初登庁式あいさつ

 皆さん、おはようございます。 本日より奈良市長に就任をさせていただきました仲川げんと申します。 
 どうぞ、これから4年間よろしくお願い申し上げます。


  私は、奈良市長選挙におきまして、7万人以上の方から、今こそ政治、そして行政を変えなければならない、その熱い思いをたくさんおあずかりをし、この4年間皆様と一緒に奈良の市政を運営していくことになりました。
 今、私たちは激動の時代、その真っただ中におります。
 アメリカで始まった改革、「チェンジ」、変えようというこの流れは日本にも上陸し、全国各地で政治を変えよう、社会をよくしよう、そんな大きな社会変革の波がわき起こっています。
 今市民の皆様そして国民が求めていることは、これまでの古い政治を一度変えよう、私たちの暮らしをしっかりと守る新しい政治に変えてほしい、その強い願いではないでしょうか。
 ご存じのように、今の奈良市の状況はもはや一刻の猶予も許されない厳しい経営状況、財政状況になっています。
 一方で、地域の社会の中では子育ての不安や教育の不安、介護の不安、医療の不安、暮らしの中にはまだまだ不安がたくさんあります。


 私は、政治そして行政の役割は、市民の暮らしをしっかりと守る、この1点に尽きると思います。
 今本当に奈良の市役所、奈良の市政は市民の暮らしを守れていますか、このことをまず問いたいと思います。
 そして、皆様がこの奈良市役所に奉職をされたとき、恐らく高い崇高な理念、そして全体の奉仕者として仕えることの大いなる意義、そしてその熱い情熱を胸に秘めてこの市役所に足を踏み入れられたのではないかと思います。
 今改めてもう一度行政の役割、そして行政の意義をこの奈良のまちで考え直し、改めて再構築をしていきたい、私はそのように考えています。
 皆様が私と一緒に本日から4年間、市民の皆様の暮らしを守るという本来の行政の役割をしっかりともう一度胸に刻み直し、ぜひ一緒に新しい奈良、暮らしやすい奈良をつくっていっていただきたい、そのように心からお願いを申し上げます。


 この選挙戦の中では、小さな子供からお年寄りまで、たくさんの方々と触れ合うことができました。
 選挙権のない小学生、中学生、高校生たちが今物すごく政治に関心を持っている。そして、私たち大人に対してふがいなさを感じると同時に、このまちの未来に大いなる危機感を持っている、そのことを私は感じてまいりました。
 これまで税金こそ払えども、行政が何をしているのか、税金がどんなふうに使われているのかほとんど関心も持ってこなかった、そんな市民の人たちが、私のように無名の若者を支え、新しい政治を実現していこう、これからの奈良、あきらめるのではなくもっといいまちを創るために、自分たちが行動を起こして変えていこうというたくさんの声が集まり、私はこれまで支えられてきました。
 
 私は、長年政治家を続けてきたわけでもありません。行政の職員を何十年も勤め上げたわけでもありません。
 この未知の可能性に市民の皆様がお力をかしてくださり、そして期待をしてくださった。この期待感を私は喪失感やあきらめにつながらないように一生懸命頑張っていきたいと思っております。


 今、日本全国で地方の政治をつかさどるリーダーが、まさに今この国の形をすら変えようとアクションを起こし始めています。
 個人個人の政治家の方の考え方は千差万別です。しかし、共通するのは、今の国主導の中央集権の形ではこの国に未来はもはやない。地方分権や道州制など、さまざまな可能性を政党の枠を超えて、議論を加速させる必要があります。
 もちろん、最先端で市民の声を受け取るのは私たち基礎自治体、奈良市役所です。
 今こそ私たちが本来の行政の役割をしっかりと取り戻し、そして、これからさらに求められる大きな役割を担えるだけの基礎体力、能力、そして関心、自らが自らを高める強い意思を改めて職員一人一人が今一度思い起こし、力を奮い立たせるときがやってきたと私は感じています。
 
 明治以来続いた官僚主導の政治が今大きく形を変えようとしています。
 職員、そして私市長も、もう一度行政のあり方、行政の新しい形を探っていくときではないでしょうか。
 日本はすばらしい国です。そして、この奈良のまちも本当にすばらしいまちです。
 


 私は3年間、東京でサラリーマン生活をしておりました。
 生まれ故郷の奈良を離れて、改めてこの奈良が本当にすばらしいと感じました。
 東京の出張から帰ってきて近鉄奈良駅に降りたら、草のにおいがする、シカのふんのにおいがする。ああ、奈良に帰ってきた、そう実感できる、そんな瞬間ではないでしょうか。
 しかし、このすばらしい奈良の未来は今明るい希望だけではありません。
 まちの中にはたくさんの困り事、市民の方々のたくさんの不安がまだまだあります。
 そして、市民の方からも、奈良をもっと変えてほしい、本来の役割を取り戻し、税金の無駄遣いをやめてほしい、そんな声も聞こえてきます。
 今、私たち行政に求められることは、これまでの当たり前を当たり前としてとらえるのではなく、もう一度ゼロから見直す、そしてそもそも論に立ち戻ることではないでしょうか。
 
 私たちが日々、平和で安心して暮らしていけるのは、たまたまでも偶然でも、ましてや当たり前でもありません。
 個人の志や夢が権力によって理不尽に奪い取られる、そんな時代もありました。
 今、私たちはみずからの自由意思によって、富める者も貧しき者も平等に生きる権利を保障されている。この現代に連綿と続く過程には、たくさんの先人が汗を流し、血を流し、死に物狂いで私たちの暮らしを守ろうとしてきた、まさにその歴史の集大成だと思います。
 それは民主主義であり、今日の私たちの社会の根幹をなすものです。
 
 いま一度私たちは、これまでの当たり前をもう一度見直して、次の世代に、そして今の時代に本当に求められている行政の役割は何なのか、もう一度ゼロから考え直し、築き上げていくことが重要ではないでしょうか。
 


 行政の仕事は、ともすれば「前例踏襲」とよく批判をされます。

 確かにこれまでの議論、経緯を踏まえ、連続性のもとで継続的に行政運営を行っていく、これも大事なことです。
 しかし、最も大事なことは、市民の皆様の暮らしを守る、やはりこの1点に尽きます。
 市民の暮らしが守れていないところに、行政の前例踏襲や内部の理屈は通用しません。
 いま一度行政がこれからのまちにとってどんな役割が求められているのか、もう一度皆さんとともに私は考え直し、創り上げていきたいと思います。
 


 また、奈良は、世界に誇る豊かな歴史遺産、自然遺産がある魅力的なまちです。
 人と自然と歴史が見事に融合した、1300年続くこの魅力的なまち。世界でも類を見ない、世界に誇れる奈良のまちです。
 今、世界のグローバリゼーションの中で、ともすれば価値観の衝突や物・金の奪い合いなど、さまざまな衝突が起きています。   しかし、私たちは1300年前に多様な価値観を柔軟に受け入れて、異なる考え方を排除するのでも対立するのでもなく、しなやかに内包して新しい文化を生み出してきた。この先人の知恵、1300年前の知恵にもう一度立ち返り、世界に対して平和、そして環境を守るというこのメッセージを奈良の地から発信していくべきではないでしょうか。
 
 奈良のまちは世界のボランティアの起源だと言われております。
 有名な経営学者ピーター・ドラッカーも、世界中で奈良のまちがNPO、ボランティアの発祥の地だと、そう言ってはばかりません。お寺を初め市民、民衆、力を合わせてよりよい暮らしをつくる。国をつくるときには掲げられていたこの崇高な理念が、今私たちの暮らしの中でどれだけ本当に機能しているでしょうか。

 もう一度この奈良という場所の持つメッセージ、そして世界における奈良の価値を振り返り、もう一度取り戻していく、これが重要だと考えています。


 今、日本を初め世界は、経済も市民の暮らしも情報伝達も教育も文化も、ありとあらゆるシーンで何百年と続いてきたこれまでの仕組みが大きく形を変えようとしています。
 そして、当然私たちも変わらなければならないのです。
 
 私たちは今、改めてよりよい社会をつくるということの意味、そして新しい世の中をつくるということに挑戦する、その気持ちをもう一度心に刻みアクションを起こしていく、そのときがまさにやってきたと私は考えます。

 これからは新しい目線で、今までのことをもう一度しっかり踏まえた上で、新しい時代、新しい財政規律、税金の使い道を考え直すことが求められています。


 世界に誇る奈良のまちが今危機に瀕している。全中核市の中でも将来負担比率が下から2番目。北海道夕張市の問題も他人事ではないと言われています。
 しかし、皆様が私と一緒に力を合わせて、もう一度税金の使い道、行政の本来の役割を取り戻そう、半歩でも一歩でも一緒に歩みを進めていけば、まだ間に合うのです。

 今しっかりとした財政再建を行うこと、これは喫緊の課題であります。3,000億の借金をまずいかに減らすのか、これは私たち現代を生きる大人たちの責任であります。

 子供や孫の時代に本当に暮らしやすいまちを残す、これは言葉で言うことは非常に簡単です。
 しかし、その道のりは非常に厳しく、本気で取り組まなければ実現することはできません。
 今私たちは目の前の問題をしっかりと解決する、これも大きな役割です。
 しかし、このまちの未来に対して、子供や孫の時代への責任としてしっかりとした財政再建、そして行政改革を行うことが今求められています。
 
 私は、次の時代のためにも生きられる人間になりたいと思います。ぜひ皆様と一緒に今のこの奈良の状況、奈良の現状をしっかりととらえ直し、新しい時代を切り開いていきたいと考えています。


 最後に、今、行政を取り巻く環境は非常に大きく変化を求められております。

 そのキーワード、それは「参画と協働」です。

 形だけ市民参加の会議をする、事業の名前だけ「協働型」にする、そういったことではもはやありません。
 多様な地域の資源、例えば市民や大学、商店街、ボランティアなど、いろんな方々と一緒になって私たちのまちを私たち自身で変えていく、そのためには役所も民間も市民もない、みんなが一緒になって1つの目標に向かっていく、それが本来の「参画と協働」であります。
 
 行政の役割を再設定すれば、機能が縮小されるかもしれない。限られた財源の中では事業に優先順位がつき、廃止をされるものが出てくるかもしれない。職員も異動をし、今までと違う環境で業務に取り組んでいただくこともあるかもしれない。私はしっかりと皆様の雇用は守っていきます。
 しかし、求められる機能、求められるサービスは、より高いものを求めていかなければなりません。
 
 私たちは全体の奉仕者です。
 市民の皆様からお預かりした税金をいかに効率よく、いかに住民の皆様に満足度を持っていただけるのか。住民本位、市民が主役の奈良市政を実現する。それは、究極のサービス業として行政をとらえ直すことではないでしょうか。
 
 私は本当の意味での「参画と協働」を実現し、市民の皆様と一緒に議論をし、税金の使い方から事業の優先順位、そして、このまちの未来に対しても一緒になって議論をしていくことが何よりも大切であると思います。


 本日初めてこの壇上に立たせていただき、皆様と一緒に仕事をすることになりました。
 私は生物でいえばある意味、外来種かもしれません。しかし、同じ生き物です。これからは、これまでよりももう少し長い目で、長期的なビジョンに立ち、職員としての視点だけではなく、一市民、一個人の視点として、これからのまちに対して今一度しっかりとしたビジョンを持ち、大いなる責任とやりがいにあふれた仕事、業務をしっかりと推進していっていただきたいと思います。

 そのためにも、3,000人の職員の皆様が思いを共有することが何よりも大事です。
 そして、4年後に、今よりもはるかに明るく、そして元気で前向きな、希望と可能性にあふれた奈良市を実現していくために、皆様と一緒に歩んでいく、そのことを本日は皆様にお誓いをし、そして皆様のお力添えをお願い申し上げ、あいさつとさせていただきます。
 

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