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提案説明H29(概要)

更新日:2019年11月7日更新 印刷ページ表示

 本日ここに、平成29年度一般会計予算案をはじめとする重要諸案件を提案し、ご審議をお願いするに当たり、新年度の重点施策を中心に所信を申し上げ、議員並びに市民の皆様方のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

重要諸案件について

 平成29年度の重要諸案件につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 平成29年度予算では、私の2期目の任期の集大成として、これまで力を入れて重点的に取り組んでまいりました施策を基軸といたしまして、その成果を存分に発揮していくとともに、未来を見据えたまちの維持・発展を目指して、将来の本市のまちづくりの礎を強固にしていくための予算として編成したものでございます。
 本市の未来を見通しますと、やはり人口減少と少子高齢化は避けては通れない大きな課題であり、スピード感を持って課題に対処し、今ここで人口減少の克服そして地域の活性化につながる道筋をつけ、地盤をしっかりと固めることがとりわけ大切なことであり、その土台を形づくることが大きな責務であると考えています。
 そして、若い世代が安心して子どもを持てるまち、生まれた子どもたちが豊かな心で生きる力を身に付け、健やかに育つまちづくりを進め、また、高齢者が生きがいを持って、いきいきと健康に暮らしていけるまち、そして市民が安心して安全に暮らせるまちをつくっていくことが、魅力あふれる都市を形づくるのであり、まちがさらに発展し、地域経済がさらに活力を増していくには、国際文化観光都市としての奈良の魅力を向上させることで交流人口の増加を図り、また観光を基盤とした地域産業を活性化していくことが不可欠であると考えております。
 これらがあいまって、市民が愛着と誇りを感じ、より多くの方が訪れたいと感じていただける奈良、住みたい奈良をつくっていくことができると考えており、私に課せられたその大きな責任を果たし、目標を成し遂げる、そういう思いで施策に取り組ませていただいているところでございます。

 新年度につきましては、特に出産に関する不安を解消し、安心して子育てができる環境をつくるための子育て支援、そして夢を実現する力を持った子どもたちを育てる教育環境の充実、いつでもどこでも起こり得る災害に備え、地域の安全・安心を支える安全かつ快適な都市基盤の整備、また、高齢者が健康で生きがいを持って安心して暮らせる健康長寿の推進、そしてより多くの観光客が訪れ地域産業に波及効果をもたらし、観光による地域経済の発展につながる施策、これらを重点分野として切れ目なく着実に推進し、更なる展開を図ってまいりたいと考えているところであります。
 
 一方で、本市の将来を見据えたとき、次代を担う世代への負担の軽減も大変重要な課題であると認識をいたしております。
 そうした視点に立ち、私は、就任直後から一貫して投資的経費の精査を徹底し、市債の発行抑制にも努めてきたところでございます。
 市債の残高につきましては、特別会計、公営企業会計を含めた全会計ベースでの残高につきましては、私が就任をいたしました平成21年度の年度末の時点では、約2,726億9,600万円でございました。
 そしてその後、本市において大きな負の遺産となっておりました土地開発公社や駐車場公社等を清算するために、平成22年度と平成24年度に、合わせて196億2,800万円の第三セクター等改革推進債を発行させていただきました。
 それによりまして、ピーク時といたしましては平成24年度末には、約2,943億8,300万円まで市債残高が膨れ上がったわけでございます。
 しかしながら、その後も徹底して市債発行の抑制に努めたことにより、平成29年度末の見込額におきましては、平成21年度末時点とほぼ同水準の2,726億8,200万円まで縮減が図れる見込みとなってございます。
 また、この中には、実質的な地方交付税であります臨時財政対策債が約23.6%含まれております。
 こうした特殊要因による増を除きますと、8年間で市債残高は約484億9,300万円減少する見込みとなっております。
 これもひとえに財政健全化にご理解とご協力を賜りました議員の皆様方また市民の皆様方のご理解とご協力の賜物だと感謝申し上げる次第でございます。

 また、人件費についてでございますが、「民間に任せられることは民間へ」という発想を基とし、民間委託を進めるとともに、定員管理を効果的に推進する観点から定員適正化計画を策定し、中長期的な視点のもとで、人件費の総額抑制に努めて来たところでございます。
 こうした取組の結果、私が就任をいたしました平成21年度の一般会計当初予算における人件費は約275億円でございましたが、これが平成29年度の予算案では約239億円となり、約36億円の低減につながっております。
 一般会計に占める人件費比率というところを見ましても平成21年度の22.3%から、来年度の予算案におきましては18.7%まで低減をする見込みでございます。
 一方で、税収の伸び悩むなか、本市の財政は依然として厳しい状況にございます。
 予算編成におきましては、全ての事業において、行政評価を意識した施策の選択とフルコストの視点での見直しを図るとともに、中長期的な視点に立ち抜本的な財政構造改革を目指したところでございます。

歳入について


市税におきましては、平成28年度予算に比べ、個人市民税は、約1億6,500万円の減収を見込み、227億4,357万円としているところでございます。一方で、固定資産税につきましては、家屋の新増築などにより、対前年度予算比 約5億円の増加を見込み、198億362万8千円としております。また、法人市民税につきましても、企業収益の緩やかな回復傾向を受けて約3億4,300万円の増を見込み、33億8,102万円としたところでございます。これにより、市税全体といたしましては526億6,617万5千円を計上し、前年度予算に比べまして、約8億800万円、1.6%の増加を見込んでいるところでございます。

地方交付税につきましては、地方財政計画におきまして、「まち・ひと・しごと創生事業費」が、平成28年度と同額の1兆円確保されるなど地方の一般財源総額を確保するとされたものの、地方税収の増加等を踏まえ、全体として地方交付税総額が減少となることなどによりまして、前年度予算に比して5億円の減、137億円としたところでございます。

各種交付金につきましては、地方消費税交付金については前年度予算と同額の59億円としておりますものの、現下の経済情勢の影響等によりまして、利子割交付金、配当割交付金及び株式等譲渡所得割交付金につきましては、合わせて4億7,000万円の減となることなどにより、地方特例交付金ほかその他の交付金を合わせました全体としましては、81億7,800万円とし、前年度予算に比して約3億8,500万円の減収の見込みとなっております。

国庫支出金につきましては、前年度予算に比べ、約4億900万円減の234億5,045万7千円としておりますが、これにつきましては、臨時福祉給付金の給付費減に伴います国庫補助金の減や生活保護費負担金の減少、また南部埋立処分地整備事業に伴います補助金の減などによるものでございます。

県支出金は、障害者自立支援給付費負担金の増加、また、農業収益力向上を図る農業事業者を支援するための産地パワーアップ事業補助金などの増によりまして、対前年度予算比 約4億2,100万円の増 77億4,499万6千円とさせていただいたところでございます。

市債につきましては、認定こども園施設整備事業や浸水対策事業などの実施に伴う増額はございますものの、南部埋立処分地整備事業や小中学校施設整備事業において減額するとともに、その他の事業についても引き続き市債発行の抑制に極力努めたところでございます。市債の総額は122億1,200万円とし、前年度予算に比して約7億2,900万円の減といたしたところでございます。

歳出について


人件費につきましては、引き続き効率的な行政サービスが提供できるよう適正な人員配置を進め、退職欠員補充を極力抑制し削減に努めているところでございます。総額といたしましては、退職予定者数の減少によりまして退職手当を対前年度予算比 5億円の減としておりますほか、職員数の減による給料の減、また、国の働き方改革と歩調を合わせ、業務の効率化などによる時間外勤務の更なる抑制を図ることによりまして超過勤務手当の削減等を見込み、前年度予算に比べまして、約7億百万円の減額、2.9%の減とし、238億8,292万5千円を計上しております。

扶助費につきましては、児童手当が対象者の減により減額となりますものの、障害福祉サービス及び障害児通所支援の利用者増加等によります給付費の増、子ども医療費助成の増額などを見込みまして、308億3,026万4千円とし、前年度予算に比して約7億6,200万円の増、伸び率としては2.5%の伸びを見込んでおります。

公債費につきましては、元金におきまして、臨時財政対策債の償還額が約4億3,300万円の増、退職手当債の償還額が約1億3,400万円の増となりますが、その他の建設地方債の償還額の減がございますことから、元金の総額では約7,300万円の増にとどまっております。一方で、利子につきましては、約3億5,100万円の減となっており、公債費の総額としては、前年度予算に比べ約2億7,800万円の減額とし、175億7,500万5千円を計上しているところでございます。

投資的経費についてでございますが、市立こども園の施設整備とともに、私立認定こども園の整備費補助の増額を図るほか、新年度におきましても明治小学校校舎改築事業や西大寺駅北口駅前広場整備事業、また、河川浸水対策事業に継続して重点的に取り組んでまいりますが、予算編成におきましては市債発行の抑制とともに事業の必要性や緊急性を厳しく精査したところであり、また平成28年度に比べまして、南部埋立処分地整備事業や都祁小学校校舎建設事業等の事業費が減少いたしますことから、全体といたしましては対前年度比約13億5,400万円、17.4%の減とし、64億2,834万2千円を計上いたしたところでございます。

物件費につきましては、保育園・こども園等の臨時職員賃金の増額等によりまして、対前年度予算比で約5億500万円の増の230億2,342万円といたしたところであります。

補助費等につきましては、臨時福祉給付金が減少いたしますものの、認定こども園に対する負担金・補助金の増などにより約3億700万円の増となり、132億346万3千円となっております。

繰出金につきましては、保険給付費の増加に伴います介護保険特別会計繰出金の増がございますものの、その他の特別会計における公債費に係る繰出金が減少いたしますことから、約1億3,400万円の減となり、93億2,649万5千円となってございます。

維持補修費につきましては、道路・河川の維持補修について増額を図ったことなどにより、18億5,865万7千円を計上し、約2億400万円の増としております。


 以上によりまして、本市の新年度予算案は、一般会計におきまして、1,277億円となり、前年度予算に比べまして、0.6%の減となったところでございます。

また、国民健康保険特別会計をはじめとする10特別会計におきましては、835億2,060万円、次いで公営企業会計につきましては、都祁水道事業会計及び月ヶ瀬簡易水道事業会計を水道事業会計に統合し、病院事業・水道事業・下水道事業の3会計におきましては、264億190万円を計上し、これら全会計を合計いたしました奈良市全体の財政規模といたしましては、2,376億2,250万円となり、前年度の予算と比べまして1.0%の増となったところでございます。


 続きまして、平成29年度の主要な施策の概要につきまして、ご説明を申し上げます。

重点施策(1) 教育環境の充実


 教育は健全な社会を築くための礎であり、輝かしい未来を支える子どもたちを育むために、教育環境の充実は最も重要であり喫緊の課題であるととらえ、これまでも積極的に取り組んできたところでございます。
 新年度におきましても、子どもたちがたくましく現代社会に立ち向かえるよう、引き続き最先端の技術の導入を拡充しながら、質の高い公教育を目指すとともに、「学び」が「喜び」に変わる瞬間を学校のみならず家庭でも感じられるように児童生徒、保護者、教職員が一丸となって笑顔の絶えない学校づくりに励み、安心・安全な学校生活を送ることができる教育環境を確立すべく様々な施策に取り組んでまいります。

次世代を見据えた公教育の推進

 小学校に通う子どもたちの総合的な学力については、年に一度行う学力・学習状況調査でしか児童一人ひとりの学力を把握し確認することができないわけでございます。
 また、それぞれの教科内におきましても苦手分野を発掘し分析することが困難でございました。
 そこで、その課題を克服するために本市独自の学力向上事業システムを構築し、平成28年度から導入をさせていただいております。
 まず、算数におきましてモデル校を設定し、単元テストの実施後に、個々の児童の習熟度に適合した復習問題を行う「学びなら」という事業、いわゆるABCシステムというものを導入しております。
 平成28年度にモデル校3校の小学校4年生のみで実施したところでありますが、新年度は拡充を図り、4年生は全校で展開し、さらに、5年生及び6年生もモデル校を設定して開始してまいりたいと考えております。
 これにより、児童の学力向上はもとより、教員の若年化が進むなかで、教員の経験不足等による児童の学びの漏れやつまずきをタイムリーにフォローし、児童の基礎学力の向上につなげるとともに、教員個別訪問型研修等とあわせて若手教員の指導力向上にもつなげてまいりたいと考えております。
 また、国の方針として教育分野における情報化が推進されているなかにおいて、本市におきましても、モデル校を中心に、学校現場においてICTの活用に積極的に取り組んでまいりましたが、今後老朽化するICT環境の更新を行うものといたしまして、モデル校で得られた知見を生かしながら、校務効率化のためのシステム導入や児童生徒向けタブレット端末の整備等を行ってまいります。
 また、年間を通じてICTを有効活用できるよう、教員の指導力向上、活用支援を進め、児童生徒の教育環境の向上に努めてまいります。

いじめ対策の推進

 全国的な課題となっておりますいじめ問題につきましては、喫緊の課題であり、学校、家庭、地域が連携して取り組む必要がございます。
 問題の解決には迅速な対応が求められるものの、その背景には複雑・多様な状況があり、講じるべき対策は多岐にわたります。
 そのようななかで、本市は平成28年度から、いじめ対応教員を全小中学校に配置し、さらにいじめ対応支援教員を加配し、いじめ対策の包括的な推進を図ってまいりました。
 新年度におきましては、16名のいじめ対応支援教員を加配するとともに、新たに創設する「学校応援いじめ対応サポーター」を2名配置することにより、学校の実態に応じた柔軟な支援体制を整え、子どもたちが安心して学校生活を送ることができる教育環境を構築してまいります。
 また、児童生徒、保護者及び教員からの心理的な悩み、不登校相談などに対応すべくスクールカウンセラーを配置しているところでございますが、特に臨床心理士のニーズが高まってまいりますため、その処遇改善といたしまして、給与単価を引き上げ、経験豊かで優秀な人材を確保し、教育相談体制の更なる充実を図ってまいりたいと考えております。

学校生活の充実

 子どもたちがより多く図書に触れ、知識の向上と想像力豊かな感性を育むことができるよう、子どもの頃から本に親しむ環境を整えるために、平成28年度に引き続き小中学校に図書館司書を派遣し、さらに図書の整備や更新等を進め、学校図書館のより一層の充実を図ってまいります。
 また、都祁地域における並松、都祁、吐山、六郷の4小学校の統合再編に伴い、遠距離通学となる児童及び保護者の負担を軽減するためにスクールバスを運行してまいります。
 このように、あらゆる角度から、様々な取組を進め、教育環境の充実に努めてまいりたいと考えております。

重点施策(2) 子育て環境の充実


 人間の基礎を形成する子育て環境の充実について、これまでも重点課題として取り組んできたところでありますが、新年度におきましては、特に子どもの心身の成長にとって重要な乳幼児期に焦点を当て、基本的な育児はもとより、親の孤立や不安に対するケアを確立させ、総合的な育児サポートの充実を図ってまいりたいと考えております。

産後ケア事業

 妊娠期からの切れ目のない子育て支援を目指しております本市では、これまでも妊娠・出産に係る包括的な支援事業として、妊産婦・乳幼児健康相談や家庭訪問により妊産婦等の不安や負担の軽減に取り組んできたところであります。
 これらを踏まえ、さらに新年度におきましては、全国的な課題となっております産後の不安感によるうつ病などの精神的疾患等を未然に防ぐため、出産後における心身ともに不安定な時期において支援が必要な母子を対象に、産科医療機関等におけるデイケアやショートステイを利用していただくことで、心身のケアや育児のサポートによる育児不安の軽減を図り、また、家庭での円滑な育児を支援してまいりたいと考えております。
 また、子育て中の親や妊娠している方が、各家庭のニーズに基づき、教育や保育、保健、その他の子育て支援サービスを円滑に利用ができるよう、庁内に子育てナビゲーターを配置し相談等に応じるとともに、市内の子育て支援拠点等の巡回等による相談支援を幅広く行うことにより、一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる地域社会の実現を目指してまいりたいと考えております。

子育て支援及び少子化対策に係る取組

 市立幼稚園の一時預かりを、現在の9園から11園に拡充し、就労形態の多様化や女性の社会進出に対応し、安心して子育てができる環境を整えてまいりたいと考えております。
 また、待機児童対策といたしまして、これまでもこども園化を推進し、保育施設の建設や改修等ハード面での整備を進めてきたところでございましたが、新年度におきましては、ソフト面での充実に向けた取組として保育教育士の確保を図るため、臨時保育教育士の賃金を月額8千円引き上げさせていただき、市外での経験年数も職歴に加算するなど制度の見直しを図り、より優秀な人材を確保し定着させていくための処遇改善を考えさせていただいております。

重点施策(3) 安全・安心に暮らせるまちづくり


 防犯や防災に対する市民の意識が高まるなか、いつでも、どこでも起こり得る犯罪や災害に対し、市民の生命・財産を守るための防犯・防災事業の充実は、とりわけ重要なものであり、更に対策を図る必要がございます。
 新年度におきましては、防犯・防災対策とともに、道路・橋梁等のインフラ及び公共施設の老朽化対策や耐震化を進めるとともに、高齢の方や障害のある方などに対する福祉の充実にも取り組み、真の「安全で安心なまち」を目指してまいりたいと考えております。

防犯・防災対策の充実

 防犯対策につきましては、これまでも警察と行政、地域住民が協力しあい、様々な対策に取り組んでいるところでありますが、連日、犯罪に関する報道が後を絶たない状況もございます。
 このようななか、市内での最近の犯罪の動向を分析したところ、特に犯罪の中でもひったくりやわいせつ事件の約7割が駅周辺で発生していることから、犯罪抑制と発生後の検証に効果的である防犯カメラを、平成28年度に駅周辺に設置するとともに、引き続き新年度は特に人の集まる箇所にも設置し、犯罪の抑止を図るとともに、運用実績に基づき設置箇所の拡大を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、自主防犯という観点から、積極的に防犯カメラを設置していただく自治会等の団体に対して、設置経費の助成を行うことで、防犯カメラの普及を進め、各地域での防犯活動の充実に努めてまいります。
 また、防災対策といたしまして、台風や近年多発しているゲリラ豪雨などの大雨等による浸水対策につきまして、これまでも課題とされておりました東九条・西九条地域におきまして、降雨集中時に恒常的に浸水する地区に対し、抜本的な浸水解消のための大規模な対策工事を行ってまいる計画でございます。
 東九条・西九条地域の浸水被害につきましては早期の解消が必要であると考え、これまでも、その対策の経済性や即効性ということを検証してきたところであり、今般、対策の方策を見直しましたところ、約500メートルの区間につきまして水路整備を行おうとするものでございます。
 次に、災害時の避難所に指定されている小中学校体育館のトイレの改修を行い、災害発生時の安全かつ衛生的な環境での避難生活の確保を図ってまいります。
 また、災害時における救助活動、避難者支援、復興活動には消防団の協力が大変重要であり、皆様の記憶にも新しいところでありますが、東日本大震災や熊本地震をはじめとする様々な災害現場で、自らの命を顧みず地域住民のために活躍する消防団の姿はしっかりと心に焼き付いているところであります。
 いつ災害に巻き込まれるか予想ができないなかで、日頃から消防活動に携わる消防団に対し、新たな基準により活動服を貸与し、これからも消防団の士気向上等に資する施策に取り組んでまいりたいと考えているところであります。

安全安心のまちづくり

 日々の生活に密着した安全対策といたしまして、まず、全国的に多発しております道路の陥没事故を未然に防ぐため、緊急輸送道路に指定された市道等におきまして、地中レーダーにより路面下に発生している空洞の調査を行い、安全かつ円滑な通行の確保に努めてまいたいと考えております。
 また、橋梁や公園等の老朽化が進んでいくなかで、長寿命化対策として取り組んでいる施設の改修等につきましては、今後も継続かつ計画的に予防的な点検や修繕を行ってまいりたいと考えております。

福祉の充実

 障害者の地域生活を支える受け皿として、グループホームの充実が最も重要とされており、障害者の家族の高齢化等の理由により、近年需要は増加しております。
 新年度におきましては、社会福祉法人等に対し障害者施設の整備や設備整備にかかる費用の一部を助成し、グループホームの新設を進めるとともに、あわせてスプリンクラーの整備も図ってまいります。
 また、障害者総合支援法に基づく平成30年度からの障害福祉サービス等の提供体制の確保に関する実施計画や第3次奈良市障害者福祉基本計画の基本理念を実現するための実施計画といたしまして、障害福祉サービス等に関する数値目標及び提供できるサービスの見込み量をアンケート等で調査・設定し、障害者が地域で自立した生活を送るための施策の充実を計画的に推進していくため、第5期奈良市障害福祉計画を策定してまいります。
 また、高齢者の方が心豊かな生活を送ることができるための自立支援と尊厳の保持を基本理念にして、地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。
 新年度には、さらに介護予防や日常生活圏域のニーズ調査等をおこない、奈良市老人福祉計画及び第7期介護保険事業計画を策定し、高齢者福祉の推進と介護保険の円滑な運営を進めてまいりたいと考えております。

重点施策(4) 快適な未来を見据えた都市整備


 歴史的文化遺産と豊かな自然に囲まれた本市は、これまでも古都であることに誇りをもち、古き良き伝統を継承しつつ、その景観を保ちながら都市基盤の整備を進めてきたところであります。これらの取組を今後も継続しながら、県とも積極的に連携をし、未来の「古都」の姿を見据えた施策を展開してまいりたいと考えております。

まちづくり基本計画の策定

 「奈良公園周辺地区」、JR新駅開設に伴う「八条・大安寺周辺地区」、駅南北の駅前広場の整備及び駅南北を結ぶ自由通路の設置が予定されている「大和西大寺駅周辺地区」の3地区において、県との連携により、まちづくり基本計画を策定し、県・市の役割分担のもとで早期の事業化を目指し、古都奈良が大きく生まれ変わり、歴史と文化、そして未来が感じられる、いわば未来形の奈良の姿を形づくってまいりたいと考えております。
 特に、「八条・大安寺周辺地区」におきましては、駅とインターチェンジを核とした、本市の新たな南の玄関口としてふさわしいまちづくりを目指しており、交流人口増加につながる、これからの奈良市の観光のあり方を示す拠点づくりを行うとともに、新駅を中心とした都市機能の集積や未利用地の活用、地域資源を生かした、賑わいのある住みよいまちづくりを進め、定住促進にもつなげてまいりたいと考えております。
 また、「大和西大寺駅周辺地区」では、都市機能や交通ターミナル機能の更なる充実、総合的な交通体系の構築により、本市西部の拠点としてのまちづくりを目指してまいります。
 また、駅周辺の歩行者や自転車利用者の移動の安全性を高め、多世代のための居住環境を整えることにより、駅を中心とした住みよい生活圏の充実を一層進め、観光と生活の両面を見据えた、賑わいと多機能を備えた魅力ある都市拠点の形成につなげてまいりたいと考えております。

通学路・交通安全施設の整備

 通学路等の道路上の危険箇所の解消を図るため、歩道の整備、防護柵の設置、路面標示の整備等を行うとともに、住宅地内の安全性向上のため、引き続き、「ゾーン30」の整備を行ってまいります。
 また、JR平城山駅の東西を接続する自由通路、跨線人道橋は、現在バリアフリー化対応がなされておらず、高齢者や障害者の方をはじめ、利用しやすい環境とは言えない状況にあります。
 そのため、全ての利用者の安全性や利便性の向上を図るため、エレベーターの設置等、バリアフリー化改修事業の実施に向けた計画の検討を行ってまいりたいと考えております。

地方創生等に関する事業の推進


 「女性が輝くまち、観光がうるおすまちをつくる」ことを重点目標として本市では地方創生を進めているところでございますが、女性の活躍と観光消費額の増加は、人口減少克服と本市の持続的な発展に向けて、極めて重要な課題でございます。
 この目標の実現を目指し、女性の就労支援と観光力の向上を図るための施策を推進するとともに、市民がいきいきと暮らせるまちをつくり、奈良市に住みたい、住み続けたいという人が増え、より多くの方に訪れたいと感じていただけるまちづくりを目指してまいります。

女性の活躍

 結婚、出産、育児といった様々なライフステージに応じて、女性が柔軟な働き方を選択でき、能力を発揮できることは、これからの社会にとって非常に重要なことであり、引き続き女性の就業機会の拡大に向けた支援に取り組むとともに、クラウドソーシングなどの多様な働き方を創出してまいります。

地方創生の促進

 シルクロードの終着点であるという唯一無二の強みを生かし、東アジアの各国と文化・経済の交流を深め、国際会議等の受入促進を図ることで、外国人観光客の滞在の促進と観光消費額の増加に取り組んでまいります。
 また、本市の東部地域では高齢化や人口減少が進んでいるところではございますが、基幹産業である農業を中心として、観光資源の活用と開発、そして人材育成を進めるため、東部地域におけるツアーやイベント等、定住人口と交流人口の増加による地域活性化を図るための事業を多角的に展開してまいります。

観光客の誘致

 興福寺中金堂再建関連事業についてでございます。
 平成30年に、約300年ぶりの落慶を迎える興福寺中金堂再建を、春日大社式年造替に続く、古都奈良の大きな観光トピックとして、県や奈良市観光協会、また興福寺と連携して再建事業への機運を高めるとともに、着地型商品の造成やPR活動により観光客誘致を図ってまいります。
 次に、オーストラリア向け誘客事業についてであります。
 訪日外客数及び旅行消費単価の水準が高く、近年では、毎年約20%の割合で訪日外客数が増加しているオーストラリアにつきましては、誘客重点戦略国と位置づけ、2020年に開催されるオリンピック・パラリンピック東京大会においてホストタウンとしてオーストラリア女子サッカーチームを誘致していることも含め、今後、メディアの方を対象にしたファムトリップによる知名度の向上及び関心の喚起を促してまいりたいと考えております。
 続いて、(仮称)ならグレート・サマーフェスティバル開催助成についてでございます。
 夏季の観光客誘致事業として県が主体として開催が予定されており、猿沢池を中心に周辺の商店街や観光スポットを巡る、大きな経済効果が期待される周遊型観光イベントに対し、本市といたしましても連携を図り助成することで、観光閑散期である夏季の観光客誘致に繋げてまいりたいと考えております。
 また、JR京終駅舎の改修事業についてでございますが、奈良町の南の玄関口であるJR京終駅において、鉄道事業者と連携し、「駅機能」を軸に、待合室側に「観光案内機能」、駅務室側に「コミュニティ機能」を設置し、復元された駅舎全体を活用することで、訪れる観光客の利便性向上と周辺地域の活性化を図り、観光客の増加と滞在時間延長につなげてまいりたいと考えております。

文化活動の推進

 新年度の9月から11月にかけて開催されます「第32回国民文化祭・なら2017」及び「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」では、県内全域で様々な事業が展開されるわけであります。
 本市といたしましても、文化活動団体と協働して積極的に取り組み、世界に誇る奈良における文化を、訪れる方々にアピールしてまいりたいと考えております。
 また、姉妹都市でありますベルサイユ市から来日する、ジュニア合唱団を受け入れ、演奏会や交流事業など音楽文化を通じた国際交流を行い、更なる文化の振興を図ってまいりたいと考えております。
 このほか、奈良を撮り続けた写真家入江泰吉氏の没後25年となりますことから、シンポジウムや出前事業等の事業を行うことにより、その遺作を通じて日本の美・大和の美を学び語り継ぎ、本市の文化について改めて考える機会を創出してまいります。

定住促進

 本市の将来の発展のためには、定住人口の確保は必要不可欠なものでございます。
 本市の魅力を発信し、特に子育て層を中心とした転入者の増加を図るためのシティプロモーションに引き続き取り組み、ホームページをはじめとする広報活動や定住促進イベントを行ってまいりたいと考えております。
 また、家族が共に子や孫を育む環境を支援するため、3世代の同居・近居住宅支援に引き続き取り組んでまいります。
 さらに、空き家所有者を対象にして、適切な維持管理や活用を進めるための情報提供や相談体制の整備を図るとともに、空き家バンクの運営とあわせて、バンク登録物件の改修等の費用助成を行うことで、空き家の利活用を図ってまいります。
 特に、地域活性化のモデルとなるような優れた利活用につきましては、定住促進と地域課題解決の両面に資することから、改修費用の助成を行い、空き家活用の更なる推進を図ってまいります。

健康長寿の推進

 現在、肺がん検診は、胸部エックス線による検診を行っておりますが、胸部エックス線では発見しにくく女性に多いと言われる肺腺がんの早期発見を図るため、新年度は50歳及び60歳の市民を対象に、新たに胸部低線量CT検査を導入し、更なる検診体制の充実を図ってまいります。
 また、胃がん検診については、胃内視鏡検査による個別検診を50歳の市民を対象に行っているところでありますが、新年度は、対象を50歳から60歳までの偶数年齢の方に拡大し、受診率の向上と早期発見につなげてまいります。
 また、救急医療体制の充実を図るため、公的病院及び私的病院等の対象医療機関が救急搬送患者を受け入れて診療する場合、入院し治療を要する救急搬送患者の受入実績に基づき助成することとし、救急医療機関の受入体制を強化を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、感染症患者が発生した場合に、患者を感染症指定医療機関に移送するための車両及びアイソレーター等の機材に経年劣化がみられるため、整備更新を行い感染症の拡大防止対策に万全を期してまいります。

市民サービスの向上

 市民の皆様と市役所職員が触れ合う機会が最も多い窓口の業務については、常に利便性の高いものでなければならないと考えております。
 しかしながら、一方で高齢化等に伴う、いわゆる交通弱者とされる方々にとりましては市役所本庁を訪れることが難しい状況にございます。
 また、将来的に本庁舎の耐震化を進めていくことにより、いわゆる執務スペースが制限をされる可能性があることから、新年度におきましては出張所及び市民サービスセンターの業務を順次拡充し、利便性の向上と機能強化を図ってまいりたいと考えております。
 市民サービスセンターにおきましては、取扱業務を見直し、印鑑登録や住民異動の受付、また税務関係証明の交付業務を開始するほか、奈良市ポイント制度のポイント確認や交換業務も行い、市民の皆様の利便性の向上に繋げてまいりたいと考えております。
 続いて、(仮称)地域自治協議会の設立準備支援でございますが、行政と住民が相互に連携し、ともに担い手となって地域の潜在力を発揮できる仕組みを構築していくため、自治連合会をはじめとする既存のコミュニティ組織やNPOなどで構成し、地域活性化と住みよいまちづくりに向けて地域全体の総括的な担い手となっていただく新たなコミュニティ組織である(仮称)地域自治協議会の設立を促進するため、準備活動費用の助成を行おうとするものであります。
 また、動物愛護の推進や生活環境の保全ということにつきましては、保健所に保護された犬、ねこの譲渡を促進し、殺処分については削減を進めてきたところでありますが、新年度は、更なる譲渡の拡大を図るため、譲渡後の動物の不妊や去勢手術に要する費用の一部助成を開始しようとするものであります。

 その他の取り組み


農業収益力の向上

 農作業の効率化によるコスト削減や高付加価値となる作物への転換を進めるほか、消費者のニーズに応じた生産を行うなど、一体的かつ計画的に生産体制強化に取り組む農業者に対し支援を行う産地パワーアップ事業補助を実施するものであります。

建築物の安全確保の推進

 不特定多数の方が利用する建築物及びいわゆる避難弱者の方が利用する建築物のうち、大規模なものにつきましては、要緊急安全確認大規模建築物と位置づけられており、大規模なホテルや旅館といった要緊急安全確認大規模建築物等の耐震改修にかかる費用の一部を助成し、建築物の安全確保を推進してまいりたいと考えております。

「富雄丸山古墳」の調査

 本市西部にございます「富雄丸山古墳」につきましては、西大和最大の古墳であり、早急に保存措置を講じ、文化遺産として次代に引き継いでいく責任がございます。
 この古墳の発掘調査を計画的に進めるとともに、貴重な文化観光資源として活用を図ることにより本市西部の新たな魅力を発信していくため、新年度は、事前地形測量調査を行ってまいりたいと考えております。

鴻ノ池運動公園の整備

 鴻ノ池運動公園は、くつろぎのため公園を利用される方、スポーツのため施設を利用される方など、生涯スポーツの推進や健康増進のための公園として幅広い世代の方に利用していただいておりますが、新年度は公園内のみどりの丘の再整備を行い、訪れる方の憩いの場として更なる整備を進めるとともに、利便性向上のため引き続き鴻ノ池周辺の整備を進めてまいります。

クリーンセンター建設

 市民のより良い生活環境の構築と循環型社会の形成を目指し、引き続き建設候補地の方々のご理解を得ていくとともに、環境影響評価や測量・地質調査を行ってまいります。

行財政改革

 ファシリティマネジメントに関しましては、公共施設の老朽化等が進むなか、施設の劣化部位や修繕履歴などのデータを蓄積し、施設の状況から劣化の進行を予測して優先的に修繕すべき部位を明らかにするなど、施設管理に関するデータの一元的な管理及び分析を行い、施設経営管理の適正化が図れるようデータ分析専用システムを導入いたします。
 また、民間委託の推進に関しましては、これまで市民課の窓口業務、人事課事務等の委託を進めてきたところでありますが、限られた職員数でより効率的に業務を遂行していくため、新年度は、会計課の審査業務を民間委託するための準備を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、家庭ごみの収集委託に関しましても、引き続き委託対象地域を拡大し、業務の合理化と市民サービスの向上に繋げてまいりたいと考えております。

企業局・上下水道事業の予算について


 水道事業会計につきましては、平成25年度に移管をされました、都祁水道事業会計、月ヶ瀬簡易水道事業会計を合わせた3会計を統合、1つの会計とし、予算を編成いたしました。
 これまで都祁水道事業、月ヶ瀬簡易水道事業の2会計につきましては、施設の運転維持管理費用や施設整備に対する過去の投資の償還費用のため収益的収支におきましては損失が続いていたところでございます。
 一方で今回の会計の統合によりまして、施設の更新や耐震化が計画的に行うことができると考えております。
 今後も安全で安心できる水道水の安定供給に努めてまいりますとともに、お客様サービスの向上や更なる経費の削減を図ってまいりたいと考えております。

 次に、下水道事業会計につきましては、企業債の元利償還金や県流域下水道維持管理負担金、施設の維持管理費用が多額を占めており、依然として厳しい財政状況でありますが、経営の改善や赤字幅の縮小を図ってまいりたいと考えております。