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奈良しみんだより平成30年3月号(テキスト版)2-5ページ 特集:今、注目される「食の都、奈良」~さらに「もう一食、もう一泊」のまちへ~

 

登録日:2018年3月1日

今、注目される「食の都、奈良」

~さらに「もう一食、もう一泊」のまちへ~
国内有数の観光都市として知られている奈良市。
近年、本市を訪れる観光客数は増え続けていますが、さらに消費額を増やす施策の一つとして、本市で食事をし、さらには宿泊をしてもらう「もう一食、もう一泊」への取組を進めています。そして今、世界の舞台で活躍し評価されている料理人たちが、その腕を振るう場所に「奈良市」を選んでいます。
今月号では、本市が選ばれている理由、そして「食の都」としての魅力を特集します。

「食」が担う本市の地域経済活性化

直近5年間で、本市を訪れた観光客数(観光入込客数)は、約1332万人から約1554万人へと、約220万人増加。観光消費額も約764億円から約1013億円へ約32パーセント増、特に飲食費は約98億円から約149億円へと約52パーセント伸びています。近年、観光客が旅行で使う金額が増加傾向にあり、特に飲食費の伸びが大きいことから、観光都市にとって「食」の充実は、地域経済活性化の大きな可能性を持っていると言えます。

本市の観光入込客数と観光消費額、観光客が本市内で使う飲食費の推移
・観光消費額…5年間で約32パーセント増
・飲食費…5年間で約52パーセント増

平成24年
飲食費 97.6億円   
観光消費額 764億円  
観光入込客数 1332.4万人  

平成25年
飲食費 118.0億円
観光消費額  873億円 
観光入込客数 1379.5万人 

平成26年
飲食費 124.6億円
観光消費額 892億円
観光入込客数 1414.3万人

平成27年
飲食費 137.2億円
観光消費額 935億円
観光入込客数 1497.6万人

平成28年
飲食費 148.9億円
観光消費額 1013億円
観光入込客数 1554.3万人
※奈良市:奈良市観光入込客数調査報告、観光庁:旅行・観光消費動向調査、訪日外国人消費動向調査、共通基準による観光入込客統計より推計

 

フランスの美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」の「今年のシェフ賞」受賞。 奈良で「食」の活性化をめざす

●川島 宙(かわしま ひろし) さん(「akordu(アコルドゥ)」オーナーシェフ)

スペインの美食の町サン・セバスティアンにある、「世界のベストレストラン50」でランク3位にも輝いた名店「ムガリッツ」での修行を経て、2008 年富雄で「akordu」をオープン。「土着と洗練」をコンセプトに、奈良の食材そのものの力を生かしながら、物語性の強い独自のモダン料理を提供。東大寺旧境内跡地へ移転後、奈良の風土をより色濃く反映した料理が評判を呼ぶ。食材の背景にある生産者の思いや時間への敬意が込められた料理で、多くの人を魅了し続けている。

・歴史という「記憶」がある地だからできる表現
店名の「アコルドゥ」はバスク語(バスク語…スペインとフランスにまたがるバスク地方で話されている言葉)で「記憶」という意味で、富雄での営業時は「冬の森」や「夏の海」というような「人間が持つ記憶」をテーマに料理を作っていました。奈良に来て、この地が描かれている古事記や万葉集のエッセンスを料理に取り入れる中で、これらには「この世の森羅万象のすべて」が表現されていると改めて感じています。
そして、毎朝見る若草山の色一つとっても、季節の移ろいや天候によって見せるさまざまな表情に、はるか昔から連綿と続く時の流れが感じられ、料理にも深みや広がりが加わります。「歴史」という、より大きく普遍的な意味での「記憶」をコンセプトに置くことができる、壮大な世界観の表現に挑戦できるきっかけをくれたのが、この「奈良」という地です。

・「良い食材」を作る「良い生産者」。この地には「ポテンシャル」がある。
「日本各地を回り、その地の食材を使って料理をする」というテレビ番組に出演し、改めて「奈良の生産者が仕事に真摯に向き合い、良いものを作っている」ことを実感しました。修行中のスペインで驚いたのは、例えば洋菓子店に行くと、日本の都心部と比べ、並んでいる種類があまりに少ないことでした。旬の素材のものしかないのです。けれど大変おいしかった。食材の種類が少ないことよりも、「その季節、そこにある良いもの」を食べることが豊かだということに、生産者、料理人、そしてそこに暮らすすべての人が、心から誇りを持っていました。奈良で開業し、生産者の方との交流の中で、みなさんは同じ誇りを持ち、懸命に「その季節、そこにある良いもの」を作っているとわかりました。だから私は、作り手側の思いもすべて料理で伝えたい、と思っています。

・自分の役、「地産地消」のその先へ。
レストランというのは人を幸せにしなければ意味がありません。
それは自分、家族、お客様だけでなく生産者も含めてです。「地産地消」という言葉がありますが、「地元のものを地元で消費する」ことがゴールではないと考えています。「地元の良いものが、地元だけでなく、市外、県外、国外で消費される」ことで一次産業者が生産を続けられる、生業として成り立つ、そして地域が活性化する、「地産地消」のその先にある「地産外消」に結びつけないといけないと思っています。
「良い生産者」がいて「良い食材」、そして「意味深い歴史」があるこの地は、非常に大きなポテンシャルがあります。「良い生産者」と「良い食材」が増えることで、「奈良の食」は大きく飛躍できると思っています。自分たちの生業として、「良い生産者」と共に成長し、その「良い食材」を使って「良い料理」を提供して「奈良の食」の素晴らしさを発信していく。それが私たち料理に携わる者のするべきこと、「役」だと考えています。

 

奈良の食を育んできた「多様性の文化」

かつての奈良では、積極的に海外に赴き、そこで得たものや情報を持ち帰り、自分たちの生活に取り入れてきた多様性の文化があります。漢字等に代表される書や社寺の建築等に色濃く残っていますが、食においても海を越えてこの地に渡り、今でも名産となっているものがあります。
大和茶
海外に由来する奈良名産の食の一つ
本市が誇る名産品、大和茶。奈良の寺院でも修行し、遣唐使として中国に派遣された弘法大師(空海)が、平安時代にその種子を持ち帰り栽培したと言われています。今では緑茶のイメージですが、明治時代には紅茶が全国的に有名となりました。

 

「多様性」のまち、奈良を「ミシュラン2つ星」の感性が選んだ。

●西原 理人(にしはら まさと)さん (「白(つくも)」料理長)

京都・軽井沢で修行後、ニューヨーク初の精進料理店「嘉日」で料理長を務める。「海外で表現する本物の日本料理」として、「ミシュランNY」で2つ星を獲得。その後ロンドンで活躍した後、より根源的な日本料理をめざし、2015年に自身の感性を揺さぶった奈良で「白(つくも)」をオープン。奈良の歴史や文化を料理で味わえる店として、市内外の人が訪れる。

・「他を受け入れる多様性」。奈良の懐の深さに惹かれて
京都で修行し海外で経験を積む中で、懐石料理のさらに深淵にある精進料理、日本食のより根源に向き合いたいと思うようになりました。
久々に訪れた奈良では、薬師寺の仏像の台座にインド、中国、ペルシャといった大陸の文様が描かれているのを見て、この地に都があった当時、世界の文化を取り入れた「多様性」と、それらを日本文化として昇華させたことを目の当たりにし、感動しました。海外のものをそのまま受け入れるのではなく、必ずそこに日本人としての感性を入れて独自のものとして創造する「懐の深さ」。京都の食文化は美意識、完成度の高さは確かに素晴らしいのですが、自分が
海外で見てきたものをそのまま料理にするのではなく、自分の中から出てくる料理を作りたかった私の思いと奈良の「多様性」がリンクし、「自分が表現の場にしたいのはここだ」と確信した瞬間でした。

・「豊かに食べる」文化、食でもメトロポリスだった奈良
奈良の食の魅力は二つあると思います。一つは「食材の良さ」。大和牛等の畜産物やヒノヒカリ等はとても味が良く、積極的に奈良のものを使っており、毎月必ず奈良の食材を使い、奈良をイメージした一皿を考案しています。この地には「良い食材」が多くあります。
もう一つは、古代の「豊かな食」。現在、全国各地の食材が得られる時代ですが、内陸に位置する奈良では、過去に「海のもの」を食べることは至難の業だったと思います。しかし、人々は塩でしめて保存性を高め、それらを食べる方法を編み出しました。豊かに食べるために試行錯誤をしてきたこの地は、政治や文化だけでなく「食」においても「メトロポリス」だったと思います。当店ではお造りを出しておらず、魚介類は酢でしめる等、必ず一手間を加えています。新鮮なものでもアイデアを込めておいしく頂くことが、「豊かに食べる」奈良らしさだと思います。

・守り続けられてきた歴史がこの店とこのまちの誇り
修二会や山焼き等の年中行事をテーマにし、「奈良にこだわった料理」を提供していると、地元の方に「奈良の良さとは何でしょうか」と聞かれることがよくあります。派手に着飾ることなく当時のままに脈々と守り続けられている奈良の文化は、東京から来た私も含め外から見れば大変魅力あるものですが、地元では生活に溶け込んだ当たり前の光景なのかもしれませんね。
お水取り、修二会が戦時中にも続けられていたこと、おん祭というと「お渡り式」だと思われがちですが、実は真夜中に粛々と行われる「遷幸の儀」があることなど、この店に来るようになってメニューの説明で知り、「奈良に住んでいることを誇りに思うようになった」と仰るお客様がいらっしゃいます。 奈良に惹かれ外からやってきた私の店が、料理で奈良の良さを伝えられているのだとすれば、非常に嬉しいです。

 

新たな「食」で輝く西部エリア

和食、洋食等とともに、今や日本の「食」のジャンルの一つとして定着している「ラーメン」。今、富雄駅周辺をはじめとする西部エリアでは、全国からファンが訪れる名店が集まっています。その名店の中から、全国的にもその名が知られる「ラーメン家 みつ葉」の代表 杉浦嘉和さんにお話を聞きました。

●杉浦 嘉和(すぎうら よしかず)さん(「ラーメン家 みつ葉」 代表)

飲食チェーン店から独立し、修行後に「ラーメン家みつ葉」を開店。2016年に行われた日本最大級のグルメサイトのラーメン全国ランキングで県内1位となるほか、雑誌社主催のランキング等でも複数の受賞歴がある。

・やりたいことを表現できる世界
―なぜ「ラーメン」を選んだのですか。
中華の枠にとらわれることなく、和風・洋風にもアレンジできて、それが「ラーメン」として受け入れられる「特別」で「面白い」ところに惹かれました。その「定形がなく自由度の高い世界」で自分のやりたいことを表現したいと思いました。

・この店を支える
「当たり前のことを、当たり前に。」
―「一番大切にしていること」は何ですか。
「熱いものを熱く出す」。「店を清潔に保つ」。ごく当たり前のことをとにかく大事にしています。目新しいことばかりに注力し、基本的なことがおろそかになってしまってはいけない。店が軌道に乗るまでの間も、基本的なことをひたすら繰り返し、その中でよりおいしいラーメンを作るための研究をしていました。この店では、多くのお客さんとのつながりが生まれただけでなく、その中から当店の従業員になった人もいます。「当たり前のことを当たり前に」がこの店を支えていると実感しています。

・地域活性化の波を、このエリアからも。
―全国からファンが訪れたり、大手コンビニエンスストアとの企画商品を出されたりと、知名度が高くなった今でも県内2店舗のみの展開に留めているのはなぜですか。
店を多く出すことは可能ですが、「質」を保つことが難しいんです。経営的な視点よりも、この店の味を守りたい。「本店と味が違う」と言われることは、お客さんの期待を裏切ることになると考えています。同じクオリティを維持するために、少数精鋭で2店舗を営業しています。

―有名店や人気店がこのエリアには集まっています。「競争」「競合」の中で大変な部分もあるかと思うのですが。
それよりも「共存」「共栄」ができる環境だと思います。昔に比べ、今は個人店のレベルがとても上がり、このエリアは質の高いラーメン店が多いです。目的の店の行列を待てないお客さんが、他の店に入ったとしてもおいしいラーメンが食べられる場所ですね。
おいしいラーメン店が増え、食べる側のレベルも上がり、互いに高め合う環境ができていると思います。近隣店舗と協力してスタンプラリーを行う等、一人勝ちするのではなく、エリア全体で良い場所にする。そうすれば人が集まり、まち全体も活気づいていくのかなと思います。 

―「店として」だけでなく、「地域として」活性化する可能性を持っていますね。
ラーメンファンは、全国どこからでも食べに来てくれます。そんな期待に応えるラーメンを作り続け、「奈良と言えば、ラーメン」、そんなムーブメントをこのエリアから起こせたらうれしいです。

 

ふるさと納税で奈良の名産を後押し!

ふるさと納税のお礼の品として、奈良の名産品や名店の料理等を多数取り揃えています。本特集で取材した一部の店舗のメニューや奈良の名産「古都華」等も用意しています。くわしくは、市ホームページか、ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」か「楽天市場ふるさと納税」のサイトにぜひアクセスしてみてください!
【問合せ】広報戦略課(電話番号0742-34-4710)
 

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