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提案説明H22(概要)

更新日:2019年11月7日更新 印刷ページ表示

 本日ここに、平成22年度一般会計予算案を初めとする重要諸案件を提案し、審議をお願いするに当たり、新年度の重要施策を中心に所

重要諸案件について

 平成22年度の重要諸案件につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 まず、現在、国の経済情勢についてでありますが、1月に閣議決定された「平成22年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」では、平成22年度の景気は緩やかに回復していくものとしておりますが、これは明日の安心と成長のための緊急経済対策や、平成22年度予算に盛り込まれた家計を支援する施策等により、民間需要が底がたく推移することに加え、世界経済の緩やかな回復が続くことを期待をしているものであります。
 物価は、大幅な供給超過のもとでマイナス幅が縮小するものの、緩やかな下落が続き、失業率は高どまりするものと見られております。
 こうした結果、平成22年度の国内総生産の実質成長率は1.4%程度と3年ぶりのプラス成長が見込まれ、名目成長率も0.4%程度と、同様にプラスに転じると見込まれております。
 このような状況下、国の平成22年度予算では「コンクリートから人へ」「未来への責任」「地域主権」などの基本理念のもとで編成をした上で、平成21年度第2次補正予算と平成22年度予算を一体として切れ目なく執行することにより、景気が再び落ち込むことを回避し、着実に回復させるとともに、将来の安定的な成長につながる予算とされております。
 また、地方財政におきましては、個人所得の大幅な減少や企業収益の急激な悪化等により、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が引き続き落ち込む一方、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移することなどにより、定数削減や人事院勧告に伴い、給与関係経費が大幅に減少しても、なお財源不足が過去最大の規模に拡大するものと見込まれております。
 一方、国の平成22年度予算編成の基本方針において、地域のことは地域で決める地域主権の確立に向けた制度改革に取り組むとともに、地域に必要なサービスを確実に提供することで、住民生活の安心と安全を守るとともに、地方経済を支え、地域の活力を回復させていくこととされたことにより、地方財政対策として地方交付税や臨時財政対策債の増額による財源措置を行うものとしております。

歳入歳出について

 歳入の根幹をなします市税収入は大変厳しい経済情勢の中、減少傾向が継続するものと考えられ、また、地方交付税や臨時財政対策債につきましては、国の地方財政対策として増加が見込まれるものの、その他の歳入の確保も非常に厳しい状況にあります。
 また一方で、歳出におきましては、生活保護受給世帯の増加や障害者自立支援法に基づく福祉サービス利用者の増による扶助費の大幅な増加が見込まれるなど、大変厳しいものとなっております。
 そのような状況の中、私は、「市民が主役の奈良市政の実現」に向け、市民の生活に直結した市民サービスを推進していくため、徹底した財政の健全化を図ってまいりたいと考えております。
 そのため、歳出面におきましては、すべての施策をゼロベースで見直すこととし、昨年秋には公開の場で市民や民間等外部の視点を取り入れた事業仕分けを実施いたしました。
 その場で得た議論や評価をもとに、担当部局において事業の必要性や運営手法について改めて見直しを行い、新年度の予算に反映をさせるという新しい手法も取り入れました。
 そのほか、歳出削減の取り組みといたしましては、定員適正化計画により、職員の新規採用を抑制することで職員数を削減し、さらに職員の給与につきましても、2%から4%のカットを継続することにより人件費の削減を行いますとともに、事業の民間委託などにより見直しを図ったところであります。
 一方、歳入面におきましては、引き続き市税の徴収率の向上に努め、使用料などその他の債権の回収についても、さらに体制を強化し厳正に取り組んでまいります。
 その他の歳入確保策としては、実質的な交付税とされる臨時財政対策債や退職手当債の活用のほか、宅地造成事業費特別会計の廃止に向け、第三セクター等改革推進債の活用を図ったところであります。
 しかしながら、新市建設計画推進のための合併特例債や土地開発公社経営健全化対策に係る特例措置の市債を除いた建設地方債の発行については、将来の負担となることから抑制することといたしました。
 私が掲げさせていただいたマニフェストの項目につきましては、新年度予算編成方針に基づき、厳しい財政状況を勘案して、新年度で直ちに実行するもの、また、調査研究など段階を踏んで進めていくものなど、優先順位をつけて実施をしてまいりたいと考えております。
 そのことから、市政運営の基本的な柱として、「くらしの安心安全を守るまちづくり」「人と自然に優しいまちづくり」「行政のあり方を市民目線で見直すまちづくり」の3つの目標を定め、その実現に向けた予算編成としたところであります。


 このような方針に基づき編成いたしました本市の新年度の予算案は、一般会計におきまして1279億円となり、前年度予算に比べ3.5%の増となったところであります。

 また、下水道事業費特別会計を初めとする13特別会計におきましては719億4300万円の予算を、次いで公営企業会計3会計におきましては234億4050万円を計上し、これら全会計を合計いたしました奈良市全体の財政規模は2232億8350万円となり、前年度予算に比べて1.8%の増となった次第であります。


 それでは、平成22年度の主要な施策の概要を、市政運営の3つの目標ごとに説明をさせていただきます。

市政運営目標(1)「くらしの安心安全を守るまちづくり」

 我が国では、少子高齢化が進む中で人口減少社会を迎えており、世代別人口構成においては年少人口や生産年齢人口の割合が低下しております。
 この変化は、国の経済社会に大きな影響を与えることが懸念されております。
 本市におきましては、合計特殊出生率が全国平均を下回っていることや、社会動態においても人口流出傾向にあることから、人口は減少下にあります。
 こうした状況は、地域経済や消費活動に影響を及ぼすとともに、地域社会の活力の低下を招くことが予測されております。
 次代を担う世代のために、子育て、医療、教育などの分野の環境整備を行い、地域社会の活性化を図り、市民の皆様が安心して暮らせる魅力的なまちづくりを目指してまいりたいと考えております。

子育て支援策
 近年、長引く不況による家計収入の減少により、子育て家庭における共働きが増加し、また、潜在的に就労意思を持った市民も多く、保育に対するニーズも多様化していることから、子育てに対する不安や負担を軽減するための子育て支援策を講じてまいります。
 その1つとして、仕事と子育ての両立を支援するため、保育所の待機児童解消を目指した環境の整備を図ります。
 新年度におきましては、民間保育所で児童の定数を拡大し、施設の増築を行う2事業者に対して施設整備の補助を行います。
 また、幼保一元化による認定こども園として昨年開園いたしました認定こども園富雄南幼稚園に続きまして、都祁地域におきましても新年度4月から保育所型の認定こども園都祁保育園を開園いたすところであり、保育所と幼稚園の連携により、子供の健全育成と保護者の負担軽減など、地域の状況に合わせた支援を行い、待機児童の解消に努めてまいります。
 また、保護者には市外への通勤者も多く、勤務形態が多様化をしているため、公立保育園のうち5園をモデルとして、現在、午前7時30分から午後6時30分までの開所時間を前後それぞれ30分ずつ追加をし、午前7時から午後7時までの延長保育を実施することで保護者の利便性の向上を図り、負担を軽減いたしたいと考えております。
 次に、働きながら子育てをされている保護者が、子供が病気のときに仕事を休めず困ることが多いことから、一時的に保育ができる体制の構築を図るべく、病児・病後児保育について研究をしてまいりたいと考えております。
 また、地域子育て支援につきましては、近年の都市化、核家族化により子育ての環境が大きくさま変わりし、家族や身近な地域社会との交流が少なくなり、孤立する保護者が増加しております。
 平成21年度末に策定いたします後期の次世代育成支援行動計画に基づき、次代を担う子供たちを地域全体で守り育てる環境づくりを支援してまいりたいと考えております。
 新年度におきましても、子育て全般に関する専門的な支援を行う拠点となる地域子育て支援センター、また、乳幼児や保護者が気軽に集え、他の親子とも触れ合える場としてのつどいの広場や子育てスポットについても設置拡充に努めますとともに、新たに子育てスポットすくすく広場を設置してまいりたいと考えております。
 また、子ども手当につきましては、国の施策により次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援する観点から、中学校修了までの子供を対象に、1人につき月額1万3000円が支給される予定です。
 さらに、児童扶養手当につきましては、これまで母子家庭を原則に支給されてきましたが、制度を拡充し、父子家庭にも同様に児童扶養手当が支給されることとなり、給付の不均衡の解消が図られることとなりました。

高齢者福祉
 高齢社会が急速に進展する中で、明るく活力に満ちた生活を実現するためには、高齢者が生きがいや心の豊かさを求めて、地域社会の一員としてボランティア活動や地域活動に積極的に参画し、地域社会を支える役割を担っていただくことが大切であると考えております。
 老春手帳優遇措置事業につきましては、この制度を高齢者の生きがい対策として、将来にわたって持続可能な制度として維持していくため、新年度におきましても利用者の負担をお願いする中で、バス優待乗車及び公衆浴場入浴制度を継続してまいりたいと考えております。
 また、仮称南部福祉センター建設につきましては、これまで老春の家建設事業として進めてまいりましたが、高齢者の利用に限定することなく、地域の方に幅広く利用していただくため、子供たちやその保護者も親しめる施設を併設し、世代間交流を深める空間として提供してまいりたいと考えております。
 一方、高齢者の介護や支援につきましては、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯が増加する中で、高齢者の多くが介護が必要になっても、住みなれた地域での暮らしを望んでいることから、地域で高齢者やその家族を支え合う体制が必要となっております。
 新年度におきましても、地域包括支援センターを中心とした地域包括ケア体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
 また、新年度におきましては、介護が必要となった高齢者が自宅から遠く離れることなく、今までの人間関係やなれ親しんだ生活環境をできるだけ維持できるよう、通いを中心に、訪問、泊まりのサービスを一体的に提供できる小規模多機能型居宅介護施設の整備や開設経費について、3カ所の民間事業者に補助を行うものであります。
 さらに、施設サービスについては、特別養護老人ホームが常に満床状態であることから、重度の要介護者が長期にわたり待機している状況を改善するため、新年度におきましては、3カ所の民間事業者の施設整備について補助を行うものであります。
 また、認知症対策につきましては、認知症高齢者の増加が見込まれることから、早期の段階から適切な診断と対応、また、認知症に関する正しい知識と理解に基づく本人や家族への支援などを通し、地域において総合的かつ継続的な支援体制を確立していくことが必要であります。
 新年度では、市内の地域包括支援センターに委託し、認知症連携担当者を配置し、県の指定する認知症疾患医療センターと連携しながら相談支援を行い、地域における認知症ケア体制及び医療との連携体制を強化してまいりたいと考えております。

障がい者福祉
 
障がいを持つ方が地域において安心して自立した日常生活や社会生活が送れるよう、多様化するニーズにも柔軟に対応し、支援をしてまいりたいと考えております。

地域医療体制
 これまで市立奈良病院は、地域医療の拠点施設として、その医療機能を果たしてまいりました。
 平成21年11月には災害拠点病院として指定されたところでありますが、現施設が老朽化し狭隘であることから、さらなる医療機能の充実を図るため、50床の増床、センター化構想の推進、その他災害や感染症への対応等、多様化する医療ニーズに対応できる新病棟等の建設を新年度から平成25年度までの期間で進めてまいります。
 また、新病棟等建設による看護師等医療スタッフの確保や、市内における看護師不足に対応するため、新年度におきましては看護専門学校の設立に向けた研究・調査を進めてまいりたいと考えております。

保健所及び教育センター等の複合施設
 
年度内に竣工し、平成23年度当初からの開所に要する検査機器等の整備に係る経費の予算措置を講じました。

妊産婦、乳幼児に対する支援
 今、少子化の進行や家庭や地域における子育て力の低下により、市内在住の妊産婦や乳児を持つ保護者は、育児に対する不安感を増大させております。
 こうした妊娠中や育児での不安や心配事などの相談に応じるため、本庁や西部出張所において助産師を配置し、また、市内の公民館を助産師、保健師が巡回することにより、身近なところで妊産婦や乳児を持つ保護者を支援し、安心して子育てを行える体制を構築してまいります。
 また、生後4カ月までの乳児のいるすべての家庭を助産師、保健師等が訪問し、育児の悩みや不安を聞き、子育てに関する必要な情報提供を行います。
 その中で、支援が必要な家庭に対しては保健指導を行うことで、乳児家庭の孤立を防ぎ、保護者の育児不安を軽減し、虐待の予防や子供の健全育成を図ります。
 次に、妊婦健康診査費用につきましては、平成21年度より公費負担を1人当たり14回、8万円に拡充をしたところでありますが、新年度では、さらに5,000円の増額をし、妊婦の経済的負担を軽減し、健康診査の受診の促進を図ります。
 次に、予防接種についてでありますが、乳幼児の髄膜炎の発症の約半数がインフルエンザ菌B型、いわゆるヒブの感染によるものと言われ、突発的に発症するため治療が困難であり、後遺症や死亡に至る事例も報告されております。
 感染を未然に防ぐワクチンにつきましては、現在、任意接種となっておりますが、本市といたしましては、新年度よりヒブワクチンの予防接種費用の一部公費負担を行い、保護者の経済的負担の軽減を図ってまいります。

国民健康保険
 新年度におきましても特定健康診査・特定保健指導の受診率の向上を図り、市民の生活習慣病の予防や健康管理を進めることで、医療費の増大の抑制に努めますとともに、国民健康保険特別会計の財政の安定化を図ってまいります。

学校教育
 
平城京の昔から今日まで受け継がれてきた文化遺産や伝統を未来に引き継ぎ、さらに新しい文化を創造していくためには、教育の力が重要であると考えております。
 平成21年5月に策定をされた奈良市教育ビジョンでは、「奈良らしい教育の推進」と「地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりの推進」を目標に掲げておりますが、その実現を図るためには、学校と地域の一体的な連携が必要であります。
 そのため、中学校区を1つの単位とし、地域や学校の特性や実態に応じた特色ある教育活動を進めていくための体制を整えてまいりたいと考えております。
 また、小学校と中学校の連携を進める小中一貫教育につきましては、9年間の連続した学びの中で確かな学力と豊かな人間性をはぐくむことを目的として、新年度では(仮称)富雄第三小中学校の建設工事に着手し、平成23年度開校を目指して準備を進めてまいります。
 次に、小学校における30人学級につきましては、これまでも子供の発達や特性を把握し、個に応じたきめ細やかな指導を通して、子供に確かな学力と豊かな人間性、規律あるたくましい心と体をはぐくむことを目的として、1、2年生全クラスにおいて取り組んでおります。
 これまでの成果を踏まえ、30人学級を段階的に拡大してまいりたいと考えておりますが、新年度におきましては3年生まで拡大をして実施を進めてまいります。
 次に、世界遺産学習についてでありますが、世界遺産を初めとするすぐれた歴史的文化遺産や伝統文化、豊かな自然を身近に感じることができるのは、本市ならではの特徴であります。
 この特徴を生かした新しい教育の創造・推進を図るとともに、新年度は世界遺産学習全国サミット2010inならを平成22年12月に開催いたしたいと考えております。
 さて、近年では、偏った栄養摂取や不規則な食生活などが問題となっておりますが、特に中学生は成長に必要な栄養素の摂取が求められる大事な時期であり、栄養バランスに配慮した食事をとることが重要であると考えます。
 成長期にある中学生の健全な育成や、食に関する正しい知識を習得する食育という観点から、中学校にも完全給食を導入してまいりたいと考えております。
 新年度におきましては、調理方式、運営形態等について検証し、中学校給食導入に関する計画を策定してまいります。
 また、学校校舎、屋内運動場の耐震補強につきましては、新年度におきましても引き続き耐震診断及び耐震補強工事に向けた補強設計を実施いたしますとともに、7校で耐震補強工事を実施し、安全の確保を図ってまいりたいと考えております。
 青和、東登美ヶ丘小学校の校舎につきましては、平成21年度の耐震補強工事に引き続き、老朽化に伴う大規模改修工事を実施いたします。

人権施策
 
すべての人々が真に尊重される自由で平等な社会の実現と、人と人とのつながりを重視したふれあいのあるまちづくりを進めるため、教育や啓発活動、人権擁護体制の充実などの施策に取り組んでまいりたいと考えております。

男女共同参画社会の推進
 
男女の人権が尊重され、個性と能力が十分に発揮できる社会の実現を目指し、新年度におきましては、配偶者からの暴力の防止及び被害者支援計画の策定、また、平成23年度を初年度とする新たな男女共同参画計画の策定に向けて取り組んでまいります。

消防力の充実
 市西部地域の消防の拠点である西消防署につきましては、昭和42年建設の現庁舎が老朽化し、狭隘であり、また耐震構造でないことから、消防庁舎建てかえに係る用地の取得等に要する予算措置を図ったところであります。
 また、さらなる救命率の向上を図り、救急現場から病院収容まで継続した医療を確保するため、新年度では、救急隊と医師が同乗するドクターカーの導入に向け、その準備経費の予算措置を講じました。

市政運営目標(2)「人と自然に優しいまちづくり」

 本市は、世界遺産の8資産群を初め、それを取り巻く歴史的風土と自然が見事に融合した歴史都市であります。
 しかし、交通量の増大による渋滞や排出される大気汚染ガスなどにより、これまで守り続けてきた大切な文化遺産、自然環境、そして市民生活への影響が懸念されておりますことから、奈良の文化遺産や自然環境の保全を図りながら、魅力ある観光産業など経済の振興と地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。

観光の振興
 本年1月1日に盛大かつ華やかにオープニングセレモニーを行った平城遷都1300年祭は、日本の歴史・文化が連綿と続いてきたことを祝い、感謝するとともに、「日本のはじまり奈良」を素材に、過去・現在・未来を考え展開する事業であります。
 これを一過性のイベントとして終わらせることなく、本市が持つすばらしい歴史的文化遺産や自然環境を国内外に訴え、奈良市の存在感を高めていく絶好の機会ととらえ、事業が終了した後も、観光客の増加へとつながる取り組みを図っていくことが大切であると考えております。
 新年度におきましては、平城遷都1300年記念事業の市独自の取り組みとして、期間中、市民連携企画会議で発案された事業や、国内外の友好・姉妹都市の参加協力を得て行う姉妹都市ウィークなどのイベントや作品展を開催してまいります。
 また、平城遷都1300年記念事業の一環として誘致いたしました世界歴史都市会議につきましては、「歴史都市の継承と創造的再生」をテーマとして、10月12日から15日までの4日間、なら100年会館をメイン会場に、世界の歴史都市の首長や専門家をお迎えし、会議を開催するとともに、高校生によるユースフォーラムや歴史都市市長シンポジウムなどを行いたいと考えております。
 次に、全国の光のイベントを実施している団体が集う、明かりの祭典「全国あかりサミットin奈良」の奈良市での開催が決定されたことに合わせて、平城遷都1300年祭をさらに盛り上げるため、全国からLEDライトやろうそくなどを用いたイベントを招致する、「第1回全国光とあかり祭」が奈良公園で開催されますので、その費用の一部を負担する予算措置を講じたところであります。
 そして、夏と冬の観光閑散期に奈良のまちににぎわいをもたらすイベントして始まった夏の風物詩「なら燈花会」と、ことし2月に開催し成功をおさめた「なら瑠璃絵」の開催に対しましても、引き続き助成を行ってまいりたいと考えております。

ならまちにおける空き家活用事業
 
近年、ならまちでも高齢化や家族構成の変化により、空き家の発生が顕著になっております。
 空き家の増加は地域の活気や防犯性を低下させるため、早急な対応が求められています。
 空き家を利活用することにより、ならまちの歴史的景観を保存するとともに、活力ある地域として再生するため、新年度におきましては空き家の実態調査を行い、空き家バンクの制度設計を行ってまいりたいと考えております。

商業の振興
 今日では、奈良市でも郊外型の大型小売店舗で消費することが多く、市街地での消費は減少を続けております。
 それによって市街地の経済力が減退し、地域が活力を失いつつあります。
 地域の商業を活性化させるためには、商店街が繁盛し、まちににぎわいを取り戻すための取り組みが必要であり、また、地域の特性を生かし、地域に密着した新しいビジネスへの支援が必要であると考えております。
 まず、地域の商業を活性化させるための取り組みといたしましては、マーチャントシードセンターのスペースを利用して、市内の物産等を積極的にPRできるイベントを定期的に開催してまいりたいと考えております。
 次に、地域での新しいビジネスに対する支援につきましては、地産地消や子育てなど、地域に根差したコミュニティビジネスの立ち上げを支援するためのニーズを調査研究してまいりたいと考えております。

観光産業
 
奈良市が持つすばらしい文化遺産や自然環境を観光資源として生かしながら、歴史都市として環境問題やまちづくりにも配慮した持続可能な産業として発展させていく必要があります。
 また、奈良の基幹産業としてさらなる雇用を生み出すためにも、新たに観光産業を立ち上げようとする事業者を支援していく必要があり、新年度におきましては、奈良の観光産業の実態や、それに対する支援方法などについて調査研究を行ってまいりたいと考えております。

農産物の地産地消の推進
 
近年、市民の食に対する意識が向上し、より安全で新鮮なものが求められております。
 市内の農家で生産された農産物は、流通過程が短く、新鮮で生産者の顔が見えるという安心感もあることから、積極的に販売機会を設けてまいりたいと考えております。
 また、さきにご説明をいたしました中学校給食の導入に際しても、地域の野菜、奈良の伝統野菜を食材としてより多く取り入れ、地産地消を進めることで、地元農業の振興を図ってまいりたいと考えております。

環境保全
 私たちの日常の生活や事業活動は、大気汚染や地球温暖化など環境問題を生じさせ、長年にわたり守り続けてきた大切な歴史的文化遺産や自然に悪影響を与えています。
 また、観光シーズンの交通量増加による渋滞は、自然環境のみならず、地域の市民生活にも大きな影響を与えております。
 貴重な歴史的遺産を守り、豊かな自然環境を未来へ引き継いでいくためには、市民や観光客が安全で快適に利用できる市内の公共交通機関や自転車の利用を促進し、交通渋滞の緩和を図り、地球に優しい交通体系を構築する必要があると考えております。
 こうしたことから、平成10年度に策定をされた本市の環境政策の基本方針である「奈良市環境基本計画」は、その後の社会環境の変化により、計画内容を見直す必要が生じております。
 持続可能なこれからの環境配慮型社会の実現に向けた新たな基本計画として、平成22年度、23年度の2カ年で改定してまいりたいと考えております。
 また、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、地域の自然・社会条件に応じた温暖化対策を推進するため、温室効果ガス排出量の現況推計や分析・目標設定を行い、地球温暖化対策地域実行計画を策定してまいります。
 低公害車導入補助につきましては、自動車から排出される大気汚染ガスを抑制するため、市内の公共交通機関であるタクシー業者が低公害車を導入する経費に対して、国の補助制度に協調して1台当たり20万円を限度として補助を行うことで、低公害車の普及促進を図ってまいります。
 次に、家庭用ソーラーパネルの設置補助につきましては、温室効果ガスの発生を削減するためには、家庭でのCO2削減が重要であり、太陽光発電の利用が効果的であると注目されております。
 新年度におきましては、家庭用ソーラーパネルを設置する家庭に対して、1キロワット当たり5万円で10万円を限度とする補助を行ってまいります。

交通環境の整備
 
現在、自転車等放置禁止区域に放置された自転車等については、移動日を設け自転車等保管施設へ移動しておりますが、移動の実施日数をふやし、さらに強化を図ってまいります。
 また、春秋の観光シーズンにおける市内での交通渋滞を緩和するため、現在、日曜日と祝日に実施しているパーク・アンド・ライドを土曜日にも拡大実施し、世界遺産ゾーンや中心市街地への乗用車流入の抑制を図ります。
 このパーク・アンド・ライドでの自転車の無料貸し出しに加え、新年度におきましては、JR奈良駅臨時自転車駐車場におきまして、電動アシスト自転車を有料で貸し出すなど、環境に優しい移動手段として自転車の利用促進を図ってまいります。
 また、平成21年7月の道路交通規制一部改正により、幼児2人同乗基準適合自転車が販売されておりますが、交通安全と子育て支援の観点から、基準適合自転車の購入に対して助成してまいります。

環境美化
 
循環型社会の形成に向けて、ごみの減量とリサイクルの促進による再資源化を進めてまいります。
 また、環境清美センターの施設の移転計画につきましては、移転計画策定委員会において引き続き移転候補地等について検討をしていただき、計画の早期実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

市民参画や協働、市民による自治
 今、国の施策においても、地域のことは地域で決める、地域主権の確立に向けた制度改革や、新しい公共の担い手の育成に取り組もうとしておりますが、本市においても地域課題のすべてを行政が担うのではなく、地域のことは地域で解決しようとする、自立した市民による活動を支援してまいりたいと考えております。
 そこで、市民による身近な課題を解決するための活動に対して、市民みずからの意思により個人市民税の1%相当額を支援できる(仮称)奈良市市民が選ぶ1%支援制度を創設します。
 これにより、市民活動に対する市民の理解を深めるとともに、地域活動への参画の機会提供や納税意識の向上にもつなげてまいりたいと思います。
 また、平成23年4月に開設を予定しております保健所等複合施設に設置いたします(仮称)ボランティアインフォメーションセンターでは、これからボランティア活動を始めようとする方々の相談や情報提供、助言などを行い、協働によるまちづくりを推進してまいります。

本市の誇る文化遺産
 1300年前から連綿と受け継がれてきたこの奈良のすばらしい歴史的文化遺産を未来へと引き継いでいくためには、まず奈良に暮らす市民一人一人が奈良の魅力を感じる必要があります。
 そこで、(仮称)世界遺産大学では、奈良にかかわる世界遺産、伝統工芸、伝統芸能に関する講座を通して、ふだん、市外の学校や職場に通い、地域とのつながりの少ない若い世代の方々にも参加していただき、奈良の魅力を再発見し、感じてもらえる学びの場を提供していきたいと考えております。

西部図書館
 
現在の駐車場スペースが狭隘であることから、隣接する土地を取得し駐車場を拡大し、市民が利用しやすい環境を整えてまいります。また、宮跡庭園や大安寺旧境内の保存整備を引き続き進めるとともに、多くの指定文化財などにつきましても、引き続きその保全・活用を図ってまいります。

市内主要駅周辺等の市街地整備
 
奈良の玄関口であるJR奈良駅周辺の基盤整備につきましては、JR奈良駅付近連続立体交差事業における鉄道高架本体がまもなく竣工となり、全面高架運行が開始されますが、新年度におきましては、引き続き駅東口等の整備を進めてまいります。
 また、JR奈良駅前からつながる三条通りの拡幅につきましても継続し、整備を進めてまいります。
 さらに、近鉄大和西大寺駅周辺につきましては、南地区におきましては、引き続き土地区画整備事業として区画道路築造や建物移転補償等の事業の推進を図り、また、北地区につきましては、引き続き駅前広場等の整備事業の事業化に向け、都市計画変更や事業認可申請等に取り組んでまいります。

道路網の整備
 
引き続き計画的な整備を進めてまいりますとともに、特に市民が日常利用する生活道路につきましては、利便性と安全性を確保し、生活環境に配慮した道路整備を図ってまいります。
 さらに、公園、河川、住宅につきましても、計画的に改修・整備を行ってまいります。

景観の保全・形成
 
奈良らしい景観を将来世代に伝えていくためには、市域全域を総合的にとらえ、市民、事業者、行政が連携・協働して景観づくりを進めていくことが必要であります。
 新年度より、「なら・まほろば景観まちづくり条例」が施行され、市内全域において景観の保全強化を実施し、美しい町並み形成を推進してまいりますが、特に景観形成重点地区においては、奈良らしい町並みが感じ取れるよう修景整備を促進するため助成制度を実施し、景観まちづくりを推進してまいります。
 また、観光スポットであります元興寺、ならまち周辺において、無電線化により景観の保全を図ってまいりたいと考えております。
 新年度におきましては、地元等との調整を図りながら、平成21年度に作成いたしました無電線化構想に基づき具体的な整備計画を策定し、電線類美化に向けた取り組みを進めてまいります。

水道事業
 水道事業につきましては、「信頼の水道 未来へつなぐライフライン」を将来像として掲げ、水道事業中長期計画に基づき、安全で安心できる水道水の安定供給に努めてまいります。
 老朽施設の更新や改良、施設の耐震化等の計画的な実施に向け、現在、送配水施設整備計画を策定中であり、新年度におきましても財政の健全化を保ちつつ、災害発生に備えた配水本管の整備や老朽施設の更新、鉛給水管の解消などに引き続き取り組み、水道サービスの質の向上に努めてまいりたいと考えております。

下水道
 
新年度も引き続き幹線等の整備を行い、快適な生活環境の形成に努め、また、平城浄化センターの耐震化を図ってまいります。
 さらに、下水道に関する情報管理のための下水道台帳システム化に引き続き取り組んでまいります。

市政運営目標(3)「行政のあり方を市民目線で見直すまちづくり」

 景気の後退により市税収入が大幅に減少する厳しい財政状況にあっては、徹底した行財政改革が必要であり、これまでの施策を細かく見直し、将来の負担を削減する姿勢が必要であります。
 これまで、国・地方においても景気・経済対策として公共事業への投資に重点を置いた行政を継続してまいりました。
 そのため、国債及び地方債を発行し多額の債務を負うこととなり、国・地方を合わせた長期債務残高は、平成22年度末でおよそ862兆円で、うち地方ではおよそ200兆円が見込まれております。
 本市におきましても、これまで多額の市債発行によるインフラ整備を進めてきたことにより、公債費は高水準で推移し、財政を圧迫しております。
 このことから、新年度予算編成に当たりましては、冒頭でもご説明をいたしました新市建設計画推進のための合併特例債や、土地開発公社経営健全化対策に係る特例措置の市債を除いた建設地方債の発行については、平成21年度に比べて15.1%を削減したところであります。

事業仕分け
 
予算編成過程や、いかなる優先順位により事業が決定されるのかを明らかにするためには、市民や外部の視点を活用した方法で予算編成を行うことは一つの有効な手段であると考えておりますので、新年度においても、実施時期や手順を見直し、より効果的な内容で実施してまいりたいと考えております。

外郭団体等
 統廃合や自立に向けた環境を整備し、対策を講じてまいりたいと考えております。

宅地造成事業費特別会計の廃止
 
平成20年度宅地造成事業費特別会計の決算が、地方公共団体の財政健全化法による資金不足比率において経営健全化基準を超えたため、経営健全化計画を策定いたしました。
 この計画では、これまで本市の公共事業の用地取得における代替用地等として活用されてきた宅地造成事業が一定の役割を終えたことから、この会計を廃止するものとしております。
 廃止に際しては、宅地造成事業費特別会計が持つ負債を返済するため、第三セクター等改革推進債を活用してまいりたいと考えております。

土地開発公社の経営の健全化
 
平成18年3月に策定した土地開発公社の経営の健全化に関する計画に基づき、供用済みの土地については、一般会計に買い戻しを行うなど経営の健全化を図ってまいりましたが、抜本的な健全化を図るため、外部有識者による専門的な見地からの現状の評価・分析を行い、今後の土地開発公社のあり方について検討してまいりたいと考えております。

奈良市の都市像などを定める次期総合計画の策定
 
平成21年度では、公募市民によるまちづくり市民会議を設置し、将来都市像やまちづくりの方向性などについて検討してまいりました。
 新年度におきましては、市民会議からの報告や総合計画審議会からの答申を踏まえて、基本構想案を策定し、議会に提案いたしまして、ご審議、ご議決いただいた後、次期総合計画として決定させていただきたいと考えております。

情報システム
 現在、庁内の各部局で個別の施策ごとに稼動している情報システムが増加し、全庁的にコストの増大を招くこととなっておりますことから、平成21年度に設置いたしましたCIO補佐官を中心として、情報システム全体のあり方を見直し、コスト縮減も含め最適化を図ってまいりたいと考えております。

法令遵守
 
信頼される市政を確立していくため、市政運営への要望に対する適正な対応のあり方などを明確にし、市政の公正化や透明化等を図ってまいりたいと考えております。

職員養成塾
 これまで国において地方分権や道州制の議論がなされてまいりましたが、今後、地域のことをみずから決定していくためには、基礎自治体である本市の職員も相応の能力と知識が必要となってまいります。
 これからの厳しい行財政課題や多様化する市民ニーズに迅速かつ適切に対応できる能力を養成するため、職員養成塾として専門的な研修の充実を図ってまいります。