世界遺産とは-世界遺産条約の概要-

私たちの住む星-地球は、すばらしい自然をはぐくんできました。
人類は、そこにさまざまな文化をいとなんできました。

文化遺産や自然遺産が問いかけているもの-
それは私たち人間の存在そのものにほかなりません。
そこに人類共通の普遍的な価値を見つけることができます。

-世界各地の文化遺産・自然遺産を人類全体の財産として各国が協力して守っていく-

そのしくみを定めた条約が、1972年の第17回ユネスコ総会で採択されました。
これが「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」、すなわち「世界遺産条約」です。

日本は、1992年に125番目の締約国として仲間入りをはたしました。
(2016年7月現在の締約国数192か国)


文化遺産と自然遺産


この条約は、「顕著で普遍的な価値」のある以下のような文化遺産・自然遺産を対象としています。

文化遺産
・記念工作物 : monuments
・建造物群 : groups of buildings
・遺跡 : sites-文化的景観を含みます-

自然遺産
・地学的に重要な地域
・生物学的に重要な地域
・自然の美しい風景地 

文化的景観とは
文化的景観-cultural landscapes -とは、“自然と人間の共同作品”とされています。
具体的には、庭園や田園風景、あるいは信仰の対象となった自然景観などです。
人間の関わり方は様々ですが、文化的なもの=文化遺産として扱われます。


世界の遺産の保護のしくみ

世界の遺産を保護するためのしくみは、国内レベルでの取り組み、国際レベルでの取り組み、の2つに大きく分けられます。 

国内的保護
・各国は国内の遺産を人類の遺産として保護する責任があります。
・日本では、文化遺産は文化財保護法、自然遺産は自然環境保全法・自然公園法・森林法によって保護されています。

国際的援助
・自国の力だけでは遺産の十分な保護が困難な国を国際社会全体で支援します。
・日本も様々なかたちで国際的援助に参加しています。

国際的援助を実施するため、条約に基づいて世界遺産委員会と世界遺産基金が設立されています。

世界遺産委員会
・締約国からの要請に対し、どこにどのような援助を行うかを決定します。
・21か国で構成されています。

世界遺産基金
・援助の資金です。
・締約国の分担金や任意の拠出金、その他の国・団体・個人からの寄付などを財源としています。

世界遺産委員会は、世界のさまざまな自然や文化を代表する遺産のリスト-世界遺産リスト-を作成しています。

世界遺産リスト
・ 一般に“世界遺産”とよばれているのは、このリストに登録された遺産のことです。
・それらの遺産の保護を共通のテーマとして、具体的な取り組みが進められます。


世界遺産リストの作成


登録の手順

1 各締約国による暫定リストの提出
   各締約国が暫定リストを世界遺産委員会に提出します。
   (暫定リスト…各締約国が世界遺産リストへの登録がふさわしいと考える国内の遺産のリスト。) 

2 各締約国による推薦
   各締約国は暫定リストに基づいて国内の遺産を世界遺産委員会に推薦します。

3 専門家団体による評価
   専門家の国際NGO団体が客観的に評価します。

4 世界遺産委員会による審査・決定
   世界遺産委員会が評価結果にしたがって審査し、登録の可否を決定します。

登録基準

推薦された遺産は、
 遺産の価値 -「顕著で普遍的な価値」が十分にあるか-
 保護状況  -適切に保護されているか-
などについて、他の同種の遺産と比較検討しながら審査されます。 

顕著で普遍的な価値についての基準は文化遺産、自然遺産それぞれに定められています。
文化遺産の基準は以下のとおりです(抄訳)。

(i) 人間の天才的創造力が生み出した優れた作品
(ii) 芸術や技術の発展をもたらした重要な文化交流を示すもの
(iii) ある文化や文明の極めて貴重な証拠
(iv) 人類の歴史の上で重要な時代を物語る優れた実例
(v) ある文化の伝統的集落などの代表例で存続が危ういもの 
(vi) 普遍的な意義のある事柄と密接な関連があるもの

このうちの1つ以上に該当していることと、その文化遺産が本物であることなどが、証明されなければなりません。

登録件数  2016年7月現在

文化遺産  814件
自然遺産  203件
複合遺産    35件
総計     1052件

複合遺産とは
文化遺産としても自然遺産としても基準にあてはまると認められた遺産を、“複合遺産”とよんでいます。
例) オーストラリアの巨大な一枚岩(→自然)エアーズロックは、原住民の聖地(→文化)でもあります。(登録名称は「ウルル-カタ・ジュタ国立公園」)

危機にさらされている世界遺産リスト

世界遺産リストに登録されている遺産のうち、深刻な危機に直面している遺産は、「危機にさらされている世界遺産リスト」に登録され、状況を改善するために重点的な取り組みがなされます。

 

世界遺産条約は、世界の遺産の保護のための具体的なしくみをつくりました。
しかしそれは決して完全なものではありません。
人類全体の遺産とは何か?それをどのようにして保護していけばよいのか?
条約は様々な保護のあり方について考えるひとつのきっかけとなっています。

 

※リーフレットをダウンロードできます。
  世界遺産リーフレット見開き版(2419KB)(PDF文書)
  世界遺産リーフレット単ページ版(7077KB)(PDF文書) 

このページのお問い合わせ先

教育総務部 文化財課
電話番号:0742-34-5369
Fax番号:0742-34-4859

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