頭の回廊・諸門が改められ、春日大社の境内がほぼ現在の形になったのもこの頃です。御神宝も充実していたと記録されています。

第三十九次 天正十四年(1586年)戦国時代

伊勢神宮でさえも遷宮の中断を余儀なくされたこの時代に、春日大社でも第三十七~四十次の造替では、それぞれの間隔が、25年~33年と大きく開いたものの、筒井順慶、豊臣秀吉、徳川家康など多くの武将も崇敬を寄せ、造替は遂行されました。

第五十四次 明治十六年(1883年)

明治維新で、社家制度の廃止をはじめ寺社に関わる国の制度が大きく変わりました。これにより、財政面や祭祀面において厳しい状況の中で第五十六次まで遂行されました。

※社家:代々特定神社の神職を世襲してきた家。明治四年に全国の神職の世襲が廃止された

第五十七次 昭和三十年(1955年)

終戦の占領下において、神社が国家管理下から外され、財政面での影響を大きく受けることとなりました。これにより、伊勢神宮と同じく5年遅れての遂行となりました。

第五十九次 平成七年(1995年)

明治維新以降奉仕が困難であった儀式について、平安時代以来の古記録他を考証し、およそ140年ぶりに原点に戻った諸の儀式が厳修されました。

式年造替の流れ

前回の第五十九次造替は事前の準備期間を経て平成三年から十八年にかけて行われました。御本殿四棟ほか十五棟の社殿や境内六十に及ぶ神社の保存修理、参道や社叢といった史跡の整備、調度品の調製などを含め、平成七年の本殿遷座祭を中心に様々な祭典儀式が続きました。
今回の第六十次造替は平成十九年の一之鳥居の着工から、車舎、直会殿、着到殿、細殿・神楽殿・拝舎、竈殿・酒殿・板倉、幣殿・移殿・捻廊、中門・御廊の順に、各年度工事が行われています。今年三月に神様が移殿にお遷りになってから来年の十一月にお還りになるまでの間に御本殿、二十八年度に宝庫の工事が行われる予定です(御本殿は国宝、以外の殿舎は重要文化財)。二十年に一度の造替ではありますが、建物が多く、ほぼ毎年どこかの殿舎の工事が行われます。
このようにして造替がなされた社殿は、ゆかりの地域に譲渡される事があり、市内では阪原町の長尾神社、大柳生の立磐神社(以上重要文化財)、高畑町の鏡神社、八島町の島田神社(以上奈良市指定文化財)等では御本社、西紀寺町の崇道天皇社(重要文化財)では若宮神社の旧社殿が活用されています。
また秋篠町の八所御霊神社には春日大社境内の三十八所神社の旧社殿が奈良県指定文化財として保存されており、ほかにも数多くの旧社殿が奈良市内外に残っています。
また毎次の造替に併せて奉祝の行事も盛んに行われ、古いものでは昭和五年の第五十六次造替に多くの市民が参加されている賑やかな映像も残されています。

千鳥祐兼(春日大社権禰宜)

式年造替の見どころ

春日大社では普段から多くの祭典が行われ、年間で二千三百回を上回ります。その中で最も大事なお祭りが二十年に一度の式年造替です。
御本殿ほかの殿舎を美しくととのえ、大切な御神宝や調度類、お祭りの道具等を新しくする中で私達が神様の有難さをあらためて感じ次の世代に伝え継いで行く節目の年です。
神様がお遷りになる仮殿遷座祭や本殿遷座祭など参列できない祭典も多いですが、少しでも多くの方々と造替を祝い、体験が出来るよう御本殿の特別公開(三ページ参照)等も行います。通常非公開の御本殿を間近に拝観したり、移殿での参拝はこの期間しかできません。
また綺麗になった社殿や工事風景の移り変わりを見るのも面白いかもしれません。

他の神社の遷宮との違い

仮殿に使われる移殿が常設されている例はあまりありません。そしておよそ鎌倉時代から確立された式年制度の間隔が最も開いても三十三年と言う事は難しい事です。都から程よい距離にあった為に戦火に巻き込まれず造替を続ける事が出来ました。
古い文書や御神宝も良い状態で多数うけつがれており、厳かな儀式の記録や日本の美の真髄が保たれていると言えます。
この時期にしか触れる事の出来ない春日大社へ是非お越しください。

春日大社の年中行事の中には、御造替以外にも永く途切れることなく続いている行事があります。長い歴史の中で継続するにはとても厳しい時代があったにもかかわらず、今ここに昔と変わらない姿で伝統を受け継いでいます。

  • 春日祭
    国家の安泰と国民の繁栄を祈り1166年間行われている。勅使参向のもと行われる例大祭。京都葵祭、石清水祭ともに日本三大勅祭のひとつ
  • おん祭
    若宮神社の例祭として880年間行われている。この祭で行われる奉納芸能は、昭和54年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。
  • 旬祭
    毎月1・11・21日と1の付く日に行われ、900年間行われている。毎月21日は一般の人も参列できる。

江戸時代に春日大社の式年造替事業を独占的に担っていた集団「春日座大工」の一員であった木奥家(奈良市)に、当時の大工道具と式年造替に関する資料が数多く残されています。
大和の大工がその高い技術力で活躍していた当時をしのばせる貴重な資料であるとともに、その建築技術を知る上でも高い価値があります

【問合せ】観光振興課 電話番号:0742-34-5135

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