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奈良しみんだより平成26年9月号(テキスト版)特集「奈良を元気にする!起業支援から地域経済の活性化を」(2~4ページ)

更新日:2019年11月7日更新 印刷ページ表示

奈良が都として華やいでいた時代ー海外の文化を取り入れ色彩やかな天平文化をつくり、現在の国の仕組みの礎を築く等、当時の奈良はチャレンジと活力にあふれるまちでした。しかし、現在は他の地方都市同様、若者の流出が深刻な問題となっています。一方で、仕事さえあれば奈良に留まりたいと考える地元志向の若者も増えてきています。
起業は雇用を生み、若者の転出抑制・転入促進と地域経済の活性化を図れます。1300年もの間守り続けてきた多くの観光資源や「奈良」というブランド力、起業に「チャレンジ」する場所としての強みが奈良市には数多くあります。
今月号では奈良市にゆかりのある二人の起業家に奈良市の可能性について伺いました。

株式会社中川政七商店 代表取締役社長 中川 淳

奈良市出身。京都大学法学部卒業後、富士通株式会社勤務を経て株式会社中川政七商店に入社。2003年に「粋更kisara」をはじめ、2008年に13代社長に就任後も、数々の新ブランドを立ち上げる。現在は、コンサルタントとして他の工芸メーカーの再生も手がける

起業において重要なことは何ですかー

大義や覚悟はあるのか

起業のための資金集めで銀行からお金を借りられない時、迷惑をかけたくないからと、親族からはお金を借りたくないという話はよく聞きます。ですが、迷惑をかけられないと思う程度の覚悟なら、そもそも起業はしないほうがいいと思います。自分で事業計画をしっかり立てれば、銀行だって少額であっても融資してくれる、行政の支援もある。自分の事業プランを成功に近づけていく、「絶対に成功させるんだ」という覚悟。徹底的に考え抜けば、その覚悟ができます。
うまくいかないこと、不安に思うことも、たくさんあります。でも、じゃあ次にどうリカバリーするかを考えればいいと思うんです。勝つまでやる。考え抜けば、迷いや不安はなくなります。描かないと未来はやってきません。今描ける一番上の未来でありビジョンであり大義を描いて信じて進むこと、正しいことをやっていれば誰かが必ず共感し協力してくれます。正直者は馬鹿を見ません。

起業の魅力は何ですかー

商売は楽しい

会社の中でも、僕は誰よりも仕事が楽しいと思ってやっていると思います。やれること、決められることが増えると楽しくなります。楽しく仕事をする手段として起業はいいと思うし、大変さと同じだけの楽しさがあります。しんどいだけなら辞めています。「自分は社長にはなれない」「次元が違う」と思う人もいるかもしれません。今、僕自身がカリスマ的存在と呼ばれることもありますが、今思われているカリスマは、持って生まれたスキルや素質ではなく、実績なんだと思います。
中川政七商店に入社した時に、自分は父親(先代社長)のような引っ張っていくタイプじゃないし、その要素もない、ロジカルにやらなきゃと思ってここまできました。決算書の見方等、財務・経営についても独学で学び、やってきたことが付いていって初めてカリスマになるんじゃないかと思います。

コンサルタント事業にも携わっている理由はー

モチベーションは「使命感」

入社3年ぐらいまでは、会社を大きくすることなのか給料を上げることなのか、何のために今の仕事をするのか迷いがありました。
今では、「日本の工芸を元気にする!」―この大きな使命感を背負うことがモチベーションになっています。この掲げた目標は自分の代だけでは達成できません。経営者の視点から、中小企業のコンサル業もしていますが、正直、責任のある精神面でも大変な仕事です。しかし、彼らを元気にすれば自分のいる工芸の世界を助けることになります。逆に言えば、自分の会社が儲かれば日本の工芸が元気になるとも思います。やり続ける価値や企業の社会的責任の果たし方を見出すことができました。

起業という視点から奈良はどんなまちですかー

奈良は起業チャンスの多いまち

客観的に見て、奈良には多くの世界遺産等ポテンシャルはあるのに、ホテルの数は少ないというようなギャップがあります。このギャップをまだまだ活かす手はあると思います。観光業だけなく、そのギャップを掘っていけば、起業のヒントは転がっているはずです。

シンクタンク・ソフィアバンク 代表 藤沢 久美

奈良県出身。大学卒業後、国内外の投資運用会社に勤務。1996年に日本初の投資信託評価会社を起業。2000年にシンクタンク・ソフィアバンクの設立に参画。2013年、代表に就任。2005年より、法政大学ビジネススクール客員教授も兼務

起業する地として奈良をどう思いますかー

「起業」アイデアの宝庫

奈良での起業アイデアは、数えきれないほどあると思います。観光一つとっても、外国人のための多言語対応の整備も整っていませんし、街並みや景観も整っていません。観光客をお迎えする食事もありますが、その情報もなかなか手に入りませんし、奈良の観光情報を海外だけでなく、国内の人にも伝え切れていません。
奈良にしかないもの、奈良に暮らしていて不便に思うもの、奈良からいったん離れて奈良を見た時に改善したいと思うもの、そんな視点を持てば、いくつでも奈良にふさわしい起業アイデアが生まれてきます。

起業に必要なことは何ですかー

なんと言われても自分はやりたいという気持ち

とにかく、起業したいならば、起業を実践することです。人のためになる事業であれば、さまざまな人が助けてくれるはずです。誰も助けてくれなければ、その事業が独りよがりのものであったということでもあります。
まずは動いてみること。考えているだけでは、時が過ぎていくだけで、その機会は消えていきます。「誰になんと言われても、自分はやりたい」という気持ちを持っているかどうかです。
また、経理や総務を担ってくれるプロの支援や知識、上場を実現したような起業家の先輩からの事業アドバイスが起業には必要だと思います。起業当初は、事業ありきで、バックオフィスには無頓着になりがちですが、財務等をしっかりしていないと、一定以上の成長ができなくなります。

起業を促すには何が必要でしょうかー

「働くこと」の教育を

日本の開業率は、米国・英国と比べて低くなっていますが、日本に起業を根付かせることに必要なものは根本的には、教育です。
特に、「働くこと」の意味を誰もが考えるべきだと思います。
生活のために働き、経済的な報酬をもらうことも一つの意味ですが、「働くこと」とは、サービスやモノを提供してお金をいただくことであり、人がお金を支払ってくれているということは、その人に何か良きことを提供した証でもあるということをもっと知るべきだと思います。つまり、世の中にあるすべての仕事は、誰かの役に立っているはずで、仕事を通じて誰の役に立つのか、どんな風に役立つのか、そのことを考えると、世の中にあるさまざまな課題を解決することと起業にもつながりが出てくると思いますし、働くことの喜びを感じることができると思います。

政府は、新たな経済成長戦略「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」の中で、新規事業の創出を促進し、現状約5%である開業率をアメリカ・イギリス並みの10%台に引き上げることを目標に掲げています。
奈良市では、こうした動きに先駆け、「若者がチャレンジできる環境づくり」「地域経済の活性化」「雇用創出の促進」に取り組んでいます。

学区ブランド産品「古代米プロジェクト・富より団子」

「富(お金)よりも一つの団子で笑顔になって欲しいと富雄より生まれた団子」

文部科学省のプロジェクトに富雄中学校が指定され、2011年度に地域住民と教職員らで作る富雄中学校区地域教育協議会と生徒が協力して作った「富より団子」。
生徒たちは、月ヶ瀬産の古代米を使い、ラスクやマフィン等のお菓子作りに試行錯誤し、たどり着いたのがごま団子。プレゼンテーションし、製造に協力してもらえることになり、レストランやコンビニで販売された他、地域の夏祭りや市のイベント等で販売しています。収益金はユニセフに寄付しています。
現在は同中ボランティア部が引き継ぎ、販路の拡大をめざしています。どうすれば商品を知ってもらい購買力を上げることができるのか考えることがキャリア教育につながっています。

起業家支援施設「きらっ都・奈良」

旧奈良マーチャンドシードセンターを改修し、平成24年10月に開業。起業に関する各種サポートをしています。

「きらっ都・奈良」入居者の声

「teesica」店長 松井康雄さん(31)奈良県出身

きらっ都・奈良のテナント募集をきっかけに仲間3人でメイドイン奈良のオリジナルTシャツを展開するショップ「teesica(ティーシカ)」をオープンしました。商品の企画から生産、販売に至るまで全てに関わりますので、大変なこともたくさんありますが、お客様の生の声を次の商品づくりに活かしながら、自分たちや商品が成長していくのを実感しています。
今は、主力のTシャツに加えて新たなアイテム展開を考えているところです。奈良には、まだまだ可能性が眠っていると思いますので、起業で夢を実現していく仲間が増えていくことを楽しみにしています。

スタートアップ都市推進協議会

 スタートアップ都市づくりに共感する自治体が連携し、共同で事業構築すると共にこの動きを全国に広げていくことを目的に昨年12月23日に「スタートアップ都市推進協議会」を設立しました。
 本協議会では今後、参加自治体が、地域の個性を活かしたローカルモデルとなって経済関係団体とも連携し、日本全体をチャレンジが評価される国に変えていくことをめざします。奈良市もメンバーとして参加しています。

(参加自治体)
三重県、広島県、佐賀県、福岡市、千葉市、横須賀市、浜松市、奈良市

スタートアップとは?

新しい会社や事業を立ち上げることで、起業・創業の他、既存企業の新事業展開、いわゆる第2次創業も対象としています。

具体的な今後の活動予定は?

国への提言活動や小中高生・大学生向けのチャレンジマインド醸成教育、マッチング事業等を行うとともに、新たなスタートアップ施策の検討等を行っていきます。

キャリア教育講演会

4月11日、同協議会と経済同友会の連携企画として、同協議会の協働パートナーであり、実業家・経済の専門家として活躍中の堀義人さんを講師に招き、「自分らしく生きる」をテーマに、中学生を対象にキャリア教育の講演を行いました。出席した中学生は、キャリア教育の手法を取り入れ、学区ブランド産品の企画開発を行った実績を持つ二名・富雄・都南・飛鳥・月ヶ瀬中学校の生徒で、講演で特に中学生の印象に強く残ったのは、「目標を明確に持つ」「友達を大切にする」「前向きに物事を捉える」「世界を見る」というアドバイスのようでした。

(問合せ)広報広聴課 電話番号:0742‐34‐4710

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